高級化でも価格据え置き!? ホンダ入魂の新型ヴェゼルは220万円台からか
MōTA / 2021年3月6日 11時0分
2021年4月にも発売予定のホンダ 新型ヴェゼル。すでに内外装デザインなどが発表され、その見た目から「高級になったから値段も大幅に上がるのでは?」と心配する声も。そこで今回は未だ発表されていない値段やサイズ、さらには使い勝手など、新型ヴェゼルを徹底的に解説! ついでにおすすめグレードも教えます!!
受注開始は遅くとも3月下旬! 購入するタイミングは慎重に
最近はコンパクトSUVの人気が高い。2020年はトヨタ ライズが好調に売れて、今はトヨタ ヤリスクロスに人気が集まっている。ヤリスクロスの1か月の登録台数は、9000台〜1万台に達する(5ドアハッチバックのヤリスを除く)ほど。日産 キックスやマツダ MX-30など、コンパクトSUVでは新型車の投入も活発である。
そこで注目されるのが2021年2月18日に概要が公開されたホンダ 新型ヴェゼルだ。現時点では価格などの詳細は不明だが、販売店では「3月中旬から下旬には、価格も明らかにして予約受注を開始するだろう。その後、4月中旬から下旬に正式発売される」という。実車をみる前に商談! という可能性も
新型ヴェゼルは概要を2月に発表しながら、正式発売は4月になるため、購入時には注意が必要だ。正式発売の後に販売店へ出かけると、既に受注が溜まって納期が長引いている可能性もある。購入を希望するなら、早めに販売店に問い合わせて、受注のスケジュールなどが分かったら知らせてくれるよう頼んでおきたい。
ただしそれでも不都合は生じる。車両を見られない状態で予約する必要が生じるからだ。メーカーとしては、受注を早めに開始すると、販売規模や売れ筋グレードが早期に分かるから生産計画を立てやすい。発売後には迅速に納車を開始できる。
その代わりユーザーと販売店は、実車のない状態で商談したり受注をしなければならない。最近はこのようなメーカーの都合を優先させた売り方が増えている。
新型ヴェゼルの魅力は視界の良さだった
ヴェゼルの外観は、最近のホンダ車のトレンドに沿っている。フロントマスクはグリルを直立させたデザインで、インサイトやオデッセイに似ている。標準装着されるグリルはボディと同じ色だが、ディーラーオプションを使うと、ブラックに変えることも可能だ。このほかにも外装パーツは豊富に用意されている。
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ボディサイドは、従来型ではサイドウィンドウの下端を後ろに向けて持ち上げたが、新型は水平基調だ。これも今のホンダのデザイントレンドに沿っていて、前後左右ともに視界が良い。先代型に比べるとフロントピラー(柱)を手前に引き寄せたので、斜め前方も見やすい。インパネ上面を平らに仕上げたことも、良好な視界を確保できた理由だ。運転席からボンネットが良く見えるため、車幅やボディ先端の位置も把握しやすいのも嬉しいポイントである。
テールゲートの角度は、先代型に比べて寝かされた。ファストバック風で、後ろ姿が先代型よりも伸びやかな印象となっている。ボディサイズはほとんど同じ見込み
ボディサイズは公表されていないが、従来型と同等だ。全長は4.4m、全幅は1.8m弱に収まり、SUVとして考えれば比較的コンパクトになる。最小回転半径も5.3~5.5mだから小回り性能も優れている。使いやすさを重視! 座り心地も好印象
内装の質は相応に高い。従来型もソフトパッドを使って上質だったから大差はないが、各部を丁寧に造り込んでいる。エアコンのスイッチは、従来型のタッチパネル式が少し使いにくかったので、新型は一般的な形状に変わって操作性を向上している。>>
新型も大人4人が余裕で乗れる広さ。座り心地も文句なし
居住空間は従来型と同様に広い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る同乗者の膝先には握りコブシ2つ半の余裕がある。シートの座り心地は、従来型よりも少し柔軟になった。特に後席は腰が落ち込むものの、体の収まり方は良好だ。ラゲッジの工夫がスゴい! 狭い駐車場ラクラク開閉できる設計
荷室の床面積は十分に確保されているが、新型ではテールゲートを寝かせたデザインのため、背の高い荷物は積みにくい。その代わりテールゲートの開口部は大きく、テールゲートのヒンジが少し前寄りに装着されるので、開閉時に後方へ大きく張り出さない点に注目したい。駐車場の敷地に余裕がないような場合でも、限られたスペースでテールゲートを開閉できるので使い勝手は良好だ。
前席の下に燃料タンクを搭載するホンダ独自のセンタータンクレイアウトを採用するため、荷室の床は低め。先代ヴェゼルやフィットなどと同様に、後席の座面を左右独立で持ち上げことが出来る便利なシートアレンジも用意される。背の高い荷物を積むならこちらに載せるのも良いだろう。
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推しはやっぱりハイブリッド! EVに近いパワフルさが自慢
パワーユニットは、直列4気筒1.5リッターのノーマルエンジンとハイブリッドを用意する。
ハイブリッドはe:HEV(イー・エッチイーブイ)と呼ばれるタイプで、現行フィットなどに搭載されるタイプと基本的に同じ。1.5リッターエンジンは主に発電機を作動させ、その電気によって駆動用モーターを回して走るというイメージだ。
モーター駆動だから、運転感覚は電気自動車に近い。アクセル操作に対して機敏に反応して、速度を直線的に高めていく。エンジンは発電、駆動はモーターと役割を分担するから、燃費効率も優れている。というのもエンジンは必ずしもスピードの増減には影響されず、高効率な回転域を維持しやすいからだ。
その結果、低速走行時などに過剰な発電をした時は、リチウムイオン電池に充電する。そうなればエンジンを停止させ、モーターのみで走る距離と時間を長くすることも可能なのだ。
また高速巡航時などは、エンジンの駆動力で直接ホイールを直接駆動する制御も行う。その方が燃料消費量を節約できる場合があるためだ。
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足まわりの見直しで乗り心地も良好な予感
プラットフォームは先代型と基本的に共通だが、各部を補強してボディ剛性を高め、ステアリングの支持剛性も向上させている。
サスペンション形式は、前輪はストラットの独立式、後輪は2WDがトーションビームの車軸式、4WDはド・ディオンアクスルになる。この点は従来型と共通だが、パーツは見直している。
足まわりの設定は、開発者によると「従来型のツーリング・ホンダセンシング(ターボエンジンを搭載する上級グレード)の延長線上にある」という。小さな舵角から車両の向きが正確に変わり、走行安定性も優れ、足まわりが柔軟に動く快適な乗り心地を目指しているのだ。 タイヤは16インチと18インチ(225/50R18)で、後者のブランドはミシュラン・プライマシー4だ。指定空気圧は前輪が220kPa、後輪は210kPaだから、転がり抵抗を抑えた高めの設定ではない。走行安定性と乗り心地のバランスを重視しているのである。開発者いわく「従来型のタイヤはプライマシー3だったが、新型ではプライマシー4に刷新した。タイヤの縦バネ(主にタイヤ側面部分の伸縮性)が利くので、快適性も満足できる」と述べた。
車庫入れはもっと安心に! 新型ヴェゼルは先進装備もかなり充実
装備では安全面に注目したい。安全運転支援システムのHonda SENSING(ホンダ センシング)は、全車標準装備となった。衝突被害軽減ブレーキや全車速対応アダプティブクルーズコントロールなどはもちろんのこと、新たに車庫入れの時などに作動する近距離衝突被害軽減ブレーキを追加している。快適装備では、車内Wi-Fi、スマートフォンをキーとしても使えるデジタルキー、自動地図更新サービスなどがある。
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買いグレードは中間のe:HEV・Z! 新型ヴェゼルの価格はいかに!?
新型ヴェゼルに用意されるグレードは、ハイブリッド(e:HEV)が、ベーシックなX、中級のZ、上級のPLaYと3種類をそろえる。ノーマルエンジンはGのみだ。
開発者に聞けば「e:HEVが全体の75~80%を占めると考えているため、3グレードを用意した」と述べている。駆動方式は前輪駆動の2WDと4WDを選べるが、e:HEV・PLaYは2WDのみだ。
ベースグレードでも十分な装備が自慢。最上級グレードはもはやオプションいらずの贅沢版
ベーシックなノーマルエンジンのGとe:HEV・Xにも、ホンダセンシング、フルLEDヘッドライト、ホンダコネクト、ナビ装着用スペシャルパッケージなどが標準装着される。e:HEV・Zには、後方の並走車両などを知らせるブラインドスポットインフォメーション、LEDアクティブコーナリングライト、予約クローズ機能付きハンズフリーアクセスパワーテールゲートなどが加わる。
さらにPLaYは、9インチホンダコネクトディスプレイ、パノラマルーフ、プライムスムースを使った上級シート表皮なども備える。
ライバルを考えると価格は据え置くしかない
価格は公表されていないが、今はヤリスクロスなども設定されて、コンパクトSUVはライバル競争が激しい。e:HEVを含めて機能を充実させたものの、大幅な値上げは難しいだろう。となれば新型ヴェゼルの価格は、ノーマルエンジンのGが220万円前後、e:HEV・Xは260~270万円、e:HEV・Zは290~300万円、e:HEV・PLaYは320~330万円と予想される。
【筆者:渡辺 陽一郎】
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