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ベロア調シートと特別なホワイトボディがバブルの証! トヨタ 70系マークIIを写真でチェック

MōTA / 2021年3月16日 20時0分

70系マークIIの外観は、直線的でスポーティな外観が当時の丸や曲線を基調とした大衆車と一線を画したスタイリング。 70年代までの「贅沢は敵」という庶民の風潮を打ち破ったかのようなスポーティなスタイリングが、バブル景気の到来を感じさせた。

トヨタがバブル直前に投入し、空前の高級車ブームの原動力となった車種がある。まるで銀座のクラブのような派手で高級感ある内装と、スタイリッシュなボディで高級志向が高まっていた大衆の心を鷲掴みにしたのが70系トヨタ マークIIだ。高級志向に向かう世の中で、絶大な支持を受けたトヨタ マークIIを写真と共に振り返ってみよう。

トヨタ マークII

日本中を巻き込んだハイソカーブーム

ハイソカーのハイソとは、上流階級を意味するハイソサエティの略語で、ハイソカーという言葉は上流階級の車という意味。1980年代初頭に高級車に対して使われ始め、やがて高級志向の機運が高まった大衆の間で一大ブームとなっていった。

大衆車コロナのやや高級仕様な派生車種だったマークIIは、一般層の所得向上とともに高まった高級志向に合わせてコロナから独立。豪華な内装と先進技術を盛り込み、5代目マークIIとして1984年に投入され、兄弟車クレスタ、チェイサーと共にマークII三兄弟と呼ばれ、ハイソカーブームの火付け役となった。

日本中どこもかしこもマークII

70系マークII三兄弟の販売期間約48ヶ月間の月間平均売上台数は約2.4万台にも達し、当時は道路上、街中の駐車場などいたるところでマークII三兄弟の姿が見られた。

2019年の売上ナンバーワン車種のプリウスでさえ月間平均1万台強なので、比較すると、当時いかに多くの人がこぞって70系マークII三兄弟を購入したかが分かるだろう。

先進の技術が詰め込まれていた走行性能

最上級グレードに搭載された、DOHC24バルブ直列6気筒ツインターボエンジンは、日本車初となるツインカムツインターボエンジンで、実用目的のみだった自家用車に、走りを楽しむという要素を加えたことも贅沢志向を刺激。

さらに足回りも走行状態や好みで減衰力(固さ)を変えられる先進のサスペンション、TEMS(トヨタ電子制御サスペンション)を搭載していた。

スポーティな外観でバブルの到来を予感させた

70系マークIIの外観は、直線的でスポーティな外観が当時の丸や曲線を基調とした大衆車と一線を画したスタイリング。

70年代までの「贅沢は敵」という庶民の風潮を打ち破ったかのようなスポーティなスタイリングが、バブル景気の到来を感じさせた。

ハードトップ車に採用されたリアピラー(後端側の屋根を支える柱部分)は、クリスタルピラーと呼ばれ、黒塗りの樹脂にエンブレムという高級感を演出するデザインだ。

最も売れたボディカラーの白も、当時としてはただの白ではなく特別感があった。

当時の大衆車に採用されていた白はややクリームがかった色だったため、マークIIに採用された「スーパーホワイト」の輝くような白色は、上質な物を求める当時の日本人の心を鷲掴みにした。

銀座の高級クラブを思わせた高級感溢れる内装

内装はブラウン系の深い赤基調で統一され、まるでソファの様なクッション材を採用したベロア調のシートも相まって、銀座の高級クラブを思わせる内装だった。

装備もデジタルメーターが採用されていることでも分かるように、当時の技術を詰め込んだ先進的な装備だった。

今でこそ当たり前だが、速度や回転数だけではなく、日時や燃料消費、平均速度などの情報まで表示するディスプレイ、よく使う機能のスイッチをステアリング周りに配置、チルト調整機能付きのステアリングと、当時としては最先端の技術を運転席に詰め込まれている。

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