ガソリン満タンで何キロ走る!? 日産 新型ノート vs ホンダ フィットの実燃費で比較してみた
MōTA / 2021年4月1日 20時10分
2020年12月23日に発売されたばかりの日産 新型ノート e-POWERの実燃費を計測した。都心から神奈川県境、千葉県を回り、また東京都に戻る160kmのコースを走破し、24.3km/Lの燃費結果となった。果たしてこの数値はライバルの「ホンダ フィット」とどのくらい違うのだろうか。 コンパクトハイブリッドカーのライバル2台の実燃費を徹底比較してみよう。
日産 ノート e-POWERの実燃費は24.3km/L!
「日産 ノート e-POWER X」(ノーマルモード) 実燃費は22.6km/L
まずは、2020年12月23日に発売を開始した日産 新型ノート e-POWER(ハイブリッド)の実燃費をチェックしてみよう。
今回も都内から首都高速経由で木更津・東京湾アクアラインを渡り、千葉県長南町から一般道を経由して都内に戻る約160kmのコースを走行した。
本コーナーでは、車両に走行モード切替機能が搭載されている場合、ノーマルモードで計測しているが、新型ノートは「ECO(エコ)」モードがデフォルトの設定となっているため、ノーマルとエコで2度に分けて計測を行った。
「日産 ノート e-POWER X」(ノーマルモード)の実燃費は、カタログ燃費27.8km/L(WLTCモード燃費)に対し、22.6km/L(達成率81.5%)となった。市街地コースの結果が振るわないのが今回の特徴で、WLTCモード燃費27.6km/L(市街地モード)に対し、達成率67.5%の18.6km/Lに留まった。
なお燃料タンク容量36リッターを満タンにすると、計算上は東京から広島の距離に相当する813.6kmを走る計算となる。
「日産 ノート e-POWER X」(エコモード) 実燃費は24.3km/L
続いてはエコモードで改めて実燃費を計測したところ、24.3km/L(達成率87.6%)という結果になった。やはり、市街地モードの達成率のみ71.1%と振るわない結果である。
なお燃料満タンの場合、東京から広島の距離に相当する874.8kmを走る計算となる。
市街地燃費で実力を発揮できなかった原因は一体どこにあったのだろうか。以前、先代ノート e-POWERを所有し、現在は日産の電気自動車「リーフ」に代替した自動車ライターの小鮒 康一氏に話を伺った。
小鮒氏によると、今回計測した筆者の運転スタイルに問題があったという。
アクセル操作だけで減速出来る機能を活用しないと燃費は良くない!?
ノート e-POWERは、アクセルペダルを戻すと同時に強めの回生充電を行って速度を積極的に下げる機能(e-POWER Drive)が備わる。電気が貯まればその分エンジン発電の時間は短く済み、燃費も向上する理屈だ。ただしブレーキを踏んだ際に、ノートは回生充電を行わない。その点が加減速の多い市街地コースで命運を分けた。
他のクルマのようにブレーキペダルを多用していた筆者のドライブスタイルでは、充電機会を損失していたのだというのが小鮒氏の見立てだ。
燃費記録を出すにはe-POWERに合わせた乗り方が求められる!
トヨタ車に搭載されるハイブリッドシステムTHS IIには協調回生ブレーキが備わっており、ノートとは逆に、意識的にブレーキを踏み続けると燃費が向上する傾向にある。ついその感覚で走ってしまい、肝心のエネルギー回収が十分に行えなかったのだ。なんたる失態。高速道路や郊外路では強いブレーキを踏み減速する機会もほぼなく、結果としてアクセルのみで走る時間が長かったことが功を奏した。
また試乗機会を得られた際には、改めて市街地モードの計測にリベンジさせて欲しい。
ホンダ フィット e:HEVの実燃費は29.7km/L! 日産 ノート e-POWERを上回る記録を叩き出していた
日産 ノート e-POWERとライバル車 実燃費比較
そして本題のライバル「ホンダ フィット e:HEV」の燃費と比較してみよう。
MOTA(モータ)では現行型フィットのデビュー直後、2020年3月に燃費レポートをお届けしている。その結果、ホンダ フィット e:HEVの実燃費は29.7km/Lと、今回のノート e-POWER(24.3km/L)を大幅に上回る結果を叩きだしている。
トヨタのコンパクトハイブリッド「アクア」も2017年に計測した。トヨタ アクアの実燃費は27.6km/Lで、やはりノートを大きく上回った。フィット、アクアとも、市街地モードの燃費が優秀で、ここで差をつけている。新型ノートが唯一優っているのは、郊外モードのみである。
「日産 ノート e-POWER」実燃費 新旧比較
「日産 ノート e-POWER」実燃費 新旧比較
2016年、先代ノート e-POWERが発売された際に、やはりノーマル・エコモードに分けて燃費計測を行っている。そちらと比較してみよう。
詳しくは比較表を見て欲しいが、冒頭に記した通り市街地での燃費が伸び悩んだ影響で、エコモードの燃費は先代ノート e-POWERのほうが+0.7km/Lも数値が良かった。しかも先代ノートは燃料タンクの容量が41Lあり、計算上は36Lの現行型よりも航続可能距離が長く保てる可能性が高い。先代から乗り換えたオーナーの中には、むしろ給油機会が増え燃費が悪化した? と感じる人がいるかもしれない。
【参考】実走行距離160キロ! MOTA実燃費レポートの計測コースはこんな道のり
ルート1「市街地」
千葉県市原市の国道16号線から国道357号線、途中から片側1車線になる国道14号線、都県境から蔵前橋通り、昭和通り等を経由し、東京都港区のMOTA編集部へ戻るルート。スムースに流れることは少なく、渋滞路が多くを占める区間だ。平均時速も15~20キロ程度と遅い。道のりは約55km。
ルート2「郊外路」
茂原長南インターを降り、国道409号線を西に進み、交差する国道297号線を北上し、東京湾に近い千葉県市原市内の国道16号線まで向かうルート。道路にアップダウンは少なく信号があまりない上に走行中の流れも良く、好燃費が期待できる区間と言える。道のりは約30km。
ルート3「高速道路」
首都高速都心環状線芝公園ランプから首都高湾岸線を経由し、東京湾アクアラインから圏央道の茂原長南インターに向かうというルート。道路にアップダウンは少なく、流れは区間全体を通しおおよそ80km/h程度。道のりは約70km。
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