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ヤリスクロス ハイブリッドとライズ、人気のトヨタ製コンパクトSUVの価格差50万円は“燃費”では埋められなかった!

MōTA / 2021年4月15日 19時12分

トヨタ ヤリスクロス ハイブリッド vs トヨタ ライズ&ダイハツ ロッキー

現在、売れに売れているコンパクトSUVが「トヨタ ヤリスクロス」と「ライズ」だ。2021年3月の販売台数ランキング(軽除く)ではライズが6位(1万2272台)、ヤリスクロスはヤリスファミリー合わせて1位(2万8466台)で、ヤリスクロス単体でもライズ同様に1万台以上を売っているというから凄い。 1.5リッターハイブリッドとガソリンモデルをラインナップするヤリスクロスと、1リッターターボのみのライズ。サイズも価格帯も近く兄弟のような関係の2台を、燃費の違いを軸にランニングコストを比較してみた!

トヨタ ヤリスクロス ハイブリッド vs トヨタ ライズ&ダイハツ ロッキー

ヤリスクロス ハイブリッド 4WDの実燃費はほぼカタログ値通り!

全ての走行モードでカタログ燃費数値に近い低燃費を記録

まずは、トヨタの人気コンパクトSUV「ヤリスクロス」(ハイブリッド E-Four)の実燃費をチェックしてみよう。

今回も都内から首都高速経由で木更津・東京湾アクアラインを渡り、千葉県長南町から一般道を経由して都内に戻る約160kmのコースを走行した。

取材車両:4WD:2020年モデル・トヨタ ヤリスクロス ハイブリッド Z」(E-Four)/[実燃費計測:2021年4月]/※注1:市街地・郊外・高速道路の各実燃費・距離はメーター内の燃費計表示を記載し消費ガソリン量を算出。総合実燃費は総走行距離と消費ガソリン量から算出。※注2:走行可能距離は計算上の数値であり、実際の走行を担保するものではありません。

「トヨタ ヤリスクロス ハイブリッド Z」(E-Four:4WD)の実燃費は、カタログ燃費26.2km/L(WLTCモード燃費)とほぼ同等の、25.2km/L(達成率96.9%)となった。

1回の満タンで900kmを走破出来る実力の持ち主!

郊外モードはカタログ燃費27.2km/L[WLTCモード燃費]に対し、達成率104.4%の28.4km/L。高速道路モードもカタログ燃費25.1km/Lに対し、達成率98.4%の24.7km/Lと極めて優秀な記録を残した。

市街地についても、朝の通勤ラッシュ時の渋滞に突入したものの、カタログ燃費26.4km/Lに対し、達成率92.6%となる24.5km/Lの記録を出している。

なお燃料タンク容量36リッターを満タンにすると、計算上は東京から山口県周南市の距離に相当する907.2kmを走る計算となる。

驚異の低燃費! ライズの実燃費はカタログ値を超えた!

トヨタ ライズ

トヨタ ヤリスクロスとライバル車 実燃費比較

そして社内のライバル「トヨタ ライズ」(計測はダイハツ版の「ロッキー」で実施)の実燃費と比較してみよう。

MOTA(モータ)ではトヨタ ライズ/ダイハツ ロッキーのデビュー直後の2019年12月に燃費レポートをお届けしている。その結果、ライズ(ロッキー)の実燃費は20.2km/Lと、燃費に優れるハイブリッドやクリーンディーゼル並みの低燃費をたたき出している。

※注:走行可能距離は実燃費とガソリンタンク容量を掛け合わせた計算上の参考数値であり、実際の走行を担保するものではありません。

間もなくフルモデルチェンジを実施する予定だが、ホンダの「ヴェゼル」も2013年のフルモデルチェンジ直後に計測した。ヴェゼル ハイブリッドの実燃費は21.0km/Lだった。新型がどこまで数値を伸ばすかも興味深いところだ。

マツダ CX-3(写真は一部改良後の新エンジン搭載モデル)

いっぽう、1.5リッターのクリーンディーゼルで独自路線を往くマツダの「CX-3」はやはりデビュー直後の2015年に計測し、実燃費20.6km/Lと、ヴェゼルとほぼ同等の数値を記録している。

なおその後マツダはCX-3マイナーチェンジに際し、ディーゼルの排気量を1.8リッターへ拡大。実燃費も改善されているが、本企画では未計測だ。

トヨタ独自のハイブリッドシステムを搭載するヤリスクロスは、他社を圧倒する低燃費で、各モードともトップの成績を残した。

ヤリスクロス ハイブリッドとライズ、50万円の価格差は燃費ではとても埋まらず

キャラクターが違うから共存共栄できている!?

ここで改めてトヨタのヤリスクロスとライズ(ダイハツ ロッキー)を比べて見よう。

全長4.2メートル弱のヤリスクロスに対し、全長4メートル弱のライズと、ボディサイズも近い2台。

ヤリスクロスは179万8000円から281万5500円。ハイブリッドだけに限定すると、228万4000円から281万5500円だ。それに対しライズは167万9000円から228万2200円。ざっくり50~60万円の差が生じている。

仮に5年・5万キロを乗ったとして、レギュラーガソリンを150円として計算した場合、ヤリスクロスのガソリン代はおよそ30万円。それに対しライズは37万円という計算になる。その差は7万円程度。とても50万円以上の価格差は燃費の違いだけでは埋まりそうにない。

欧州で企画が始まり、当初は日本国内への導入も未定だったというヤリスクロスと、小型車づくりに長けたダイハツが中心となって、トヨタと共同開発を行ったライズ。同じコンパクトSUVというジャンルながら、キャラクターも異なる2台が販売ランキングを争っているが、住み分けもしっかり出来ている。

なにせ2台とも、同じトヨタの販売店で比較しながら買うことが出来るのだ。他メーカーにとっては脅威でしかないだろう。

[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル]

トヨタ ヤリスクロス ハイブリッド(4WD) <高速燃費>取材車両:4WD:2020年モデル・トヨタ ヤリスクロス ハイブリッド Z」(E-Four)/[実燃費計測:2021年4月]

【参考】実走行距離160キロ! MOTA実燃費レポートの計測コースはこんな道のり

ルート1「市街地」

都心に向かう市街地ルート

千葉県市原市の国道16号線から国道357号線、途中から片側1車線になる国道14号線、都県境から蔵前橋通り、昭和通り等を経由し、東京都港区のMOTA編集部へ戻るルート。

スムースに流れることは少なく、渋滞路が多くを占める区間だ。平均時速も15~20キロ程度と遅い。道のりは約55km。

ルート2「郊外路」

流れの良い郊外路ルート

茂原長南インターを降り、国道409号線を西に進み、交差する国道297号線を北上し、東京湾に近い千葉県市原市内の国道16号線まで向かうルート。

道路にアップダウンは少なく信号があまりない上に走行中の流れも良く、好燃費が期待できる区間と言える。道のりは約30km。

ルート3「高速道路」

都心から郊外へ向かう高速ルート

首都高速都心環状線芝公園ランプから首都高湾岸線を経由し、東京湾アクアラインから圏央道の茂原長南インターに向かうというルート。

道路にアップダウンは少なく、流れは区間全体を通しおおよそ80km/h程度。道のりは約70km。

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