1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

ライバル人気ミニバン対決! ヴォクシーとの比較でセレナが勝る4つの有力ポイントとは

MōTA / 2021年4月17日 17時0分

トヨタ ヴォクシー vs 日産 セレナ

家族が増えて、そろそろ大きなクルマに乗り換えたい…そんな時に乗換えの最有力候補となるのが“ミニバン”だ。中でも「トヨタ ヴォクシー」「日産 セレナ」の2台で迷っている人も多いだろう。 今回はそんなガチの人気ライバルミニバンを徹底比較。使い勝手や車内の居住性など、気になる7つの視点で勝敗を決める。選者は、国内外の新型車事情に精通する“クルマの鬼”こと、カーライフジャーナリストの渡辺 陽一郎氏だ!

トヨタ ヴォクシー vs 日産 セレナ

ファミリーミニバンの2大勢力! 「ヴォクシー」と「セレナ」

共に月に6000台前後を販売する人気のミニバン「ヴォクシー」と「セレナ」

ここ最近はSUVの人気も伸びているが、ファミリーユーザーの間では定番のミニバンが支持され続けている。

ミニバンは背の高いボディに3列のシートを装着して、多人数乗車が可能だ。3列目を畳むと自転車のような大きな荷物も積みやすい。新車として売られる小型/普通乗用車のうち、約25%をミニバンが占める。この中でも主力車種になるのが「トヨタ ヴォクシー」と「日産 セレナ」だ。

2020年度(2020年4月から2021年3月)には、ヴォクシーが1か月平均で約6000台、セレナも約5500台を登録している。そこでこの2車種を比べてみたい。

2020年にグレード整理が行われ、エアロ仕様のみとなっていたヴォクシー

トヨタの兄弟ミニバン「ヴォクシー」(左)と「ノア」(右)[※注:最新モデルではヴォクシーのエンブレムがトヨタマークに変更されている]

なおヴォクシーには、姉妹車の「トヨタ ノア」と「トヨタ エスクァイア」も用意される。以前は販売店によって取り扱い車種を分けていたが、今は全店で全車を扱う。

「トヨタ エスクァイア」

そのため2020年にグレードが整理され、今のヴォクシーは、全幅を3ナンバーサイズに拡大したエアロ仕様のみの設定となっている。

ノアではエアロ仕様に加えて、5ナンバーサイズの標準ボディも選べる。エスクァイアは以前から5ナンバー車のみで変わりはない。今回は3兄弟の中でも人気の高いヴォクシーに焦点を絞りお伝えしていく。

質感はヴォクシーが勝るものの使い勝手や広さではセレナ優性!

勝負その1! 内装の質感/視認性/操作性対決

トヨタ ヴォクシーのインテリア

ライバルミニバンのヴォクシーとセレナを、7つの視点で比較してみよう。まずはインテリアから見てみる。

内装の質感は全体にヴォクシーが高い。高級車のような素材は用いていないが、色合いなどが工夫され見栄えも良い。メーターも通常の乗用車と変わらない位置にある。

セレナの内装の質感に特筆すべき点はない。ファミリー向けに明るい内装色が選べるのは良い点だ。

セレナはメーターをインパネの高い奥まった位置に装着して視認性を向上させた。その代わりデジタル表示となり、メーターの見やすさはユーザーによって評価が分かれるところだ。

日産 セレナのインテリア

またセレナはD字型の変形ステアリングホイールを採用した。

開発者は「メーターの視認性を向上させるには、ステアリングホイールの径をなるべく大きくしたい。ただし円形では大きくなり過ぎるから、下側を平らにした」という。

理由は分かるが、操作に違和感が生じる場合もあり、機能は一長一短だ。

■勝者:ヴォクシーの勝ち!

勝負その2! 前後席の居住性と乗降性対決

トヨタ ヴォクシーのセカンドシート

エンジンは両車ともに、ノーマルタイプとハイブリッド(セレナの名称はe-POWER)を用意する。この内、ハイブリッドでは後席が窮屈になるから注意したい。両車とも駆動用電池が1列目シートの下に搭載され、2列目に座る乗員の足が、1列目の下側に納まりにくくなるためだ。

従ってハイブリッドの2列目にノーマルエンジンと同等の快適性を与えるには、スライド位置を後方に寄せる必要がある。そうなれば3列目の足元空間が狭まる。

日産 セレナのセカンドシート

このエンジンによる居住性の違いも含めて、セレナが快適だ。特に3列目シートで差が付く。1/2列目の居住性が同程度になるようスライド位置を調節すると、3列目の足元空間は、セレナの方が広く確保される。

さらに座面の奥行寸法も、3列目についてはセレナが40mmほど長い。ヴォクシーも床と座面の間隔に余裕を持たせて快適性を向上させたが、シートのサイズと足元空間の違いでセレナが快適に感じる。

乗降性はヴォクシーが優れている。床を低く抑えたからだ。セレナの床面は、ヴォクシーよりも80mmほど高く、サイドステップ(小さな階段)を介して乗り降りする。

■勝者:セレナの勝ち!

勝負その3! 荷室の使い勝手とシートアレンジ対決

トヨタ ヴォクシーの荷室(3列目席跳ね上げ時)

ヴォクシーの2列目シートは、ノーマルエンジンにはセパレートタイプ(7人乗り)とベンチタイプ(8人乗り)を設定した。ハイブリッドはセパレートタイプのみだ。セレナはノーマルエンジンがベンチタイプ、ハイブリッドはセパレートタイプになる。

この中でシートアレンジが最も充実するのは、セレナのベンチタイプだ。2列目の中央部分には長いスライド機能が装着され、1列目の間までスライドさせると、収納設備として利用できる。

この状態であれば2列目の中央に空間ができるので、車内の移動もしやすい。さらに2列目には左右方向のスライド機能も備わり、スライドドアの付近に広い空間を確保することも可能だ。

日産 セレナの荷室(3列目席跳ね上げ時)

荷室を広げる時は、両車とも3列目を左右に跳ね上げて格納する。この操作はヴォクシーが簡単だ。レバーを引くと自動的に持ち上がる。

またミニバンのリヤゲートは縦長だから、開閉時には車両の後部に広い空間が必要だ。そこでセレナは、リヤゲートの上側(リヤウィンドウの部分)だけを開閉可能にした。これを活用すると、縦列駐車をしているような時でも荷物を出し入れできる。

■勝者:セレナの勝ち!

動力性能や安全機能、買い得度はいずれもセレナの圧勝だった!

勝負その4! ボディスタイルと取りまわし性対決

トヨタ ヴォクシー

ヴォクシーは前述の通り、エアロパーツを装着した3ナンバー車のみを用意する。全長は4710mm、全幅は1735mmだ。

セレナには5ナンバーサイズの標準ボディもあるが、人気が高いのはエアロ仕様のハイウェイスターになる。全長は4770mm、全幅は1740mmだから、ほぼ同じサイズだ。

両車ともサイドウィンドウの下端を低めに抑えたから視界が良い。

日産 セレナ

最小回転半径は、ヴォクシーが16インチタイヤを装着して5.5mになる。セレナハイウェイスターは、15インチタイヤは5.5m、16インチは5.7mだから少し大回りだ。

■勝者:ヴォクシーの勝ち!

勝負その5! 動力性能対決

トヨタ ヴォクシー(写真はハイブリッド ZS))

ヴォクシーとセレナにはそれぞれ、ノーマルエンジン(直列4気筒 2リッターガソリンエンジン)と、ハイブリッド(ヴォクシーは直列4気筒 1.8リッター+ハイブリッド、セレナは直列3気筒 1.2リッター+ハイブリッド“e-POWER”)の2タイプが用意されている。それぞれの性能を比較してみよう。

ノーマルエンジンの場合、性能の数値上はセレナが優れているが、シートに長いスライドレールを装着したこともあってボディが重い。ヴォクシーZSは1600kgだが、セレナハイウェイスターは1670~1710kgだ。そのために動力性能にはあまり違いが生じない。

日産 セレナe-POWER

ハイブリッド同士の比較では、セレナのe-POWERが力強い。

1.2リッターエンジンは発電を行い、駆動はモーターが担当する。そのために加速が滑らかで、巡航中にアクセルペダルを踏み増した時は、速度を機敏に上昇させる。

ただしセレナでは、ブレーキペダルを踏んだ時に、減速エネルギーを使って発電を積極的に行う協調制御が採用されない。そのために燃費を向上させるには、エコモードやSモードを選ぶと良い。

この時にはアクセルペダルを戻すと即座に積極的な充電が開始され、強い減速力が生じる。アクセル操作だけで速度を幅広く調節できるが、ドライバーによっては運転しにくく感じるかもしれない。販売店の試乗で確認してみることをお勧めする。

それでもヴォクシーのハイブリッドに比べると、セレナのe-POWERは加速力に余裕があり、週末のドライブなどでは疲労度の軽減にもつながる。ヴォクシーのハイブリッドは、車体の重さに対しやや余力が少ない印象だ。ノーマルエンジンの2.5リッターに相当するセレナのパワフルさは大きなアドバンテージである。

■勝者:セレナの勝ち!

勝負その6! 走行安定性と乗り心地対決

運転感覚はヴォクシーが軽快だ。セレナは前述の通り床が高く、全高も40mm上まわるから、重心が高い。操舵した時にも腰高感が生じる。

後輪の接地性を高めるために操舵に対する反応も少し鈍く抑えたから、峠道などを走ると曲がりにくく感じる。このあたりがヴォクシーは自然な印象だ。

乗り心地は両車ともに少し硬い。特に速度が時速50キロ以下まで低下すると、路上のデコボコを伝えやすい。

■勝者:ヴォクシーの勝ち!

勝負その7! 安全装備と運転支援機能対決

日産 セレナのプロパイロット

衝突被害軽減ブレーキは両車ともに装着するが、セレナは後方の並走車両を検知する後側方車両検知や後退時の車両検知機能も標準装着した。

またヴォクシーには、高速道路などで車間距離を自動調節し追従走行する運転支援機能が備わらないが、セレナは“プロパイロット”を設定した。こちらもロングドライブの際、特に渋滞時の疲労度軽減には大いに役立つ。これらの機能はセレナの圧勝だ。

■勝者:セレナの勝ち!

日産 セレナe-POWER × 星野奏

ヴォクシー vs セレナ 各特別仕様車は買い!?

ヴォクシー vs セレナ 推奨グレードを比較する

筆者が推奨する買い得グレード同士で、ヴォクシーとセレナの買い得度を比較してみよう。

トヨタヴォクシー特別仕様車「ZS“煌(きらめき)III”」

ヴォクシーには2021年4月現在、特別仕様車の「ZS“煌(きらめき)III”」が設定されている。これは歴代ヴォクシーで定番の特別仕様車で、一部に装備差はあるものの、基本的にはメッキ加飾や艶塗装、シート地の変更といったドレスアップの要素が強い。

ここではベース車「ZS」(2WD:281万3800円/8人乗り)を推奨するが、約10万円の差なので好みに応じて選びたい。

写真は特別仕様車「セレナ e-POWER ハイウェイスターV アーバンクロム」

セレナは「ハイウェイスターV」(2WD:307万100円)を推奨する。ベースの「ハイウェイスター」に対し先進運転支援機能のプロパイロットが搭載され、安全機能や装備も充実する。

セレナにも、ZS“煌(きらめき)III”に相当する特別仕様車「アーバンクロム」が5万5000円差で設定されている。こちらは装備差もなく純粋にドレスアップの差異となる。

ノーマルエンジンのトヨタ ヴォクシー ZSと、日産 セレナ ハイウェイスターVを比べると、価格は後者が25万6300円高い。

ただしヴォクシーがオプション設定する右側スライドドアの電動機能(6万2700円)がセレナには標準装着され、前述の充実した安全装備や運転支援機能も標準装着する。またセレナはシートアレンジも多彩な点もファミリーユーザーにとっては大きな差となる。

そこを踏まえると、日産 セレナ ハイウェイスターVが買い得になる。

ハイブリッドの「ヴォクシー ハイブリッド ZS」(2WD:334万7300円)と、「セレナ e-POWER ハイウェイスターV」(2WD:358万2700円)にも、同様のことが当てはまる。

総合評価! 人気ミニバン対決で買い得なのは「日産 セレナ」だった!

ヴォクシーの登場は2014年だが、セレナは2016年だから設計が新しい。さらにセレナは日産の国内主力車種でもあり、発売後も度々マイナーチェンジを重ねている。2018年にはe-POWERを追加するなど、商品力向上にも常に力が入っている。総合的に判断すると、日産 セレナを推奨したい。

なお値引きについては、競争が激しく、近年は両車ともに拡大傾向にある。セレナも大量に販売する必要があり、値引きで負けられない。日産の販売店でも「セレナはヴォクシーやノアと競うことが多い」という。

値引き幅は都市部と地方で差はあるものの、選択に迷った時は値引きの条件で決める方法もある。下取り車がある時は、その売却額も含めて競争させたい。

■総合評価:セレナの勝ち!!

[筆者:渡辺 陽一郎(カーライフジャーナリスト)]

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください