コスパがいいのは断然ヤリスクロス! しかし室内の広さや使い勝手ではヴェゼルが圧勝!【人気コンパクトSUV比較】
MōTA / 2021年4月26日 11時30分
2021年4月22日(木)、ホンダからコンパクトSUVの新型「ヴェゼル」が登場した。現在、多くのメーカーから多数のライバル車が参入する激戦のコンパクトSUV。もとはといえば、2013年に登場した初代ヴェゼルが販売を伸ばしたことで一気に拡がったカテゴリーだ。 そんなコンパクトSUV市場で今最も人気なのはトヨタの新型ヤリスクロスで、2020年8月に登場後半年を過ぎた2021年4月現在も、納車待ちを抱え、絶大な支持を集めている。今回はそんな注目の2台を比較してみた。
燃費の差はリッターあたり3キロ! 燃費だけでいえばヤリスクロスの圧勝
共にコンパクトカーをベースに誕生した新型ヴェゼルと新型ヤリスクロス
ホンダ 新型ヴェゼルは、ベーシックグレードに1.5リッターエンジン車も用意するものの、ほか3グレードは全てハイブリッドのe:HEV(イーエイチイーブイ)である。ホンダのコンパクトカー「フィット」のパワートレインやプラットフォームをベースに、ヴェゼル専用にパワーアップしたものを使用している。対するトヨタ ヤリスクロスは、ガソリンモデルとハイブリッドモデルはほぼ均等にラインナップされているが、ハイブリッドモデルが販売全体の6割以上を占めている状況だ。こちらもベースとなっているのはコンパクトカーの「ヤリス」と、ヴェゼルと似た成り立ちを持っている。
新型ヴェゼルとヤリスクロス、燃費から見るコストパフォーマンスの違い
ここで2台の燃費を比較してみよう。新型ヴェゼル、ヤリスクロス共に、売れ筋となるFFのハイブリッドモデル同士で見る。新型ヴェゼルのカタログ燃費は24.8km/L。それに対し、新型ヤリスクロスは27.8km/Lと一枚上手だ(共にWLTCモード燃費)。ガソリンタンク容量を満タンとし、燃費と単純に掛けた場合、新型ヴェゼルが992.1km走る(ガソリンタンク容量40リットル)のに対し、新型ヤリスクロスなら1000.8km走る(ガソリンタンク容量36リットル)計算になる。
5万キロ走行したとして、ガソリンを1リットル150円で換算した場合、新型ヴェゼルが約30万円なのに対し、新型ヤリスクロスは約27万円で済む。3万円の差とはいえ、低燃費に期待して購入するハイブリッドモデル同士で、この違いは少なくない。そもそもヴェゼルとヤリスクロスでは販売価格の差がある。売れ筋のグレード「ヴェゼル e:HEV Z」(289万8500円)と「ヤリスクロス HYBRID Z」(258万4000円))では、31万円4500円も違うのだから、ヤリスクロスのコストパフォーマンスの高さには圧倒される。
新型ヴェゼル、真のライバルはC-HRなどひとクラス上のSUVだった
しかし燃費や価格の差を比べるなら、ボディサイズの違いにも言及しないとフェアではない。なぜなら新型ヴェゼルは、ヤリスクロスに比べボディサイズが一回り大きいのだ。 新型ヤリスクロスの全長×全幅×全高は4180mm×1765mm×1590mm、ホイールベース(前後車軸間の長さ)は2560mmだ。それに対し新型ヴェゼルのサイズは4330mm×1790mm×1590mm、ホイールベースは2610mmとなる。トヨタでは上級クラスの「C-HR」が全長4385mmで、むしろそちらに近い寸法なのだ。C-HRハイブリッドの売れ筋「G」グレードは304万5000円(FF)。ひとクラス上の空間が約290万円で手に入ると考えれば、新型ヴェゼルが俄然魅力的に映ってくる。
ベースとなったコンパクトカー、ヤリスとフィットで比べてみると、フィットは大人4人が余裕をもって乗れる室内と広い荷室を併せ持つのに対し、ヤリスはコンパクトで、室内も荷室も最小限のサイズにまとめられている。普段は少人数で乗り、たまにしか多人数乗車しないという使い方ならヤリスでも十分だし、小さい分燃費も有利だ。しかし後席に家族を載せるファミリーカー用途にはあまり向いていない。
同じことは、新型ヴェゼルと新型ヤリスクロスにもそのまま当てはまる。週末にまとめ買いをしたり、荷物満載で家族と共にアウトドアレジャーを楽しみたいと思うなら、新型ヴェゼル1択となる。もちろんヤリスクロスも小さなサイズの中で十分な荷室空間を確保する工夫が随所に加えられているのも確かだが、後席や荷室の広さはショールームでじっくりチェックして、のちのち悔いが残らないように選ぶ必要がある。
ファミリーで使いたいなら新型ヴェゼル、ミニマムなSUVが欲しいなら新型ヤリスクロスだ
ここまで見てきた通り、人も荷物もたくさんのせてファミリーで使いたいなら新型ヴェゼル、道の狭い都会でも楽しめるミニマムなSUVが欲しいなら新型ヤリスクロス、と同じコンパクトSUVながら両モデルは明確な違いがあり、最適なユーザー層も異なってくる。このようにユーザーがどこを重視するかで、新型ヴェゼルと新型ヤリスクロスの見方は全く違う。漠然とした流行りのコンパクトSUVというイメージだけではなく、実際に販売店に訪れ実車に触れてみるのが良いだろう。自身の使い方をイメージしながらシートに座り、荷室をチェックして欲しい。
[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル]
外部リンク
- 新型ヴェゼルは最上級グレードが大人気で納車は年内ギリギリ! そのワケは充実の装備内容にあった
- トヨタ ヤリスクロス ハイブリッド vs マツダ CX-30 ディーゼル 燃費比較! 実燃費はハイブリッド有利だがランニングコストはイーブンだ!
- [新型ヴェゼルとヤリスクロス荷室比較]荷室は割り切った!? コンパクトながらも多数の工夫でヴェゼル・ヤリスクロスとも使い勝手は良好
- 【予算300万円の最新コンパクトSUV選び】ホンダ 新型ヴェゼルと日産 キックスをガチ比較! シートアレンジの手軽さや燃費を考えるとヴェゼルが買いだった
- 【新型ヴェゼルとヤリスクロス後席比較】USBポートとエアコン吹き出し口がポイント! 快適なのは断然新型ヴェゼルだった
この記事に関連するニュース
-
「フロンクス/ヤリスクロス」コンパクトSUV比較 ともに都会的なスタイルだがグレード構成に差
東洋経済オンライン / 2024年11月20日 12時0分
-
ホンダWR-V試乗記・評価 大満足か後悔か? 成功か失敗か? 見極め重要なコンパクトSUV
CORISM / 2024年11月17日 10時10分
-
ホンダ爆売れ「コンパクトSUV」がスゴイ! 全長4.3mなのに「めちゃ広ッ後席」がイイ! 260万円台から買える「ヴェゼル」ってどんなクルマ?
くるまのニュース / 2024年11月7日 21時10分
-
ヤリス/ノート/フィットに透けるメーカー事情 3車に見た「トヨタ/日産/ホンダ」強みと弱み
東洋経済オンライン / 2024年10月31日 8時40分
-
ホンダSUV「WR-V」は、なぜタイで開発されたのか 250万円以下、ガソリンエンジンのみという潔さ
東洋経済オンライン / 2024年10月31日 8時20分
ランキング
-
1「トイレでスマホ」が招く危険...長時間座りっぱなしの健康リスクとは?
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月27日 17時50分
-
2「無性にコーヒーが飲みたい…」 実は鉄分不足が原因? 疲労増&集中力低下も
オトナンサー / 2024年11月27日 8時10分
-
3「小銭入れると落ちる恐れ」 しまむらの新作財布に不具合……「申し訳ございません」 販売中止に
ねとらぼ / 2024年11月27日 19時20分
-
4ユニクロ感謝祭「最強アウターが大幅値下げ」「ヒートテックも割安」絶対に買い逃してはいけない5アイテム
日刊SPA! / 2024年11月27日 8時54分
-
5カワノアユミの盛り場より愛を込めて なぜ外国人が日本人女性を買う現象が起きたか 国内外で波紋…「東京はアジアの新しいセックス観光の首都?」と題する香港紙記事
zakzak by夕刊フジ / 2024年11月28日 6時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください