クラウンSUV誕生記念! セレナ・N-BOX・マツダ6…こんなクルマもSUVにすれば更なるヒット間違いなし!? 3選
MōTA / 2021年5月8日 7時0分
トヨタが中国・上海モーターショーで「クラウン」のSUV版、新型「クラウンクルーガー」を発表したことが話題を呼んでいる。何より、1955年から脈々と続く老舗高級セダンブランドが積極的に時代に即した転身を遂げたことが衝撃的だった。伝統的ブランドも動かすほどのSUVブームにはそれほどのパワーがあるのだ。 ならばそんなSUVのテイストを人気のN-BOXやセレナに取り入れてみたら、更なるヒット作を生むかも!? SUV化に期待したい3モデルについて、他社の成功事例を交えながらご紹介しよう!
大人気「ホンダ N-BOX」に迫るライバルと対抗する有効策! 今こそ「N-BOX CROSSTAR」を出すべし!
ホンダの「N-BOX」といえば、6年連続で軽自動車NO.1の販売記録を維持し続ける大人気モデルである。向かうところ敵なしと思われていたN-BOXだが、じわじわと販売台数で迫ってきているのが、スズキのライバル車「スペーシア」だ。
実は現行型N-BOXとスペーシアは共に2017年にフルモデルチェンジを実施したが、当初はダントツでN-BOXが売れていた。2017年度の販売台数で比べてみると、N-BOXの22万3449台(軽自動車販売台数1位)に対し、スペーシアは11万3691台(6位)だった。
ところが2020年度にはN-BOXの19万7900台(1位)に対し、スペーシアは14万4519台(2位)と猛追するようになっている。
ライバルのスズキがとった有効な対抗策が「SUV」化だった
スズキ スペーシアの販売台数増の原動力となったのが、2018年12月に追加されたスペーシアの新ラインナップ「スペーシアギア」だ。ジムニーやハスラーなどの人気SUVモデルのテイストを上手く取り入れたスペーシアギアが、新たな客層をさらった。首都圏のスズキ販売店関係者に聞いたところ、スペーシアギアは現在スペーシアシリーズの販売台数でおよそ4割を占めるようになったというから、台数の底上げに大きく貢献しているのは間違いない。
ホンダ社内にもSUV化の成功事例があった
そもそもホンダでも、コンパクトカーの「フィット」やコンパクトミニバンの「フリード」にSUVテイストを与えた「CROSSTAR(クロスター)」を設定し、新たな客層の開拓に成功している。そう、身内にも既に同じ成功事例があるのだ。N-BOXの鉄板人気を盤石なモノにするためにも、今こそ「N-BOX CROSSTAR(仮称)」の追加導入を期待したい!
再びミニバンNo.1の称号を! 日産 セレナ成功の鍵は“クロスオーバーモデル”の復活にあり!?
2018年、2019年と2年連続でミニバンNo.1の販売台数を記録した「日産 セレナ」。しかしその名誉ある称号も、2020年には上位クラスの高級ミニバン「トヨタ アルファード」に奪還されてしまった。この屈辱的な状況を打破するために、セレナにも流行りのSUVテイストを取り入れてみてはどうだろう。実はセレナの歴史をひも解いてみると、過去にはそうしたモデルが幾つか存在していた。
例えば初代セレナ(C23型:1991年デビュー当初は「バネットセレナ」)の4WDモデルには、車高をリフトアップした「RVセレクト」や、オーテックジャパンの手によるクロカン風架装を施した「キタキツネ」といったSUV路線のグレードがあり、当時のRVブームとも相まって一定の支持を集めた。なおキタキツネについては、次のC24型セレナ(1999年~2005年)にも設定されている。
実は過去にSUVクロスオーバーモデル投入で大失敗した苦い経験も…
その後、2005年にフルモデルチェンジした3代目(C25型)セレナにも「20RS/RX」というSUV風のクロスオーバーモデルを設定。先代C24型の人気エアログレード「ハイウェイスター」を廃止してまで追加した意欲作だった。しかし見た目の「SUVらしさ」が物足りなかったためか全くヒットせず、2006年には急遽ハイウェイスターを再設定。2007年のマイナーチェンジにはひっそりとモデル消滅させる混乱ぶりをみせた。
機は熟した! 再びクロスオーバーミニバンで新たな客層を開拓するチャンス到来だ!
もしかしたら日産の開発陣は、C25セレナ 20RS/RXの失敗がトラウマになっているのかもしれない。しかしアウトドアブームの今こそ、セレナにSUV風クロスオーバーモデルを再び復活させる好機ではないだろうか。その際にはワイドフェンダーやリフトアップなど、もっとわかりやすい装飾が求められる。そう、今やグループ企業となった三菱の「デリカD:5」などは良いお手本となるだろう。
SUVにやられっぱなしのワゴンモデル「MAZDA6ワゴン」(アテンザワゴン)が再浮上出来るチャンス!
「マツダ 6」は、従来「アテンザ」として販売されていたプレミアムセダン・ワゴンモデルである。中でも今回改めて注目したいのはワゴンモデルだ。かつて1990年代に一大ブームを巻き起こしたステーションワゴンブームの中でも、早くからカペラカーゴを販売していたマツダ。マツダ6ワゴンは、そんなステーションワゴンの伝統を継承し続ける貴重な存在である。
しかし近年はCX-5の大ヒットを皮切りにSUVへ客層を奪われ、残念ながらすっかり忘れ去られた存在になりつつあった。
SUVでは車高が高過ぎる! そう感じている潜在層を取り込める可能性がある
SUVブームが初期の1990年代後半、まだSUVモデルを持っていなかったメーカーは、自社のステーションワゴンにSUV風の加飾を施したクロスオーバーワゴンを誕生させ、成功を収めている。スバルの「アウトバック」などがその一例だ。
スバルではその後、ベースとなった「レガシィツーリングワゴン」がモデル消滅し、アウトバックだけが残る逆転現象も起きている。フォレスターなどSUVモデルもラインナップされる中、今でもアウトバックも共存しているのは、重心の低さから得られる走行安定性の高さや、高さ制限のある立体駐車場などにも入庫可能な適度な車高にある。そうした低車高のSUVを求める需要が一定数あることは、当のマツダももちろん承知していた。都心部に多いタワーパーキングにも収まる車高1550mm以下のSUVモデルとして、全長4.3メートル前後のコンパクトSUV「CX-30」や「CX-3」などがラインナップされている。
ただしこのコンパクトな2台ではちょっと後席や荷室が狭いと感じている層に対し、全長4.8メートルでボディの大きいマツダ6ワゴンをクロスオーバーSUV化することで、再びアピール出来るのではないだろうか。
日本では売られていないが、低車高で全長4.6メートル級のSUV「CX-4」(こちらも全高1550mm以下である)のテイストと重ねてみると、外観のデザインもイメージしやすい。クーペスタイルで荷室の狭いCX-4を日本に導入するよりも、よほど多くの需要を取り込めそうだが、いかがだろうか。[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル]
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