新型ジムニー オープンはハイブリッド!? 2013年登場のスズキ「X-LANDER(エックス・ランダー)」のデザインは今でもアリ!
MōTA / 2021年5月11日 21時0分
2018年にフルモデルチェンジした現行型ジムニーだが、そこからさかのぼること5年前の2013年に、次世代ジムニーを提案するコンセプトカーが登場していた。 結果として新型ジムニーとは全く異なる未来的なデザインだったが、今あらためて振り返るとこれがなかなか魅力的だった。今からでも再登場を期待したい、ジムニーオープンのコンセプトカーをご紹介する!
次期ジムニーをほのめかす未来的なコンセプトカーだが、四角いジムニーのイメージとのギャップが強すぎた
スズキ「ジムニー」は、小さいながらも本格的な悪路走破性を備え、日本のみならず世界中の道なき道で活躍する四輪駆動車だ。現行型(4代目)新型ジムニーが登場したのは2018年だが、そこからさかのぼること5年、2013年に開催された第43回東京モーターショー2013会場に次期ジムニーをほのめかすコンセプトカーが登場している。
名前は「X-LANDER(エックス・ランダー)」。未来的なルックスのオープンカーである。
正直なところあまり現実味はない未来的なフォルムで、筆者も当時ちょっと戸惑ったのを記憶している。ジムニーといえば四角くくて質実剛健なデザイン、というイメージが強かったから余計にそう感じた。しかし8年が経過した今、改めてX-LANDERを見てみるとなかなか魅力的に映るのだから、不思議なものだ。
スズキ X-LANDERは、ジムニーをベースにしたオープンカーの新提案だ
2013年当時の資料を読み返してみると、スズキ X-LANDERは『オフローダーの持つ力強さと精密でメカニカルなイメージを融合させた遊び心満載のデザイン』だと書かれている。次世代のジムニーについて、質実剛健なだけではない新たなアプローチを模索していることがうかがえる。
室内も外観同様に近未来のムード満点。防水の樹脂素材を使用し、機能性も追求されている。
結果として2018年に登場した新型ジムニーは、初代から続く四角く質実剛健なデザインを採用して好評を博した。それはそれで成功だったが、X-LANDERのように新たなオープンカーも、ジムニーとはまた別の魅力にあふれていたことに気付かされる。
また、初代、2代目と、ジムニーには幌タイプのオープンモデルがラインナップされていたが、1998年に3代目となったタイミングで消滅してしまった。オープンエアで楽しむオフロード走行の気分を、再びジムニーで味わってみたいと感じているファンも少なくないはずである。その意味でも、2021年版のX-LANDERの提案を改めて見てみたい気分だ。
3年後の2016年に実用化されるスズキ独自のフルハイブリッドシステムを搭載していた
近未来を想わせるオープンボディだが、中身は思いのほか現実的な仕上がりだった。 スズキ X-LANDERに搭載されていたのは、直列4気筒 1.2リッター“デュアルジェット”エンジン。2013年7月、スズキのコンパクトカー「スイフト」(3代目)マイナーチェンジ時に搭載されたもので、デュアルインジェクションやクールドEGRなど、燃焼効率を高めロスを抑える技術が多数採用されている。
これを、新開発の自動制御マニュアルトランスミッションと、4WDシステムの中に高効率モーターを組み込んだ小型・軽量なハイブリッドシステムと組み合わせた。
ソリオやスイフトのハイブリッドシステムを先見せしていた
実はこれに近いシステムは、その後2016年11月にスズキの小型車「ソリオ」に、翌2017年7月にはスイフト向けに、新型ハイブリッドとして追加採用されている。X-LANDERとは異なり、FF横置きエンジンのレイアウトだったが、シングルクラッチ式の5速AGS(オートギアシフト)の組み合わせによるスズキ独自の小型軽量なシステム構成で、当時のJC08モード32.0km/Lの低燃費をマークしている。今のところ新型ジムニーに電動化技術は搭載されていないが、今後このようなハイブリッドシステムが次世代のジムニーに搭載される可能性は高そうだ。
[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル]
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