トヨタ ハリアー売り行き好調で販売台数3割ダウンのRAV4。 PHVの復活で巻き返しを狙う
MōTA / 2021年5月13日 11時30分
トヨタ RAV4といえば世界中で最も売れているSUVである。日本でも2019年におよそ2年半ぶりに復活し、瞬く間にトヨタを支える大ヒットメーカーに。とくにハイブリッドはミドルサイズSUVながら実燃費は20km/Lを余裕でクリアするなど、デザイン&維持費の安さからデビュー直後から大注目を集めている。ところが2020年度の販売実績は前年比で3割程度ダウンしたのだった。一体RAV4に何が起こったのか!? 結論から言えばハリアーの登場が大きいのだが、詳しい理由を見ていこう。
RAV4は“今の常識”を作った偉大なクルマだった
RAV4は1994年に初代モデルが登場。当時のコンパクトSUV市場といえば1989年にデビューしたスズキ 初代エスクードが大人気を博しており、言うなればRAV4は正真正銘のライバルというイメージ。そしてエスクードはジムニーなどの本格クロカンモデルと同様にラダーフレームを採用していたのに対して、初代RAV4はカローラやセリカの部品を流用したこともあり、乗用車と同様のフルモノコックボディを採用していた。
要するにSUVといえば悪路走破性を担保するのが当たり前の時代に、街中を重視したコンセプトであったのだ。そう、いま流行中のSUVとまったく同じ考えであり、そういった意味ではコンパクトSUVのパイオニアでもあるのだ。
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2年半ぶりの日本復活! 発売直後はSUVで3位の人気車に
2019年にデビューした現行RAV4は5代目モデルなのだが、じつは2016年6月〜2019年4月の約2年半もの間日本市場から姿を消しており、事実4代目モデルは日本市場で販売されていなかったのだ。もともと好調であった北米と中国市場では大人気を博しており、今や世界で最も売れているトヨタ車にまで成長している。その売れ線モデルが久々に日本に投入されるとあって、大注目を集めたのだった。
2年半ぶりに日本市場に復活した2019年には5万3965台を売り上げるほどの好調ぶりで、SUVだけで見るとヴェゼルとC-HRについで3位にランクインを果たしている。もっといえば2019年度の販売台数を見るとSUVでは1位に輝くほど日本市場でも再びスターとなったのだ。
ところが、だ。2020年度の実績を見てみると5万990台と前年比の71.3%と約3割ほど販売台数を落としてしまっている。一体なにが起こったのか!?
“兄弟車”ハリアーの出現で販売台数が3割減
もっとも大きな理由は、先述の通り2020年6月に投入された新型ハリアーの存在が大きい。事実2020年度の販売台数は8万6843台と、RAV4の約1.7倍という好調ぶり。実はハリアーとRAV4は基本設計が同じ兄弟車という位置付け。ハリアーはラグジュアリー、そしてRAV4はよりクロカンを意識したコンセプトという違いはあるものの、プラットフォームなどは同じである。
だが価格帯はかなり違い、RAV4は274万3000円〜402万9000円に対し、ハリアーは299万〜504万円とハリアーの方が少々高い設定となってるにもかかわらずハリアーに人気が集中しているのだった。
ハリアーは初代モデルから一貫してラグジュアリー路線を突き進んでおり、お値段以上に高級に見えるというのがウケている理由でもある。事実輸入車からの乗り換え層も多く、どちらかというと趣味性の強いRAV4に比べ、ハリアーはより万人受けしているというイメージだろうか。
RAV4 PHVの販売再開で復活の兆し
だが、ここにきてRAV4が巻き返しを計りつつある。そう、2020年6月に追加されたプラグインハイブリッドモデルのRAV4 PHVの存在だ。発売直後はバッテリーの確保という大きな問題に直面し、すぐさま受注停止に陥ったモデルで、このトラブルがなければ2020年度の実績ももう少し健闘できたハズ。なのだが、じつは2020年3月ごろより受注を開始しており、現在はフツーに買えるモデルになりつつあるという状況である。
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今年2021年は現行型RAV4登場から2年が経過し、マイナーチェンジが行われる可能性がある。またハリアーには設定されてないPHVモデルの販売も再開しており、これらの相乗効果で販売台数も爆上がりする可能性もありそうだ。
それだけに今後のRAV4の動向、そしてPHVモデルの納期などにも注目していきたい!
【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】
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