三菱のワークスブランド「ラリーアート」が復活、モータースポーツも再参戦! だが、日本市場へラリーアートブランドを投入するのは数年後
MōTA / 2021年5月16日 11時30分
かつてパリ・ダカールラリーやWRCなどモータースポーツ界で大活躍を見せていた三菱のワークス「ラリーアート」が復活する。古くからのクルマ好きなら当たり前のブランド名だが、そもそも一体ラリーアートとは一体何なのか? その正体を改めてご紹介! そしてラリーアート復活で三菱はこれからどんなクルマを作っていくのか? そしてモータースポーツの復活はあり得るのか? 気になることを徹底解説。結論からいうとしばらくは日本には上陸せず、三菱ファンにとってはまだまだ辛抱が続きそうだ。
11年ぶりにラリーアートブランドが復活!
ラリーアートは1983年に設立された三菱のワークスチームだ。この名前を冠してパジェロが世界的に有名になったパリ・ダカールラリー、さらにはギャランやランサーエボリューションで参戦したWRCと三菱を語る上でラリーアートは欠かせない名前なのだ。かつて日本でもラリーアートの名前をつけたコルトやギャランフォルティスなどにスポーツグレードとして展開されており、今中古車市場で高値で取引されているほどのブランドであった。
もっとも三菱が2010年にモータースポーツから撤退をしたタイミングでラリーアートの活動、パーツ販売も終了に至っていた。およそ11年ぶりに復活されるとあって、三菱ファンのみならず世界のクルマ好きにとって超嬉しいニュースなのだ。
期待されたランエボ復活は当面なし! まずはアジアのラリーに参加する見込み
2021年5月13日に発表された決算でラリーアートの復活が発表された訳だが、その内容は復活するということ。そしてモータースポーツの再参戦を示唆された程度と、まだまだ詳しい情報は明らかにされていない。 このニュースを受けてツイッターなどでは「ランエボ復活か?」「一体どのレースに参加するの?」という話題で盛り上がっていた。だが、編集部が独自に得た情報によればランサーエボリューションの復活はまったくの白紙だという。たしかに2020年に発表された中期経営計画に記載されていた今後投入するモデルはSUVやピックアップトラックのみで、セダンタイプのモデルはまったく明記されていなかった。ランエボのようなスポーツモデルの復活は当面期待できないのだ。とはいえ、新型SUVや次期コンパクトカーなどにスポーツモデルを設定する可能性はまだ残されている!
日本未発売のトライトンで参戦する見込み
そして参戦するレースに関してはパジェロが活躍したダカールラリーではなく、東南アジアで開催されるアジアクロスカントリーラリーに参加するというのが濃厚だ。参戦するマシンは東南アジアで絶大な人気を誇るピックアップトラックのトライトンで調整中だという。このアジアクロスカントリーラリーはトヨタ ハイラックスやいすゞ D-MAXなど日本メーカーのピックアップトラックの参加が目立っているという現状がある。そこに三菱も真っ向から勝負を仕掛けるというイメージだ。
ラリーアートのコンプリートカーは当面なし! まずはパーツ販売からスタート
最後に気になるラリーアートブランドがどのように展開してくのか? ということ。こちらに関しても詳細は明らかにされていないが、パーツ販売からスタートされるという。
イメージ的にはトヨタのGRが展開するGRパーツといった専用エアロやホイールなどコンプリートカーではなく、あくまでパーツ販売で調整中との情報を編集部は得ている。GRヤリスのようなスポーツモデルの投入は当面ないというのだ。先に述べたアジアクロスカントリーラリーへの参戦からASEAN地域とオーストラリア市場への投入からスタートさせる。というのもこの2つの地域はいまだにラリーアートのブランド力が絶大な力を持っているからというのが理由である。それだけに日本市場への復活は当面は期待できないのだった。
今こそ三菱の踏ん張り時! ラリーアート復活で販売強化に期待
筆者個人の意見をいうならば、三菱のモータースポーツ事業を支えたパジェロやランエボを復活させたうえで日本市場へ復活を果たして欲しいところ。
これはあくまで理想論であり、なかなか一筋縄では実現出来ないかもしれないが、三菱ファンは大いに期待している。例えばコンパクトカー「ミラージュ」のスポーツモデルやアウトランダーPHEVをベースにしたハイパフォーマンスモデルなどは今からでも造る事はできるだろう。
主力であるASEAN地域がコロナ禍で大打撃を受けるなど今三菱自動車は厳しい状況に置かれている。それだけに今回のラリーアート復活は素直に嬉しいニュースであり、かつてのように元気な三菱として復活を果たしてほしい。早いタイミングでラリーアートが日本市場に再び戻ってくることをまずは期待したい。
【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】
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