高級車「クラウン」次のモデルはSUV説は誤報だった!? 2022年中にもフルモデルチェンジの新型クラウンを大予想
MōTA / 2021年9月27日 17時30分
「トヨタ クラウン」は、1955年の初代デビューから65年以上、日本の高級セダンをけん引し続けてきた老舗中の老舗ブランドだ。しかし近年は販売も振るわず、高級ミニバンのアルファードにその役割を譲りつつある状況で「クラウンがSUVに!?」という仰天の新聞報道まであがるほどだ。果たして次の新型クラウンはどのような姿で現れるのだろうか。2022年から2023年頃とみられる新型クラウンのフルモデルチェンジを大予想する!
現行型15代目「トヨタ クラウン」は新開発のFR系TNGAプラットフォーム採用、次期モデルでそれを捨てるのはむしろ不自然だ
現行型(15代目)の新型「トヨタ クラウン」は、2018年6月26日に約5年半ぶりのフルモデルチェンジを実施した。レクサスの最上級セダン「LS」や燃料電池自動車(FCV)「トヨタ MIRAI」などにも使われる新開発のTNGA「GA-Lプラットフォーム」を採用し、基礎性能を大幅にアップ。先進運転支援機能や安全性能を向上させたほか、ハンドリング性能の磨き上げのため、世界一ハードだと評されるドイツ・ニュルブルクリンクのサーキットで仕上げのテストを行うなど、相当に気合の入ったデビューだった。
力の入ったニューモデルだったが販売台数が伸び悩む「クラウン」と、売れ行きを伸ばす「アルファード」の存在
トヨタ渾身の力作となった15代目の新型「クラウン」だが、デビュー年2018年度(2018年4月~2019年3月)の販売台数こそ5万8548台(月平均 4879台)を記録したものの、翌年2019年度(2019年4月~2020年3月)は2万9680台(月平均 約2473台)、昨年2020年度(2020年4月~2021年3月)の販売台数は2万1858台(月平均 約1822台)と、減少傾向に歯止めが止まらない。確かに2020年度は世界的なコロナ禍の影響を大きく受けた年ではあったが、クラウンとほぼ同価格帯の500万円台から700万円台という高額な「トヨタ アルファード」は、同期間に10万6579台を売っている事実もある。高級車の需要は完全に減少している訳ではない。
アルファード躍進の状況を見てもわかる通り、高級車を求めるユーザーの嗜好がここ数年で大きく変化しているのは紛れもない事実だろう。
新型クラウンはSUVではない!? 2022年にも現行型のキープコンセプトで「いったん」フルモデルチェンジか
そんな中2020年11月には次期型クラウンの存続が危ぶまれていると新聞報道が行われた。しかも最初にニュースが流れたのはトヨタのおひざ元である愛知県の新聞からだっただけに、カーマニアのみならず多くのトヨタファンが注目した。さらにはセダン型の開発を凍結し、SUV型に変更される、といった衝撃の内容も報じられたことでさらに話題を呼んでいる。「クラウンSUV」報道は観測気球! 壮大なマーケットリサーチだった可能性も!?
果たしてこの「クラウンがSUVになる!」との情報が正確なものだったのかどうかは、2021年6月の現段階では断定し難い。セダン人気の衰退と入れ替わるように、アルファードが支持されるなど、ユーザーが求める高級車像が変化しつつあるのを最も実感しているのは、当のトヨタ自身だろう。SUV説のニュースも、次期型16代目クラウンの開発を始めるにあたり、トヨタ側の観測気球としてあえてリークされたのでは、と見る向きもある。いずれにせよこのクラウンSUV騒動のおかげで、16代目の次期クラウンについてユーザーが何を求めているのか、トヨタが多くの情報を得たのは間違いないはずだ。
次期型は2022年中か2023年早々、セダン型のままフルモデルチェンジか 価格帯も現行型を継承する500万円から700万円台
現行型クラウンは先代(14代目)から6年弱のサイクルでフルモデルチェンジを実施している。その前の13代目は4年、12代目(ゼロクラウン)は4年強と、当時のクラウンは早いサイクルでモデルチェンジを繰り返していた。現行型はプラットフォームの刷新なども絡み開発に時間がかかったが、約4年というこれまでのクラウンのモデルチェンジサイクルを考えると、次期型は早ければ2022年中、遅くとも2023年早々には登場することが予想される。
一部で報じられる「クラウンFF化」説は、さらにその次の2026年モデル!?
新開発のGA-Lプラットフォームは、他の高級セダンなどとも共有するとはいえ、日本国内での用途に合わせた車幅の狭いクラウン用サイズに改められている。これを1世代で捨て去るというのは考え難い。売れ行きが落ち着いたとはいえ、需要が消え去ったわけでもない。少なくとも2022年モデルの16代目クラウンは、現行型のセダンスタイルを継承しフルモデルチェンジする、そう考えたほうが素直だ。
一部報道では、FFされるとの説もあるが、これはさらに次の2026年以降の話かもしれない。2022年型新型クラウンは、ボディデザインは刷新しつつも、キープコンセプトのまま価格帯も500万円から700万円台のモデルとして登場するとMOTAでは予想する。
噂の「クラウンSUV」、日本ではなく中国でデビュー! 現段階では国内導入の可能性は低いが…
そんな中、中国・上海モーターショー2021から衝撃のニュースが届いた。なんと話題の「クラウンSUV」が現れたというのだ。その名は「クラウンクルーガー」。2020年11月に話題騒然となったあのSUVタイプのクラウンか、と再びトヨタファンの間で注目が集まった。しかしこちらは、同時に発表された3列シートの大型SUV「トヨタ 新型ハイランダー」の上級版として、中国でも定評のある高級ブランド“クラウン”の名を冠しただけだ、というのが現段階での調査結果となる。
ユーザーの嗜好の変化によっては国内導入の可能性もなくはない!?
ただしクラウンの派生モデルとして、クロスオーバースタイル(セダンと別のスタイルの掛け合わせ)の別モデルが検討されている可能性は捨てきれない。かつてはクラウンにも、ステーションワゴンや2ドアクーペ、4ドアハードトップなど複数の派生モデルが存在していた。高級車ユーザーの嗜好の変化をみつつ、セダン版フルモデルチェンジの後に、何かしらの別バージョンが進化した次世代クラウンの象徴として追加される……というシナリオが予想される。それはSUVではなく、ミニバンというスタイルを採用したものかもしれない。
こちらについても情報が入り次第、ページを更新していくので、楽しみにしていて欲しい!
[まとめ:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル]
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