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【クルマトリビア】かつてトヨタ ハリアーは販売終了の予定だった!? ユーザーの声から大復活劇を遂げた奇跡のクルマだった

MōTA / 2021年6月9日 10時30分

トヨタ 新型ハリアー G(ハイブリッド・E-Four)[ボディカラー:センシュアルレッドマイカ] [撮影:島村 栄二]

2020年6月に発売以来常に販売上位にランクインしているトヨタ 新型ハリアー。大人気を博しているモデルだが、じつは2003年にデビューした2代目ハリアーを最後にそのブランドに幕を閉じる予定であったのだ。レクサスブランドの日本上陸を機に海外市場と同様にハリアーもレクサスブランドへ移行する狙いがあったためである。ところが、ユーザーの声を拾って日本専売車として3代目ハリアーを開発。実は激動のクルマなのだった。そこでハリアーの歴史を振り返っていこう!

トヨタ 新型ハリアー G(ハイブリッド・E-Four)[ボディカラー:センシュアルレッドマイカ] [撮影:島村 栄二]

手頃な高級SUVという新たな勝ちでハリアーは人気を獲得

現在大人気となっているラグジュアリーなミドルサイズSUV「トヨタ ハリアー」は25年近い歴史を持つモデルである。

だが、実は一度絶版になりそうなりながら大逆転を遂げ、現在の地位にあるというドラマチックな車生を送っているモデルである。ここではハリアーが歩んだ道のりを振り返りながら、ハリアーの復活と人気となっている理由を考えてみた。

ハリアーは見た目の割に安い価格帯が人気の秘訣! ハリアー25年の歴史は激動だった

高級SUVという新ジャンルを開拓! しかも安さも人気を後押し

ランドクルーザーやハイラックスサーフといったオフロード色の強いモデルが多いなか、ハリアーのような都会的なSUVは非常に珍しかった

トヨタ 初代ハリアーは海外ではレクサス RXとして販売されることもあり、当時のカムリをベースとした「サルーンとSUVをミックスした高級乗用SUV」として1997年に登場した。

1997年当時、高級車ですら珍しかったカーナビを搭載するなどハリアーの内容はまさに高級車そのもの。それでいて240万円台から購入できたのだ

当初2.2リッター直4と3リッターV6という2つのエンジンを搭載した初代ハリアー。格好良いスタイルや、ライオンのマスクをかぶった人がハリアーでホテルに乗り付ける斬新なCMのインパクトの強さに加え、海外ではレクサスRXとして販売されるだけに、インテリアをはじめ高いクオリティを持っていた。

にもかかわらず日本での価格は約240万円〜とリーズナブルだったこともあり、初代ハリアーはデビュー早々に人気車となった。またハリアーの高級乗用SUVというコンセプトは「外国車に影響を与えることはあまりない」と言われていた日本車では珍しく、初代フェアレディZや初代セルシオなどに続くインパクトがあるものでもあった。

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2代目ハリアーで販売終了の予定だって!? キッカケはレクサスの日本上陸にあった

2003年に登場した2代目ハリアーも2005年に3.3リッターV6エンジンを搭載したハイパワーハイブリッドの追加という話題はあったが、基本的には初代モデルからキープコンセプトで成功を収めた。

ハイパワーハイブリッドモデルを追加。のちに13代目クラウンにも同じユニットが搭載された

そして2代目ハリアーから取り巻く環境が変わってくるのだが、2005年に日本でもレクサスの展開がスタート。

そのため海外ではレクサスブランドで販売されていたモデルは日本でもアルテッツァ→IS、アリスト→GS、セルシオ→LSと、フルモデルチェンジを期にレクサスブランドに移行していった。

そのためハリアーも2009年に(日本での)レクサスRXの初代モデルが登場したこともあり、その際に3.5リッターV6搭載車を廃止するなどバリエーションを縮小し、2代目モデルを最後にいずれ絶版となる予定だったのだ。

しかし、初代モデルと同じ理由で2代目ハリアーは初代RX登場後も2009年/1万4375台、2010年/1万1239台、2011年/8117台、2012年/5790台と根強く売れ続けた。

一転してハリアーが国内専売車で復活!? ディーラーの声から生まれた奇跡の1台

上記の背景もあり当時の扱いディーラーだったトヨペット店からの強い要望もあり(ハリアーはそれまでの保有台数も多く、ハリアーからの乗り換えも大いに期待できるのだから当然だ)、ハリアーは日本専用車として再出発する形で2013年に3代目モデルにフルモデルチェンジされた。

3代目ハリアーも2代目モデルまでに近い「手が届く贅沢」というコンセプトを持ち、発売から1ヶ月で2500台の月間販売目標台数に対し約2万台の受注を集めるというロケットスタートを切った。

ダッシュボードなどいたるところにソフトパッドを使用するなど200万円台スタートのクルマとは思えないほどのクオリティーであった

3代目ハリアーはインテリアを細かく見ると安っぽいところもあったが、スタイルやイメージ、合皮を貼ったダッシュボードやキルティング地のシートなどによるゴージャス感は強い魅力だった。

それでいて価格は2リッターNAエンジン車の中心となるエレガンスのFF車で280万円と手頃で、ローンを組んで2リッターNAのハリアーを買う若い人が多くいたというのもよく分かる。

そして昨年登場した現行型4代目モデルの大人気は記憶に新しく、言うまでもない。

頑張れば買える価格帯が人気の秘訣

ハリアーが初代モデルから人気となっている理由はゴージャス感と比較的小排気量エンジンの搭載。そしてベーシックグレードが240万円〜、現行モデルでは300万円〜という頑張れば手が届く価格、3代目モデルからは日本市場もより注視しているなど売れないわけがないモデルだ。

まとめると「1990年代中盤の90系までを中心に一世を風靡した、あのマークII三兄弟の21世紀版的な存在だから」ということに尽きる。

実は現行ハリアーは「ヴェンツァ」の車名で北米でも販売されているので、厳密には日本専売車ではない。ただ、3代目ハリアーの大逆転劇を思うと「日本のマーケットを重視した日本専売車がもっと増えて欲しい」と強く感じる方も多いのではないだろうか。

【筆者:永田 恵一】

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