ハイエースのキャンピングカー、大きくて長いのもいいけれど……初心者はまず“標準ボディ・標準ルーフ”から始めてみよう
MōTA / 2021年6月11日 22時30分
キャンピングカーのベース車両としてもお馴染み「トヨタ ハイエース」だが、大小で3タイプの車体の大きさが用意されているのをご存じだろうか。中でも、キャンピングカーのベースとして用いられるのは、背が高くて車体の長いスーパーロングが主流だ。 それでは、小さいサイズのモデルではキャンピングカーとして使いづらいのだろうか。MOTA(モータ)としては「そんなことはない!」と主張したい! 今回はキャンピングカー初心者におススメしたい、標準ボディのハイエースキャンピングカーを特集する。
多人数で寝泊まりできる“スーパーロング”はキャンピングカーの究極系だが、ちょっと大きすぎるのが難点
そもそもハイエースには、大きく分けて3つのボディサイズがある。基本は“標準ボディ・標準ルーフ”(「ロング」と表記されることもある)。 これに対し、最大サイズとなるのが全長約5.4メートル、車幅約1.9メートル、全高2.2メートル超の“スーパーロング”だ。キャンピングカーのベース車両としてもっともよく使われるタイプで、大人2人と子供2人分くらいのベッドに加え、調理スペースやリビングまで確保できるくらいの広大過ぎるスペースを有している。スーパーロングのハイエースは、キャンピングカーの究極系だと評する声も多い。全長5.4メートルのサイズになると、停められない駐車場も多い
しかしこのスーパーロングのハイエース、さすがにちょっとばかり大きすぎるのが難点だ。日本の駐車場サイズはおおよそ全長5メートル少々で区切られることが多い。だから狭い駐車場でははみ出てしまうし、高さ制限(最大でも2.1メートルというケースが多い)にもひっかかってしまうのである。
いつもの乗用車の感覚で、例えば旅先のショッピングモールにふらっと立ち寄って買い物をしよう、なんて思っても、そもそも駐車出来ないケースもあるのだ。
街中でも使いやすい“標準ボディ”はハイエースで最もポピュラーなサイズ
いっぽう、“標準ボディ・標準ルーフ”は街で最も良く見かけるもので、ハイエースの中でも最もポピュラーなサイズだ。全長約4.7メートル、車幅1.7メートル弱、全高2メートル弱。一見すると標準ボディでも十分大きく見えるかもしれないが、路上を占有するスペース自体は5ナンバークラスのミニバン「トヨタ ヴォクシー」や「日産 セレナ」と変わらない。
むしろ着座位置が高い分取り回しも良く、街中でも非常に扱いやすい。それでいて、ほぼ真四角なスタイルということもあって、見た目以上に広い荷室が確保されているのが嬉しい。もちろん車体が小さい分、スーパーロングに比べ車両価格が安いのは言うまでもない。
家族3人で川の字になって眠れるだけのスペースを確保出来る標準ボディ・標準ルーフのハイエース
それでは標準ボディ・標準ルーフのハイエースは、どのくらいのベッドスペースが確保できるのだろうか。結論から言うと、カップルや夫婦2人での旅なら十分過ぎるスペースを持つ。そればかりか、小学生くらいの子供となら、3人で川の字になって寝ることだって可能である。もちろんスーパーロングベースのキャンピングカーのように、手前にリビングスペース、奥に就寝スペースと、同時に両方を贅沢に使い分けたりすることは出来ない。
しかし、例えばキャンプ場で泊まる事が多いユーザーなら、基本は外で過ごすはず。外にタープを張り、テーブルセットや調理スペースを用意。夜まで屋外で食事をとったり焚火をしたりして過ごし、寝るためだけに車内を使う場合には何の問題もないはずだ。もちろん使っていくうちにサイズが物足りなくなってきて、やっぱりスーパーロングが欲しいとなるケースもあるかもしれない。しかし最初から高価なスーパーロングを買ったものの持て余してしまい、出かけるのがおっくうになってしまうようでは本末転倒。それまでSUVやミニバンなどで車中泊を楽しんでいた方なら、標準ボディのハイエースでも十分に感動できるはずだ。
キャンピングカー初心者ならば、まずは標準ボディの使い勝手を楽しんでみてはいかがだろうか。
[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル]
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