50年以上続く唯一の国産スポーツカーブランド “日産 フェアレディZ”を振り返る【初代S30型~3代目Z31型編】
MōTA / 2021年7月3日 13時0分
日本車の中には、初代の登場から50年以上を経ているクルマも数多い。ところが思いのほか、デビュー時の名前を継承する車種は少ない。1969年に誕生した日産 フェアレディZは、その名を残す貴重な一台だ。次期モデルの発表も話題となっており、その存在感は年々増しているように思える。 そこでこの記事では、フェアレディZの52年を2回に分けて振り返りたい。まずは、初代(S30型)から3代目(Z31型)までを見てみよう。
ロングノーズの近代的スポーツカーとして生まれ変わった初代 “Z”(S30型)[1969~1978]
国産名車の筆頭にあげられる初代フェアレディZ(S30型)は、1969年に登場した。実は「フェアレディ」という車名自体は、1960年のフェアレディ1200(SPL212型)から出現していた。 これはオープンスポーツカー・ダットサン スポーツ(S211型)の改良版だった。1962年にはフルモデルチェンジを経てフェアレディ1500に発展。最終モデルのフェアレディ2000(SR311型)では145PSを発生する2リッターエンジンを搭載した。しかし機構的にはブルーバードのラダーフレーム、リーフ式リアサスペンションなど古い設計のままだった。モノコックボディと全輪独立懸架で、一気に近代化された初代フェアレディZ
しかし初代フェアレディZでは内容を一新。ロングノーズ・ショートデッキのクローズド・ボディはモノコックに、サスペンションはストラット式の全輪独立として一気に近代化。テールゲートも備えていた。エンジンも海外のGTカーにも負けないSOHCツインキャブの2リッター直6を搭載。なんとスカイラインGT-R用の名機「S20型」を積んだグレード「432」も販売していた。
1971年には輸出用だった2.4リッターを載せたが、中でも「G(グランド)ノーズ」を装着した「240Z-G」は、オーバーフェンダーの迫力も相まって、今なお高い人気を誇る。その後432をカタログから落とし、4人乗りの「2by2」の追加、海外では2.6/2.8リッター版の設定・排出ガス対策の改良などを行い、1978年まで生産された。初代フェアレディZは、流麗なデザイン・性能のみならず実用性も高いエンジンを持ちながら安価だったことから、北米市場をメインに大ヒットを記録。54万台も作られ、それまでの古典的な英国製小型スポーツカーをアメリカから駆逐してしまった。
キープコンセプトで正常進化 初のターボを初搭載した2代目(S130型)[1978~1983]
2代目フェアレディZ(S130型)は、外観を見てもお分かりの通り、初代のキープコンセプトで登場。北米市場を強く意識して開発されたボディは、初代とよく似るが新設計で、大きな違いは幅の拡大。リアサスペンションもセミトレーリングアームに変更され、当初から2.8リッターをカタログに載せていた。 ダッシュボードセンターに初代の3連メーターのイメージが残されたが、内装全体ではラグジュアリーな雰囲気も加味されていた。1980年のTバールーフ仕様追加では、そもそもアメリカの香りが強い2代目フェアレディZを、さらにアメリカ車風に見せた。1981年にマイナーチェンジされ、前後バンパーをカラード化して近代化。
モデル末期の1982年になってアメリカで2.8リッターターボ、日本で2リッターターボ「200Z-T」を設定し、さらなる高性能化も果たしている。
オーバー200馬力! 高性能スポーツカーを目指した3代目(Z31型)[1983~1989]
フェアレディZは1983年にフルモデルチェンジを行い、3代目(Z31型)に。5年ぶりとなる新型は、フォルムこそロングノーズのフェアレディZらしいスタイルだったが、初代・2代目と続いた丸目2灯から矩形にチェンジ。直線基調も取り入れてモダンに大変身。3代目では、欧州製のスポーツカーに比肩できる性能の獲得が図られた。そこで選ばれたパワーユニットは2リッター&3リッターのV6ターボエンジン。前者は170PS、後者は230PSを発生し、欧州では最高速度250km/hオーバーも達成した。その一方で1985年には、新開発の直6ツインカムターボエンジンを搭載した「200ZR」も生まれた。 1986年にはマイナーチェンジが行われ、日産の北米デザインセンター(NDI)によって角が取れたスタイルにリデザインされた。この改良ではフェンダーまで変更しており、印象を一変することに成功した。この際、3リッターV6ツインカムの「300ZR」も登場している。パワーは190PS止まりだったが、ノンターボの大排気量ツインカムエンジンを積んだ300ZRは、新しいフェアレディZの帰還として君臨した。次回も引き続き、Z32型から現在に至る “フェアレディZ・ヒストリー” をお送りしたい。
[筆者:遠藤 イヅル/撮影:MOTA編集部・NISSAN]
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
6速MT搭載! 日産「悪魔の“Z”」実車初公開! 旧型「直6」にツインターボ搭載! 旧車デザイン×「伝説“ブルー”」でクオリティ凄い! 米で披露の「240Z」どんなカスタム?
くるまのニュース / 2024年11月14日 15時10分
-
日産「新フェアレディZ」登場に大反響!「ワンガンブルー&ミッドナイトパープル」新色追加に「湾岸ミッドナイトじゃん!」の声も!? どんなモデル?
くるまのニュース / 2024年11月11日 12時10分
-
6速MT搭載! 日産「悪魔の“Z”」実車公開に反響多数! 「原作通り」「ヤバすぎ」 旧車デザインに「伝説のブルー」×3L「直6ターボ」採用! 車好き大興奮の「240Z」米で披露
くるまのニュース / 2024年11月10日 16時10分
-
6速MT搭載! 日産「悪魔の“Z”」実車公開! 旧車デザインに「伝説のブルー」×3リッター直6ターボを採用! ド派手“ワイドボディ”が超カッコイイ「240Z」米で披露
くるまのニュース / 2024年11月7日 10時40分
-
日産「“V8”フェアレディZ」登場! 700馬力超えの「直線番長」! 1000万円超えの「超ガチ仕様」の正体とは
くるまのニュース / 2024年10月18日 15時10分
ランキング
-
1熊本の路線バス・鉄道5社、SuicaなどICカード決済から全国初の離脱…更新費12億円が重荷
読売新聞 / 2024年11月16日 21時20分
-
2大学前の町中華「萬来軒」、受け継いだのは台湾留学から帰国の学生…学食ベンチャー経験生かす
読売新聞 / 2024年11月16日 15時54分
-
3脳外科医も実践、姿勢が整う1日10回の「足首運動」 身体能力を高めたいなら意識したい「脛の筋肉」
東洋経済オンライン / 2024年11月16日 18時0分
-
4トヨタが水素と電気のHV ハイエースで来春実証
共同通信 / 2024年11月16日 17時57分
-
5生保会社員の情報漏えい、18社42万件超に…出向先の代理店で他社の契約者情報を自社に流す
読売新聞 / 2024年11月16日 19時46分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください