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新型アクアに新搭載「快感ペダル」って何だ!? ライバルの日産 e-POWERに闘志むき出しな便利機能だった

MōTA / 2021年7月21日 14時36分

トヨタ 新型アクア(2代目)「Z」(FF/ボディカラー:ブラスゴールドメタリック)[2021年7月19日発売] [photo:TOYOTA]

2021年7月19日(月)、トヨタのハイブリッドカー「アクア」がフルモデルチェンジを実施した。性能が向上し、様々な新装備も備わる中、ひときわ目につくのが「快感ペダル」という見慣れない名称だ。搭載バッテリーの刷新に伴い加わった新機能だという。なにが“快感”なのか、解説しよう。

トヨタ 新型アクア(2代目)「Z」(FF/ボディカラー:ブラスゴールドメタリック)[2021年7月19日発売] [photo:TOYOTA]

ニッケル水素電池の刷新で、先代比約2倍のバッテリーパワーになった新型アクア

2代目となる新型「トヨタ アクア」

フルモデルチェンジしたトヨタ 新型アクアには、ハイブリッドシステムの駆動用主電池として、新開発のバイボーラ型ニッケル水素電池が搭載された。

先代アクアもニッケル水素電池だったが、バイボーラ型は集電体などの部品点数を減らしたシンプルな構造とし、抵抗を減らすとともに、より大電流が一気に流れるようにした点が新しい。

新開発のバイボーラ型ニッケル水素電池, 従来型ニッケル水素電池との違い(概念図)

新開発のバイボーラ型ニッケル水素電池, 従来型ニッケル水素電池との違い(概念図)

また同時にコンパクト化を実現したことから、その分のセル数(電池数の単位)も増やすことが可能となった。結果として、従来型比で約2倍の出力を得ることが出来た点が、新型アクアでの大きな変化ポイントである。

そして新型アクアでは、新型バイボーラ型ニッケル水素電池によって得られた利点を「快感ペダル」というキャッチーな(そしてちょっと謎な)名称をキーにして紹介している。

世界に先駆け発展したトヨタ式の高効率なハイブリッドシステムだが、昨今は対抗勢力の日産 e-POWERなども台頭

トヨタ式とホンダ、日産式のハイブリッドシステムの違いは「加速感」にあり!?

初代「トヨタ アクア」,先代「日産 ノートe-POWER」

初代「トヨタ アクア」,先代「日産 ノートe-POWER」

そもそもハイブリッドとは、エンジンの駆動にモーター駆動で補助することで効率を高め、燃費を向上させる技術だ。中でもトヨタのハイブリッドシステム「THS-II」は、エンジンとモーターによる巧みな協調制御を得意とし、他社を圧倒する低燃費性能を誇っている。

いっぽうで、エンジンは主に発電を担い、中速域まではモーターだけの駆動とするホンダのe:HEV(イーエイチイーブイ)や、低速から高速まで全域でモーター駆動のみとし、エンジンは完全に発電役に徹する日産のe-POWER(イーパワー)のようなタイプも出てきた。

これらのハイブリッドシステムは、モーターだけで走る電気自動車(EV)に近い、低速からパワフルでスムーズな加速感覚が得られるのが特徴。これが、従来のエンジン車とはちょっと違う“気持ち良さ”があるのだ。

トヨタ式の場合もモーターによる力強い補助があるものの、アクセルを踏み込んでエンジンの回転が上昇していくことで、さらにパワーが得られる。これは従来からのエンジン車に近い自然な感覚だが、近年はホンダや日産のようなタイプが評判を得るようになってきていた。

ライバルの日産 ノートを強く意識!? 新型アクアの「快感ペダル」のユニークなポイントは2つ

【快感ポイント1】まるでEVのよう! 低速からパワフルでスムーズな加速感覚が得られた

2016年、コンパクトカーのノート(先代モデル)に初採用された日産のe-POWERは同社のEVモデル、リーフの技術を用いたことと相まって、このモーター駆動の気持ち良さを前面に押し出し、先進性をアピールした。

先代アクアでも、極低速域では電気だけで走るEV走行領域があったが、感覚的にはせいぜい時速20キロも出すとエンジンが同時に回りだしていた。

[TOYOTA公式YouTubeチャンネル「【アクア】商品紹介1 快感ペダル篇」(https://youtu.be/H63xX3bltME)より]

しかし今回新型アクアでは、前述の通りパワフルになった新型バイボーラ型ニッケル水素電池を採用した。これにより、時速40キロ前後の街乗り領域までEV走行可能となった。日産 ノートのように、低速からパワフルでスムーズな加速感覚が得られるのだ。

これが最初にお伝えした「快感ペダル」のひとつめのポイントである。

【快感ポイント2】アクセルを踏みかえず減速出来る「ワンペダルドライブ」を実現

再び日産 ノートの話題に戻る。パワフルな加速感を売りにした先代のノート e-POWERだが、もうひとつの特徴を持っていた。エンジン車でいうところのエンジンブレーキに相当する「回生ブレーキ」(減速時のエネルギーをモーターで回収する仕組み)が、モード切替によってはかなり強力に効かせることが出来たのだ。

どのくらい強力かというと、アクセルを戻したらブレーキを踏まずとも停止状態までいける「ワンペダルドライブ」を実現させたほど。これを日産では「e-POWER Drive(イーパワードライブ)」と呼びアピールしていた。

ペダルの踏みかえ頻度は大幅に削減できる, アクセルオフ時の減速度はノーマルの約2倍に相当

ペダルの踏みかえ頻度は大幅に削減できる, アクセルオフ時の減速度はノーマルの約2倍に相当

新型アクアの走行モードには「ノーマル」「エコドライブモード」に加え「POWER+モード」が設定された。これがまさに「ワンペダルドライブ」可能なモードとなっていた。

ノーマルモードに比べ、アクセルオフ時の減速感は約2倍。トヨタによると、ペダルの踏みかえ頻度も4割減り、運転時の疲労軽減にも役立つとしている。

トヨタが日産 e-POWERに闘志むき出し!? 新型アクアのワンペダルドライブには期待大だ

トヨタは今回の新型アクアで、日産 ノート e-POWERを相当に強く意識し開発を行っていたことがうかがえる。なにせ先代ノートは、e-POWERの投入直後の2016年11月、乗用車販売台数ランキングで1位を獲得しているのだ。日産としては30年ぶりの快挙である。

かつて1位の常連だったトヨタ アクアからすると、これは相当な衝撃だったに違いない。果たして新型アクアの走行フィーリングはどのようなものなのか、こちらは今後の試乗レポートを楽しみに待ちたい。

[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影:TOYOTA]

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