日産・三菱の新型軽EV(電気自動車)は人気必至! 2022年初夏にも実質200万円以下の低価格で待望の市販化へ
MōTA / 2022年2月7日 18時10分
「三菱 K-EV concept X Style(ケーイーブイコンセプト クロススタイル)」(2022年初頭発売予定の新型軽EV・コンセプトカー)【東京オートサロン2022出展車・2022年1月14日(金)世界初披露】 [Photo:茂呂 幸正]
高価だったEV(電気自動車)が遂に現実的な価格で販売される。日産と三菱が発売する新型軽EVは、購入補助金を含めれば実質200万円以下の低価格を目指すというから、EVの爆発的な普及に向けた大きなきっかけとなりそうだ!
日産・三菱共同による軽自動車開発・生産も10周年を迎え、次のステージは「軽EV」に
2011年6月、軽自動車の共同開発に向け日産と三菱が合弁会社NMKVを設立してから、早くも10年以上が経過した。商品企画、デザイン、開発は共同で行い、生産は三菱の水島製作所(岡山県)で一括して実施している。日産では「デイズ」や「ルークス」、三菱は「eKワゴン」「eKスペース」といった軽自動車をそれぞれ販売。近年急速に伸びている軽自動車需要を取り込み、2021年5月末までのおよそ10年で累計152万台を生産した。
そんなNMKVが今、新たに開発中なのが新型軽EV(電気自動車)「IMk(アイエムケイ)」(仮称)だ。2019年10月に開催された東京モーターショー2019に出展されたコンセプトカーのニッサン IMk コンセプトのデザインを観てみると、ディテールこそショーモデルの装飾が随所に施されているものの、基本的なフォルム自体は日産の軽自動車「デイズ」によく似ていて、現実味のあるかたちだ。もちろんボディサイズは軽自動車の規格に収まる寸法となっている。
さらに2022年1月開催の東京オートサロン2022では、三菱からコンセプトカー「三菱 K-EV コンセプト X Style(クロススタイル)」がお披露目された。コンセプトカー然としていた日産 IMkに対し、ボディカラーなどのショー向け装飾以外は市販モデルの軽自動車「eKクロス」そっくりのデザインと、非常に現実的ないでたちで現れ、むしろ市販間近であることを実感させてくれた。一充電での走行可能距離は200キロ程度に割り切ったシンプルな電気自動車に
日産と三菱の新型軽EV「IMk」だが、搭載されるバッテリー容量など詳細は未だ不明である。およそ10年前から市販EV「日産 リーフ」「三菱 iMiEV(アイミーブ)」を販売した豊富なノウハウを持つ両社だが、電気自動車最大の課題はバッテリーと考えているはずだ。リーフは現在、通常モデルの航続可能距離は322mだが、大容量バッテリーを搭載する「リーフ e+(イープラス)」の場合は458kmまで伸びており、通常のガソリン車並みに走れることをアピールしている(一充電走行距離/WLTCモード)。
ただしIMkは軽規格に収まるコンパクトサイズ。住居の近隣や都市部での使用を主な用途と想定することなどから、航続可能距離を200キロ程度に抑えた小さなバッテリー搭載を前提に設計される。あえて割り切った格好だが、EVを既に10年も量販している両社だけに、電気をより高効率に使うノウハウが存分に注ぎ込まれるはずだ。
補助金込みで200万円以下! 2022年にも発売が見込まれる
IMkの発売時期だが、日産の中期経営計画「NISSAN NEXT」(日産自動車 2023年度までの4か年計画)では『(IMkの発売時期は)2021年度以降』という表現に留まっている。しかし、すでに一部新聞などでは『2022年にも市場投入』『補助金含めた実質価格は200万円以下』と具体的な時期や価格も含めた報道が行われている。
また現在、NMKVの軽自動車生産工場である三菱の水島製作所では、新型軽EVの生産に向けおよそ80億円を投資。EV生産ラインの整備を行っている最中だ。
これらのことから考えると、2022年の春から初夏にかけ早々に導入されることが見込まれる。
都市部のみならず、地方での救世主として大ヒットの予感も
近年、山間部や島しょ部などの地方エリアで、ガソリンスタンドの相次ぐ閉鎖が問題になっている。電気ならば離島も含めた全国津々浦々の家庭や職場に行き渡っており、“給油”(給電)問題も難なくクリアできる。新型軽EVのIMkは、都市部よりも地方での救世主としてヒット作となるポテンシャルを秘めているのだ。早期の生産立ち上げが期待されるところである。
[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影:NISSAN・MOTA編集部]
[初出:2021年7月26日/加筆修正:2022年2月7日]
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