新型アクアとヤリス ハイブリッド、一体何が違う!? 新型アクアは「ヤリスのちょい上級版」というポジションに移っていた
MōTA / 2021年7月27日 16時41分
「トヨタ アクア」がフルモデルチェンジを実施した。2011年に登場した初代アクアは、プリウスに次いで登場したハイブリッド専用車だった。5ナンバーのコンパクトサイズで価格も安く、デビュー早々に絶大な支持を集めている。それから10年。現在では同じコンパクトカークラスのヤリスにもハイブリッドモデルが登場したことで、新型アクアのポジションも変化したようだ。
初代アクア誕生から10年、コンパクトハイブリッドの世界も様変わりしていた
先日、およそ10年ぶりのフルモデルチェンジを果たしたトヨタ アクア。5ナンバーサイズのハイブリッド専用車として、一般ユーザーから企業の社用車まで幅広い用途に愛されてきたモデルだけに、新型の注目度も高いと言える。しかしよくよく考えてみると、トヨタにはすでに5ナンバーサイズのコンパクトハイブリッドカーが存在しているではないか。それが2020年2月に登場したヤリスである。
ヤリスはガソリン車も用意されているため純然たるハイブリッド専用車ではないが、共にトヨタの新型プラットフォームTNGAを採用し、全く同じエンジンとモーターを搭載しているのだ。ひと昔前であればトヨタは複数の販売チャネルを持っていたため、マークII3兄弟やノア3兄弟のように、各販売店向けに兄弟車を仕立てるということも珍しくなかったが、2020年5月からは、東京都を除く全国で全車種を併売するようになっているから、その線はないハズ。
では、両車にはどのような違いが存在しているのかチェックしていきたい。
初代アクアの特色であった「低価格ハイブリッド」「低燃費TOP」の座はヤリスハイブリッドに受け渡した
まず最も分かりやすいのが価格だろう。上から「Z」、「G」、「X」という3グレードは両車共通している呼称だが、同一グレードで比較するとアクアの方が7万6000円~10万円ほど高額となる(ヤリス ハイブリッド Xよりも安価なアクア Bというグレードもあるが、これはビジネスユース向けだ)。
そしてハイブリッドカーとしては気になる燃費性能では、ヤリスハイブリッドの最も燃費の良いグレードで36.0km/Lなのに対し、アクアでは35.8km/L(共にWLTCモード燃費)と、わずかではあるがヤリスハイブリッドに軍配が上がるのだ。つまり、ユーザーの多くが気にするであろう車両価格と燃費性能、どちらも後発のアクアの方がヤリスハイブリッドに劣っているということになってしまう。これではアクアの存在意義が薄れてしまうではないか。
しかし、数値だけで判断するのは時期尚早。アクアはハイブリッド専売車ならではの先進的な部分が多く存在しているのである。
アクアに搭載される新開発のバッテリーは高出力な次世代型!
まず、ハイブリッド車のキモともいえるバッテリー。ヤリスハイブリッドは一般的なリチウムイオン電池を搭載しているが、アクアには市販車の駆動用バッテリーとしては世界初搭載となる「バイポーラ型ニッケル水素電池」を搭載しているのだ(Bグレードを除く)。このバイポーラ型ニッケル水素電池は、従来の電池に比べてコンパクトかつ高出力という特徴を持っており、まさに次世代の駆動用バッテリーと呼べるもの。
これを搭載したことでアクセル操作への応答性が向上し、リニアでスムースな加速が可能となりドライバビリティが大きく向上。さらにアクセルペダル操作の強弱で車速をコントロールできる「快感ペダル」をトヨタ車として初採用し、新世代のハイブリッドカーであることを強くアピールしているのだ。
万が一の災害時に役立つ「非常時給電システム」も全車標準
また、トヨタのハイブリッド車の装備としてすっかりおなじみとなったAC100V・1500Wのアクセサリーコンセントを全車標準装備としたほか、有事の際に車両から家庭への給電を可能とする「非常時給電システム」も全車標準装備。ガソリンが満タンの状態でエアコンなどの負荷がない場合、一般家庭のおよそ5日分の電力をアクアから供給することが可能というもので、自然災害の多い日本では心強い装備と言えるだろう(使うことがないのがベストではあるのだが)。
トヨタのコンパクトカーで初となる先進機能を多数装備
他にもハンドル操作、ブレーキ、アクセル、シフトチェンジなど、駐車時における全操作を車両が支援するトヨタチームメイト アドバンストパーク、従来の前後進行方向に加え新たに側方の静止物を検知対象とし、警報とブレーキ制御で接触回避を支援するパーキングサポートブレーキといった、トヨタコンパクト車初の技術を採用しており、最先端のハイブリッド専用車と言わんばかりなのだ。ちなみにアクア全車へ標準装備される全車速追従機能アダプティブクルーズコントロールは、2020年2月の登場時にはヤリスハイブリッドに備わっていなかったが、2021年5月の一部改良で車両停止状態まで対応する全車速型にバージョンアップされている。
同じコンパクトカークラスではあるが、異なるアプローチで誕生したアクアとヤリス
まとめると、ガソリンモデルも用意して幅広い層に親しみやすいキャラクターを持ったヤリスに対し、現時点で搭載できる先進的な装備や技術をありったけ詰め込んだアクアという図式とも言え、たまたまボディサイズと価格が近いだけで全く異なるアプローチで誕生した2台ということが言えるのではないだろうか。[筆者:小鮒 康一]
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
国産小型車で200万円超は高すぎる…電動車ばかりの時代にスズキが新型スイフトを200万円以下にした意味
プレジデントオンライン / 2024年5月6日 9時15分
-
トヨタ“新”「アクア」発表! めちゃ上質ブラウン内装×斬新2トーン採用! 「小さな高級車」な新「Raffine」 内外装の特徴は
くるまのニュース / 2024年4月24日 10時10分
-
トヨタ新型「ヤリス」発表! 約460万円の「小さな高級車」仕様もアリ! “新”ハイブリッド“搭載の「ヨーロピアン仕様」波で公開
くるまのニュース / 2024年4月23日 13時10分
-
トヨタ新型「アクア」発表! まさに「小さな高級車」な“上質内装”採用! 斬新2トーンの「新ラフィネ」に販売店でも反響アリ
くるまのニュース / 2024年4月18日 16時10分
-
レクサス最小の『LBX』は、「サイズ的ヒエラルキー」から脱却できたのか?
レスポンス / 2024年4月16日 21時0分
ランキング
-
1年収は「130万円」と「140万円」のどちらが損ですか? 夫の扶養に入っていますが、実際の手取りはどのくらいになるでしょうか…?
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月6日 4時30分
-
2外国人観光客向け「二重価格」は海外にも存在するが……在欧日本人が経験した「三重価格」の塩対応
オールアバウト / 2024年5月7日 18時30分
-
3「スナップえんどう」の筋取りが、お家にあるアレを使うだけで簡単キレイに!驚きのアイデアに「目からウロコ」「見ていて気持ち良いー!」
まいどなニュース / 2024年5月6日 15時45分
-
4クルマのホイール「アルミ」と「スチール」どっちがいい? 足元を支える“重要パーツ”のメリット・デメリットとは?
くるまのニュース / 2024年5月7日 17時40分
-
5自転車用ヘルメットは“適合マーク”付き製品を選んで 国民生活センターが呼び掛け
オトナンサー / 2024年5月7日 22時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください