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マツダの一部改良はなぜ頻繁に実施? 効果はいずれ現行型オーナーへも還元されるが戸惑いの声も

MōTA / 2021年7月31日 11時50分

マツダ 新型CX-5 特別仕様車 XD Black Edition(ブラックトーンエディション)[2020年12月3日一部改良モデル] 外観(ボディカラー:ポリメタルグレーメタリック)

マツダのクルマでは、他社にはあまり見られない特徴がある。それは「一部改良が頻繁に行われる」ことだ。地味なものを含め、年に1度か多い時にはそれ以上の頻度で実施される。現行型オーナーからは戸惑いの声も聞かれるが、地道な改良の積み重ねにより、現オーナーへはリセールバリュー(中古車価格の価値)向上による還元も期待されるという。

マツダ 新型CX-5 特別仕様車 XD Black Edition(ブラックトーンエディション)[2020年12月3日一部改良モデル] 外観(ボディカラー:ポリメタルグレーメタリック)

他の新型車からの水平展開も マツダでは一部改良が頻繁に実施される

4年で5度の一部改良を実施した「マツダ CX-5」

マツダのクルマは、新型発表後も絶えず地道な改良を重ね続け、常に最新技術を導入する。

例えば2017年2月に発売を開始した現行型(2代目)CX-5は、2017年8月、2018年2月、同10月、2019年12月、そして2020年12月と、わずか4年の間に5度に及ぶ一部改良を実施し、商品性の向上を図ってきた。

これは国産他メーカーにはあまり見られない、マツダの特徴だ。

一部改良は、外観上の大きな変更を加えることはあまりない。どちらかといえば実用面での地道な改善が多いのが特徴である。新規で実施される内容のほかにも、他のマツダ新型車に採用された先進機能や快適装備などを、素早く水平展開してくることも多い。

4年で5度の一部改良に、初期型オーナーはちょっと複雑な心境

初期型では8インチだったセンターモニターは新型で10.25インチまで拡大した

他社の事例を聞く限り、こうした類の改良は規模の大きいマイナーチェンジ時にまとめて実施したり、あるいは次のフルモデルチェンジまで持ち越されたりするものだが、フットワークも軽く改良の手を休めないのが、昨今のマツダの面白いところだ。

ただ現行型オーナーにとっては、愛車がすぐに“旧型”になることに対し、ちょっと複雑な想いもあるかもしれない。

SNSをのぞいてみても、一部改良の知らせに

「ああ、これでオレも旧型オーナー」

「後だしじゃんけんは止めて欲しい」

「もう少し後に買えばよかった」

といった現行型オーナーの悲痛な叫び声が聞こえてくる。

一部改良の積み重ねが、最終的にはオーナーにも高い下取り価格として還元される

とはいえ、改めて考えて欲しい。改良により熟成度合いを増すことで、モデルの価値も常に高まり、新たな需要が発生。通常なら落ち込むモデル後期でも売れ行きが維持され、中古車の相場維持にとっても少なくない効果を与える。

現オーナーがいずれ乗り換える際には、リセールバリュー(中古車価格の価値)として還元されることになるだろう。

少なくとも今のCX-5では、こうした良い効果が上手く循環している状況にある。地道な改良の積み重ねは、現オーナーにとっても決して悪くない話なのである。

今後は旧オーナーにもプログラム更新の機会が欲しい

とはいえ一部改良の変更点には、エンジンやオートマチックトランスミッションのコンピュータ制御に関するアップデートといったものも多く含まれる。

改良とはいえないプログラム上のマイナーな更新などは、点検入庫の際に人知れず実施されるケースもあるだろう。しかし一部改良で行われるレベルのメジャーなアップデートについても、旧型オーナーにも機会を与えて欲しいところだ。有償・無償と色々なケースが考えられるが、ぜひ検討して欲しい。こうした取り組みがあれば、リセールバリューにも更なる相乗効果を与えるはずである。

実際、最新世代の「マツダ3」では、スカイアクティブXのエンジン制御プログラムについて、旧型オーナーに対するアップデートを実施している例もある。現行型のアーキテクチャーでは対応が難しいようならば、せめて次期モデルからは積極的に取り入れて欲しいものだ。

[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影:MOTA編集部]

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