安くて小さくて乗りやすい、しかも流行りのSUV! 売れる要素しかない「トヨタ ライズ」の強さを再検証
MōTA / 2021年8月3日 21時0分
国内のトヨタ車でも最大サイズのSUVである新型ランドクルーザー300が発表されたばかりだが、いっぽうでトヨタは、最小サイズのSUVもラインナップしている。その名は「ライズ」。排気量は1リッター、全長は4メートル弱、車両重量は1トン未満(FF)で、軽を除けば世界でも最も小さくて軽いSUVのひとつだろう。もちろん価格も安く200万円前後で手に入るのだから、売れないはずがない。 日本の道路事情にもぴったりマッチした「トヨタ ライズ」が人気を集める理由を改めてご紹介しよう。
200万円で買えるSUV! 全長4メートル以下の5ナンバーボディで乗りやすさも抜群な「トヨタ ライズ」
トヨタ最小サイズのSUV「ライズ」が根強く売れ続けている。2019年11月に発売を開始。2020年1月から12月までの1年間で12万6038台(月平均で約1万500台)を売る大ヒット。デビュー早々に年間販売台数順位で2位にランクインした。
今年2021年に入っても上半期(2021年1月から6月)に4万7965台(月平均8000台弱)を売り続けている。
安いだけじゃない! 他のコンパクトカーや軽自動車とは違う特別感がギュッと詰まっているのだ
トヨタ ライズの価格は、FFモデルで167万9000円から206万円。4WDモデルでも191万8800円から228万2200円までと、軽自動車並みの低価格に抑えられている。しかし、およそ200万円という低価格の中にも「お得感」がたっぷりつまっているのが、ライズの大きな特徴である。ボディサイズは全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mm。全長わずか4メートル弱の5ナンバーサイズに収められた。例えばトヨタ「ヤリス」は全長3940mm。ライズが、コンパクトハッチバック車並みの最小サイズだということがわかるだろう。
しかしその小さいサイズの中にも、四角くタフなSUVらしい力強いデザインを成立させた点が凄い。他のコンパクトカーや軽自動車とはひと味違う、特別なクルマを所有する喜びがデザインからも得られるのだ。
搭載エンジンは小排気量の直列3気筒1リッターにターボを装着したことで、実用域での低燃費だけでなく、1500cc車並みのパワーを両立させた。アウトドアレジャーにも活躍するSUVに相応しい高速性能もしっかり備えた。
他メーカーから対抗車は出てこないのか!? 日産には海外専用モデルに最適なコンパクトSUVがあった
こんな美味しい市場、他社もすぐに飛びつくかと思いきや、なかなか後発のフォロワーが出てこないのは不思議な限りだ。例えば日産は2020年10月に、インド市場向けに全長4メートル以内のコンパクトSUV「マグナイト」を発表している。日本向けに最適化するのはそう簡単ではないのだろうが、対抗車として持ってくれば善戦しそうである。
そんな中、意外な敵が身内から現れた。「トヨタ ヤリスクロス」である。
強敵ヤリスクロス! しかし依然としてライズの買い得感は揺るがない理由
こちらは全長4.2メートル、車幅も1700mmを超えた3ナンバーサイズでひと回り大きいものの、依然としてコンパクトクラスである。もともと欧州向けに開発され、当初は日本導入の予定もなかったというが、2020年8月末に導入してみれば、ライズすら超える大ヒット作となった。2021年上半期、ヤリスクロスの販売台数はおよそ5万2600台、月平均で約8700台を売っている。
主力モデルの価格差は実に50万円! 同じクラスの中でしっかり棲み分けがなされているライズとヤリスクロス
ヤリスクロスの価格帯は179万8000円から281万5000円。安いモデルの価格帯で競合するものの、主力は240万円以上の価格帯に位置するハイブリッドモデルだ。200万円以下、1リッターターボのライズとは、実に50万円程度の価格差があるのである。環境意識の高まりもあって、ラインナップに「ハイブリッド」があるかどうかで、昨今は購買の際の大きな理由になる。とはいえ、50万円の差はかなりのもので、価格にシビアなユーザーにとってみれば、比較対象にすらならないだろう。依然として、ライズの買い得感は揺るぎないのだ。
ただしライズにも、価格上昇幅を最小限に抑えながらも実用燃費の向上につながるマイルドハイブリッド化は検討して欲しい。今後のマイナーチェンジでの採用に期待したいところである。
[筆者:MOTA(モータ)編集部トクダ トオル]
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