トヨタ ルーミー、軽からの上級移行の需要を一手に引き受けデビュー5年目でも人気を維持
MōTA / 2021年8月5日 12時0分
トヨタのハイトワゴン「ルーミー」が売れている。2021年上半期(2021年1月~6月)の販売台数は7万7492台。月平均では約1万2000台以上を売り、国内販売の2位にランクインしているのだ。デビュー5年目にしてこの人気を維持し続ける秘密はどこにあるのだろうか。改めてトヨタ ルーミーの実力について検証してみよう。
ルーミーは兄弟車タンクを吸収し販売台数をさらに伸ばした
「トヨタ ルーミー」は、2016年11月に新登場したコンパクトハイトワゴンだ。背が高く余裕のある室内空間に後席両側スライドドアを組み合わせ、使い勝手に優れる実用車である。当初はトヨタ店とカローラ店で売られたルーミーに対し、フロント周りのデザインなどを変更した兄弟車「タンク」も用意され、そちらはトヨペット店とネッツ店で販売。互いに販売台数を競い合っていた。
しかし2020年5月、トヨタは4つあった販売チャンネルの統合を実施。トヨタの全店で全車種を扱えるようになったことから、個別の販売店向けに用意されていた兄弟車の存在理由も無くなってしまった。そんな変化にルーミーはいち早く対応し、2020年9月に実施されたマイナーチェンジと同時に、タンクを廃止・統合させた。晴れて全チャンネル扱いとなったルーミーは、マイナーチェンジ効果も相まって、再び順調に販売を伸ばしたのだった。
軽スーパーハイトワゴン車からの上級移行ユーザーを一手に引き受けたルーミー
軽から始まった「背高+両側スライドドア」の組み合わせが小型車にも波及した
トヨタ ルーミーは、超コンパクトなサイズの中に背の高い車体を組み合わせ、広い室内を確保。そして後席両側に電動開閉式スライドドアを組み合わせたことで、高い実用性も備えた。この発想は、もともと軽自動車で採用され広く普及したものだ。その元祖は「ダイハツ タント」。その後も「ホンダ N-BOX」や「スズキ スペーシア」、「日産 ルークス」など各社から対抗モデルも登場し、現在ではその“軽スーパーハイトワゴン”というスタイルが軽自動車の主流となった。
選択肢が少なかった小型車ハイトワゴン市場をトヨタ ルーミーが席巻した
全長3.4メートル以下の軽に対し、ルーミーの全長もおよそ3.7メートルと非常にコンパクトだが、両車の最も大きな違いは「定員」にある。最大4名しか乗れない軽自動車に対し、ルーミーは5人乗りとなる。わずか1名とはいえ、いざというときに助かる人数差だ。実際に販売店に聞いても、軽スーパーハイトワゴンからの上級移行ユーザーは少なくないという。
これまで、タントなどで室内の広さやスライドドアの使い勝手の良さを知ったユーザーが軽から小型車に移行し、同様の使い勝手を求めた場合、スズキ ソリオなど選択肢は非常に限られており、あとは全長の長い3列シートミニバンに行くしかなかった。
そんな中で販売力の強いトヨタがルーミーを投入したことで、需要を一気にさらった格好となった。
価格も軽スーパーハイトワゴン並みの設定! どっちを選ぶか悩んだら…家族と一緒に販売店に行こう!
兄弟車の需要を全て引き受け、さらに軽からの上級移行ユーザーもくまなく網羅することで、安定した売れ行きを維持するトヨタ ルーミー。2WD(FF)モデルで155万6500円から204万6000円までとなっている。この価格は、軽スーパーハイトワゴンと比べてどうだろうか。実は、軽で最も売れている「ホンダ N-BOX」の価格は142万8900円から209万9900円で、ほぼ丸々かぶっていることがわかる。
およそ200万円以内というお得な新車価格の中で、諸税が安い軽か、それとも室内や荷室が広く5人乗りも可能なルーミーか…これはなかなか悩ましい選択である。週末は販売店へ出向き、クルマに乗る家族全員で軽とルーミーの使い勝手の違いについてじっくり見比べたうえで家族会議も実施してみると良いだろう。悩ましいだけだったはずのクルマ選びも、もっと有意義なものとなるはずだ。
[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影:茂呂 幸正・TOYOTA]
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