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ホンダ フリードとフリードプラス、一見同じに見えて、実はボディの後ろ半分がまるで別物に造り分けられていた

MōTA / 2021年8月6日 21時30分

ホンダ 新型フリード ハイブリッドクロスター Honda SENSING 2019年10月マイナーチェンジ、新グレード「クロスター」を追加

ホンダの人気コンパクトミニバン「フリード」には、兄弟車「フリード+(プラス)」がラインナップされている。3列シート版のフリードに対し、2列シート版のフリード+という棲み分けだが、“プラス”は単に3列目シートを取り払っただけではない。車体後部の構造すら造り分けら差別化が図られている2台を改めて比較してみよう。

ホンダ 新型フリード ハイブリッドG Honda SENSING 2019年10月マイナーチェンジ、新グレード「クロスター」を追加

全長4.3メートル以内のコンパクトサイズに3列シートレイアウトを実現させた「フリード」

フリード 6人乗り仕様(3列シート)

フリード最大の売りといえば、全長4265mmのコンパクトなサイズの中に3列シートをレイアウトしたパッケージングだ。2列目シートはベンチタイプ(7人乗り)とキャプテンシートタイプ(6人乗り)の2つから選ぶことが可能。

なおサードシート(3列目席)は使用しない場合は左右に跳ね上げて荷室を拡大することが出来る。

フリードのリア開口部の地上高は480mm(写真はマイナーチェンジ前モデル), サードシートは左右跳ね上げ式だ(写真はマイナーチェンジ前モデル)

フリードのリア開口部の地上高は480mm(写真はマイナーチェンジ前モデル), サードシートは左右跳ね上げ式だ(写真はマイナーチェンジ前モデル)

車中泊仕様も! 遊びのツールとして大活躍する派生モデル「フリード+(フリードプラス)」

一見すると、ただ3列目を取り払っただけのようにも見えるフリードプラスだが、実は凝った専用設計が施されていた

それに対し「フリード+(フリードプラス)」は、2列シートレイアウトとし、3列目シートが備わる位置を大きなラゲッジルーム(荷室)に変えたモデルだ。

2列目シートはフラットに倒すことが出来るので、アウトドアレジャーの大きな荷物を積んだり、写真のように車中泊を楽しんだりすることも出来る。メーカー純正でここまで出来るクルマはなかなかない。さらに純正アクセサリーには、車中泊を楽しむため荷室に敷いて就寝出来るベッド用マットや、窓を隠す全面シェードまで用意されている。

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リアゲートの開口部に注目!「フリードプラス」(写真はマイナーチェンジ前モデル), 「フリード」(写真はマイナーチェンジ前モデル)

リアゲートの開口部に注目!「フリードプラス」(写真はマイナーチェンジ前モデル), 「フリード」(写真はマイナーチェンジ前モデル)

と、ここまで見た限り、単に3列目シートの有無だけのように思えるフリードとフリードプラスの違いだが、そんなことはない。実はこの2台、2列目シートの後ろからフロア構造ごとごっそり設計し直され、完全に造り分けているのだ。

フリードとフリードプラスの2台を後ろから見比べると、リアゲート(ハッチバックドア)の開口下部の形状が全く違うことがわかる。フリードプラスは床面まで開口部が下がっているのだ。その差は実に145mm(FF)もある。フリードプラスの荷室は2重のフロアになっている。

フリードプラスはフリードに比べ後部の開口部が145mmも低い!!

二重フロアの上段ボードは、後席を倒した際にフラットにつながる高さになっていることで、車中泊も容易にした。車内をベッドにした際でも、二重フロアの下面は十分な荷室が確保されているから、いちいち車中泊のため荷室の荷物を動かしたりする必要もない。非常に良く練られたパッケージング設計なのだ。

凝った造りを新たな用途で活用! フリードプラスに用意された福祉車両

フリードプラスは低いフロアを活かし車いす仕様も用意される(写真はマイナーチェンジ前モデル)

この低い床面を生かし、フリードプラスは福祉車両としても活躍する。クルマ椅子仕様車はスロープの傾斜も緩く、楽に乗降出来るため、介護従事者からも評判が高いという。

荷物の多いアウトドアレジャー派向けにと、凝った専用設計の荷室を造ったことが、他の面でも大いに役に立ったのだ。

一見すると、フリードとフリードプラスの違いは3列目シートの有無だけのようだが、実は用途に応じて贅沢に造り分けされていることがわかる。週末は改めて販売ディーラーに赴き、2台の違いをチェックしてみるのも楽しそうだ。

[筆者:MOTA編集部 トクダ トオル/撮影:Honda・MOTA編集部]

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