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日産 新型ノート オーラニスモはコスパ最強! ベースモデルより26万円高いもトータルで考えればお買い得だった

MōTA / 2021年8月18日 18時30分

日産 新型ノート オーラ NISMO(ニスモ) [Photo:島村 栄二]

先代ノートで好評であったニスモモデルが、晴れて新型ノートシリーズに加わった。その名もノート オーラニスモだ。名前の通りベースモデルは3ナンバーのノート オーラとなっており、価格にして26万円高いプライスとなっている。一見高いようにも感じるが、じつはこれが超お買い得なのだった。エアロパーツにノート オーラニスモ専用の走行モードなど、専用チューンされた装備だらけなのだ。一体どんな仕上がりとなっているのか? 結論から言うと、これはオススメの一台です。

日産 新型ノート オーラ NISMO(ニスモ) [Photo:島村 栄二]

新型ノート オーラニスモはFFモデルのみ!

シリーズ式ハイブリッドのe:POWERのみで展開する日産ノートに上級・格上グレードとして加わったのが、新型ノートオーラ。3ナンバーのワイドボディと日産最新ピュアEVのアリアを思わせる薄型LEDヘッドライトなどによる堂々とした佇まいと高級感。そして先進感溢れるインテリア加飾、ファブリック、本革を問わないシート地の仕立てのよさがノートにない大きな魅力だ。

さらにe:POWERを出力で18%(116psから136ps)、トルクを7%(28.6kg-mから30.6kg-m)アップさせ、17インチタイヤ、専用4WD制御などにまで手が入った、まさにプレミアムな電動コンパクトカーなのである。

モータースポーツのノウハウを注入! 専用装備も満載

ニスモエンブレムの設置位置を変更するだけでなく、エンブレムのデザインも新設計となっている

その動力性能、走りの質感はノート以上に高いものだが、日産ではさらにスポーティなクルマを望むユーザーのために、レースで80年以上、コンバージョンモデルでは30年以上の歴史があるNISMOの手によるコンプリートカーを用意している。

ここで紹介するのは、現在のノートシリーズ最上位に位置し、「アジャイルエレクトリックレーサー」をコンセプトとする、前型ノートNISMOのハイスペックバージョンである”S”グレードに相当する、新型ノートオーラNISMO。駆動方式はFFのみである。

前後左右に専用エアロ装着! レッドの差し色が超クール

ボディーカラーにかかわらず、全車にレッドのエアロパーツが装備される。とくにホワイトのカラーとの相性は抜群である

そのエクステリアは惚れ惚れさせるほどのカッコ良さ、スポーツマシンならではの佇まいが印象的だ。

何しろノートオーラに対してNISMO専用のフロントグリル、バンパー、センターに配置されるNISMOエンブレム、LEDフォグランプ、サイドシルプロテクター、リヤスポイラー、リヤバンパー、センターに配置されるLEDフォグランプ、NISMOバッジ。

そして足もとをキメる17インチスポーツタイヤ(ミシュランパイロットスポーツ4 205/50ZR17)&7JのワイドリムNISMOアルミホイール(ノートオーラは6・5J)などが奢られるのだ。

見た目だけじゃない! 空力性能も大幅向上

モータースポーツのノウハウを注入し、空力性能を大幅に向上させているのだ

そのエクステリアによって、空力性能は0.30のCd値はノートオーラ同様にして、CL値(クルマを浮き上がらせる力)はノートオーラの0.11から0.03まで低減。

つまりゼロリフトボディによる操安性の向上、操縦性を実現しているという。おかげでWLTCモード総合燃費はスポーツバージョンにもかかわらず23.3km/Lを実現している(ノートオーラG FFは27.2km/L)。

内装もニスモこだわりの完成度! まさにレーシングマシンの仕上がり

エクステリア同様に内装にもレッドを採用するなど、まさにレーシングマシンといった完成度だ

インテリアもレーシーだ。

NISMO専用のアルカンターラ巻きのレッドセンターマーク付きステアリング、シート地(オプションでレカロシートあり39万8000円/税込み)、レッドのスターターボタン、ドライブモードスイッチを装備。

各所に配置されるNISMOエンブレム&ロゴ刻印、専用メーターなど、コクピットに乗り込んだ瞬間にアドレナリンが逆流しかねない、精悍なブラック&レッドの世界、空間なのである。

スペックはノート オーラと一緒も、実際に乗ると別物! 専用チューニングが効いているのだ

もちろん、ボディ、足まわりもNISMO専用だ。それは車体補強に始まり、バネ定数をフロントで36%、リヤで25%UP(硬く)した、20mmローダウンの専用チューニングスポーツサスペンションを装備。日本向けNISMO初採用の小さい入力でも減衰力を発揮できるモノチューブ式リヤショックアブソーバーなどに及ぶ。

さらに、これまたNISMO専用のEPS(パワーステアリング)のアシストマップ、VDC/インテリジェントトレースコントロール制御、新たに日産の”レールの上を動く”ドライブシュミレーターで100パターンの評価から設定されたNISMOモードを加えたドライブモード(ECO/NORMAL/NISMO)も注目点である。

ただし、主に発電のために使われる1・2Lエンジン、モーターのスペックはノートから増強されたノートオーラと変わらない……。ここで、それは残念!!と思うのは早合点。「カタログ数値に表れない感性領域に踏み込んだ加速性能」や「走りの世界」を実現するのがNISMOらしさ、真骨頂だからである。

オプションのレカロシートは文句なしのデキ! 乗り心地だけじゃなく、ステアリングの操作性も向上

その真意を確かめるべく、さっそく、モノグレードながら、オプションのレカロシートを装着したノートオーラNISMOを、短時間ながら日産のテストコースで走らせてみた。

ドライバーの身体にフィットするだけでなく、アクセルレバーやステアリングを正確に操作できる設計となっている

まずは、サイドエアバッグを装備したNISMO専用レカロシートのかけ心地に感動だ。

先代モデルのレカロシートに対して、座面を数度前下がりにして足もとの操作性を高めるとともに、シートバックを面で支え、背中と肩を包み込むような形状にリファイン。

いかにもロール方向、ヨー方向の体の動きを抑え、クルマとの一体感を向上させ、的確なステアリング操作を可能にしてくれそうだ。

ECOモードでも十分パワフル! 専用のニスモモードも装備される

走行モードはエコ、ノーマル、ニスモの全3種類をラインアップしている

デフォルトのECOモードで走り出せば、素晴らしくスムーズに速いと感じられた基準車のノートオーラとは別物だった。

タイヤが1回転したときからのモーターパワー/トルクのスムーズさ、乗り味の上質さでノートオーラを大きく上回るのだ。

そしてECOモードだからアクセルをオフにすれば、ワンペダル走行が可能な(停止までは行わず)回生による強い減速感が得られるのはお約束である(以前よりずっとスムーズだ)。でも待てよ、ECOモードなのにすごく速い。モーターレスポンスも鋭い!!

扱いやすさはノート オーラと同等も、力強さが全く違う

実は、ノートオーラNISMOのドライブモードは、先代モデルで好評だった減速度が穏やかで扱いやすいNORMALモードこそ継承されているものの、デフォルトのECOモードは、なんとノートオーラのスポーツモードなのである!! そしてその上にさらなるスポーツ度を発揮するNISMOモードが用意されているのだ。

テストコース上での乗り心地の印象は、確かに硬めになる。だが、ノートオーラNISMOを選ぶ人にとってはむしろ心地よいと感じられるはずの、段差などのショック、振動を一発で吸収する、タイトながら終始フラットかつスポーティな乗り心地だと受け入れられるタッチと言っていい。

モード変更で別物の乗り味に! ノーマルモードはガソリン車並の自然な動き

操縦性はまさしくスポーティカーだ。ステアリングはスムーズそのもの。4輪の接地感は優れた基準車以上で、基準車がタイヤのスキール音を鳴らすようなコーナリングでも、4輪のタイヤは路面に張り付いたまま。車体の前後バランス、接地性抜群の安定感がもたらす、オン・ザ・レールの痛快なスポーツドライビングが堪能できる。

基準車のノートオーラで気になった、ステアリングを戻したときの不自然さ、すっきり感のなさも、NISMO専用EPSチューニング&専用タイヤによって、このノートオーラNISMOでは見事に解消されていた。

走行中、ECOモードからNORMALモードに切り替えると、クルマがスッと前に出る感覚があり、アクセルオフによる減速度が弱まり、アクセルオン/オフによる自然なドライブフィール、ガソリンエンジンのクルマのような走りが堪能できる。

ニスモモードは早いけれど…市街地は扱いづら可能性も

注目のドライブシミュレーターで評価し煮詰めたというNISMOモードにセットすれば、モーターレスポンス、加速力ともに一気に高まる。

そのレスポンスは、市街地走行ではかえってギクシャクしてしまうほどの鋭さだ。テストコース上での確認ながら、NISMOモードは山道のハイスピードラン、高速道路の中高速域でその真価、速さを実感できるという印象で、加速Gが途切れない、伸びやかなモーターフィール、加速力を味わうことができた。

よく、電動車の加速感を「新幹線のよう」と表現するが、こちらは「飛行機の離陸のよう」な感覚と言っていいかも知れない。

オススメはエコモード! 運転のしやすさはピカイチ

ただし、テストコースの一部区間にある山道を模したセクションで、一般ドライバーがもっとも走りやすいと感じるのは、基準車のノートオーラのスポーツモードとなるECOモードと思えたのも本当だ。

比較的モーターレスポンスが柔軟になり、クルマの挙動も穏やかになるため、ドライバーだけでなく、同乗者も揺すられにくくなるというわけだ(後席に同乗したMOTA編集長談)。

実際には(ノートオーラの)SPORTモードとなるECOモードで走っても、あらゆるシーンで基本的な速さや操縦安定性、走りの気持ち良さを味わえることは間違いない。NOMALモードはアクセルオフ時の強い減速感を好まない人向け。NISMOモードは一人で走りを思いっきり楽しみたいときの専用モードと言えそうだ。

ノート オーラより26万円高い! だがトータルで考えれば超お買い得

最後に価格だが、ノートオーラNISMOは286万9900円(試乗車のレカロシート、基準車のノートオーラ同様に日産コネクトナビゲーション、プロパイロットはオプション)。ベース車両と言えるノートオーラG FFが261万300円だから、差額は約26万円。

エクステリア、インテリアの違い、機能パーツの有無だけでなく、ゼロリフトボディを始めとする、NISMOが本気を出した各所の専用チューニングを考慮すれば、これはもうお買い得としか言いようがないのではないだろうか。

【筆者:青山 尚暉】

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