装備満載で240万円! 新型アクアらしい上質さをお得に味うなら最上級のZグレードが買いだ
MōTA / 2021年8月19日 20時0分
2021年6月17日にフルモデルチェンジしたトヨタ 新型「アクア」。2011年に登場した初代の頃は、ほぼ唯一の存在だったコンパクトハイブリッドカーのアクアだったが、10年経った今では随分当たり前の存在に。中でも同じトヨタ内で、よりベーシックな「ヤリス」にハイブリッドが設定されたことで、新型アクアでは“ちょっぴりプレミアム”なポジションに移行することとなった。そうした位置付けを考えると、新型アクアを狙うなら装備充実の最上級グレードこそが狙い目なのである。
新型アクアのグレード選びをするうえで、価格差わずか7~10万円のヤリス ハイブリッドも併せて検討したい
対する新型アクアは、「X」209万円、「G」223万円、「Z」240万円となっている(このほか新型アクアでは、法人向けに装備を簡素化したビジネスグレード「B」198万円もラインアップする)。
ヤリスと新型アクアの価格差は、XとGグレードでおよそ10万円、Zグレードで7万6000円の違いだ。新型アクアのオススメグレードを考える意味で、価格帯の近いヤリス ハイブリッドもしっかり比較したほうが良い。
後席の使用頻度が高いなら新型アクアが有利だ
わずかな差だが、これで後席の足元空間を拡大出来た。また旧型アクアに比べ全高も30mm上げている。着座位置の高さ自体は新旧で変わっていないので、頭上の余裕も増したことになる。後席の使用頻度が高いユーザーならアクアを選んだほうが良いだろう。
進化したハイブリッドシステムにより、走行感覚は別物になった
新型アクアでは、新開発のバイボーラ型ニッケル水素電池を採用。電池内の抵抗軽減を図り、かつ小型軽量化による容量アップも実現できたことから、旧型アクアの従来型ニッケル水素電池に比べ2倍の高出力化を実現させた。
その結果、エンジン稼働領域も減らし、静粛性がアップした。街中では電池だけのEV走行が長くなったほか、低速からモーター特有の鋭い加速感も得られやすくなった。ヤリス ハイブリッドに比べ上質な感覚を得られる。
そもそもアクアよりもヤリス ハイブリッドを選んだほうが良いケースもある
モーターがもたらす先進的な走行感覚を得たいなら迷わずアクア。静粛性を求める場合もアクアが有利となる。反面、まず第一に経済性を優先し、日常の乗車が1名かせいぜい2名という場合が多いユーザーなら、新型アクアではなく、ヤリス ハイブリッドという選択肢もアリなのだ。
LEDランプや大画面ディスプレイなど、最上級Zグレードは欲しい装備が盛りだくさん
加飾や見栄えと記したが、Zグレードには、Bi-BEAM LEDヘッドランプ(LEDターンランプ、デイライト機能付LEDクリアランスランプ付)や大画面10.5インチのディスプレイオーディオなど、今どき欲しくなる機能・装備が全て標準する。
最上級Zグレードの装備の多くは中間グレードGでもオプション選択可能だが…
もしも街ですれ違う他の新型アクアに対し、ライトやアルミホイールといった見た目の違いが気になってしまうような方なら、最初からZを選んだほうが精神衛生上も良いだろう。
それにしてもトヨタはこうした細かな差別化が実に上手く、最終的に最上級グレードに誘導されるようになっているのが、なんともニクいポイントである…。
トドメの違いはサスペンション! レクサス並みの高級ダンパーを採用するのは最上級「Z」だけ!
そして注目したいのは、最上級グレード「Z」(FF)のフロントダンパーにのみ搭載される“スウィングバルブ”だ。別名「極微低速バルブ」とも呼ばれるこの機構は、レクサス車にも採用されるもので、クルマが動き出す微妙な低速域から効き、路面のわずかな凸凹も滑らかに吸収してくれる。
個人的には、この違いだけでZグレードを推したいほどである。トヨタの開発者になぜスウィングバルブを全車標準化しないのか伺ったところ、まだコストが高く、最上級版でないと厳しいとのことだった。
最初に記した通り、ベーシックなコンパクトハイブリッドカーが欲しいなら、価格を抑えたヤリス ハイブリッドという選択肢もある。せっかく上質さを高めた新型アクアを選ぶのなら、Zが最もオススメのグレードというのが結論だ。
[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影;小林 岳夫・和田 清志・TOYOTA]
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