トヨタ同門対決! かつてはヴェルファイアが人気だったのに……なぜアルファードの販売台数が伸びたのか
MōTA / 2021年8月29日 13時30分
兄弟車でありながら、販売台数に落差が表れたモデルは少なくない。現行モデルでのその最たる例がトヨタ アルファードとヴェルファイアだ。 2020年の年間販売台数はアルファードが9万748台、ヴェルファイアが1万8004台と大差がついている。今回はトヨタの人気ミニバンであるアルファードとその兄弟車ヴェルファイアがなぜ今これほどまで販売台数に差がついてしまったのか、紹介したい。
最上級ミニバンとして法人ニーズも高いのが特徴
アルファード、ヴェルファイアはトヨタの大型ミニバンとして誕生。内外装の高級感や室内空間の広さや居住性、高出力エンジンなどを兼ね備え、トヨタ車のミニバンの中では最上級モデルとなる。
誕生以来、個人ユーザーだけでなく公用車や社用車といった法人ニーズも高いのが特徴だ。
初代ヴェルファイアは2代目アルファードの兄弟車として2008年5月に投入された。
当時は上級車が多いトヨペット店がアルファードを、若者向けの車種が多いネッツ店がヴェルファイアを取り扱っていた。2008年から2015年まではヴェルファイアがアルファードを圧倒していた!
じつはヴェルファイアの誕生以来、2015年まではヴェルファイアの方がアルファードの販売台数を上回っていた。
とくに2010年にはヴェルファイアが6万1015台、アルファードが3万5754台と約1.7倍もの差をつけた。2010年は全国の販売会社数はトヨペット店が52社、かつてのビスタ店も吸収したネッツ店が108社とネッツ店の方が多かったこともあり、ヴェルファイアの方が売れやすい環境にあったと言える。
この様相が大きく変わったのが2018年のマイナーチェンジだ。アルファードのフロントマスクがイカつくなり、存在感が高まった。 その結果、2018年はアルファードが5万8806台、ヴェルファイアは4万3130台。2019年にはアルファードが6万8705台、ヴェルファイアが3万6649台と、逆転現象が起きたのである。店舗数は変わらずネッツ店の方が多く、機能や装備、価格も同等であることから、デザインが売れ行きを左右したことになる。
その後も前述の通り、アルファードは好調に売れていく。大きく差が開いていった要因は2020年5月のトヨタ販売店による全店併売だろう。先に述べたように、これまでアルファードはトヨペット店、ヴェルファイアはネッツ店と、販社ごとに取り扱う車種を分けていたが、これを撤廃し、全ての店舗で両車種を扱えるようになったことで、さらに販売台数に差が出てしまったのだった。
トヨタ販売店の全店併売がアルファード、ヴェルファイアの差をさらに広げることに
販売台数の明暗によって、ヴェルファイアはさらに不遇の扱いを受けることになる。2021年5月にはグレード整理され、GOLDEN EYES IIのハイブリッド、ガソリンモデル(FF、4WD)の1グレード3モデルのみとなっている。
一方、アルファードは計17モデルもあるのだから、ますますアルファードに人気が偏ってしまうだろう。
トヨタでは最近兄弟車であったタンクがルーミーに統合されたり、マークXやエスティマ、ポルテとスペイド、プレミオとアリオンなど生産終了モデルが増えている。ヴェルファイアもいずれは廃止されてしまう運命にあると言えるだろう。新車で欲しい人にとっては早めに購入することをオススメしたい。
【筆者:MOTA編集部】
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