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【新型アウトバック全貌解説】注目はアイサイトXの標準装備化とレヴォーグよりも高級になった内容にアリ! 期待したいのはウィルダネスなる特別仕様車の日本発売だ

MōTA / 2021年9月2日 19時30分

スバル 新型レガシィ アウトバック Xブレイク

7年ぶりのフルモデルチェンジとなったスバル 新型レガシィ アウトバック。その名の通りかつて一世を風靡したレガシィのクロスオーバーSUVモデルだ。すでに北米市場などでは発売されており、やっと日本市場にも投入されたカタチだ。注目はレヴォーグではオプション設定となっていた運転支援システム「アイサイトX」の標準装備化、そして大型化されたボディにより拡大されたラゲッジルームと後席スペースにある。一体新型レガシィ アウトバックはどんな仕上がりとなっているのか? その全貌をご紹介する。

スバル 新型レガシィ アウトバック Xブレイク

北米市場より2年遅れての投入! 新型アウトバックは日本専用装備満載で登場

車高を上げてワイルドにしたステーションワゴン。「スバル レガシィ アウトバック」をもっとも簡潔に説明するならば、そうなるだろう。広い荷室を持つパッケージングはステーションワゴン譲り。

しかし、大きなタイヤを履かせて車高をアップしているので、普通のステーションワゴンでは入り込めない悪路にもガシガシ入っていけるワゴンの変化球だ。

そんなアウトバックの6世代目となる新型がついに2021年9月2日より予約がスタート。情報が明らかになってきた。

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7年ぶりのフルモデルチェンジ!

多くのスバリスト、そして新型アウトバックを購入対象と考えている人にとって、次期アウトバックは“待望の新型”といえるだろう。なぜなら、なかなか日本で発売されずじらされていたからだ。

海外市場では新型アウトバックがすでにデビューしていたが、日本モデルは2020年にも年次改良を実施。そのため一早い日本導入が期待されていたのだ

アウトバックは日本では先日まで5代目にあたる現行モデルが生産されていていたのだが、最大の市場である北米ではなんと2年以上も前からこの新型の生産をはじめ、とっくに発売されていたのだ。

ドイツやオーストラリアなど北米以外の地域でも販売がはじまっており、スバルにしては珍しく、日本はわりと遅い登場となった。

内外装デザインとエンジンが日本専用! しかも新型アウトバックはアイサイトXが標準装備

とはいえ、日本デビューが遅い言い訳もしっかりある。北米など日本以外の地域向けのモデルとは異なる部分や、より高性能な機能の搭載があるからだ。

フロントグリルに注目! わずかに北米市場とは異なるデザインを採用

大きな違いはないように思えるが、日本仕様はヘッドライトやバンパー部のデザインが海外モデルとは異なる, 北米仕様はよりスッキリとしたデザインとなっている。最大の違いはフォグランプまわりのデザインである

大きな違いはないように思えるが、日本仕様はヘッドライトやバンパー部のデザインが海外モデルとは異なる, 北米仕様はよりスッキリとしたデザインとなっている。最大の違いはフォグランプまわりのデザインである

まずスタイリング。パッと見たところは日本向けも北米向けも変わらないが、よく見ると細かい部分が違う。

たとえば顔つきはフロントグリルやバンパー下部(日本向けの中央はシルバー飾ったハニカムグリルで左右のフォグランプ周辺の意匠も異なる)のデザインが違う。またタイヤの周囲を覆うフェンダーのクラッディングも異なり、こちらはシンプルな北米モデルよりも大型化されて存在を強く主張する日本向けのほうがワイルドだ。日本仕様のエクステリアは欧州仕様に準じている。

レヴォーグと同じ1.8リッターターボエンジンにアイサイトXを全車標準に

レヴォーグはオプション扱いとなっているが、新型アウトバックはアイサイトXが全車標準となる

パワートレインも違う。2.5Lの自然吸気もしくは2.4Lのターボエンジンを積む海外向けに対し、日本向けは1.8Lターボを搭載。エンジンルームには新型レヴォーグと同じCB18エンジンが収まるのだ。

もうひとつの注目は、先進安全運転支援機能の「アイサイト」だ。

海外向けは従来の「アイサイトver.3」に留まるが、日本向けは全車に最新の「アイサイトX」を標準搭載。

いわば巨大化したレヴォーグのSUVモデルという仕上がり

というわけで、海外向けと日本向けの大きな違いはメカニズム。日本仕様は、CB18エンジンやアイサイトXといった海外向けには未採用の最新メカニズムが盛り込まれているのだ。

SGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)やフルインナーフレーム構造を採用したプラットフォーム&ボディに加え、最新メカニズムを搭載した日本向けの新型アウトバックは、少し乱暴な言い方をすると「ひとまわり大きくなり、ワイルドさを増したレヴォーグ」といっていいかもしれない。もちろん駆動方式は全車AWDで、トランスミッションはCVTを組み合わせる。

ちなみに、北米向けは現地生産。いっぽうで日本向けは日本生産となっているのも日本仕様のポイントだ。

ボディサイズはさらに拡大! 後席やラゲッジルームはより快適なスペースに

新型レガシィ アウトバックのサイズは全長4870mm×全幅1875mm×1675mmとなる

アメリカ市場をメインに考えて設計されたアウトバックは日本の道路環境では“大きすぎる”という声もある。しかしオーナーのなかには逆に、その大きさこそが魅力と考えている人も少なくないに違いない。そんな新型アウトバック好きにとって朗報といえるのは、ボディがさらに大きくなったことだ。全長は4870mmでこれは先代よりも50mm伸びている。全幅も35mm増しの1875mm。

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ラゲッジルームに設置されたレバーで一発でシートアレンジが行える仕様となっている, 後席には2つのUSBポートにシートヒーターが備わるのは嬉しいポイント

ラゲッジルームに設置されたレバーで一発でシートアレンジが行える仕様となっている, 後席には2つのUSBポートにシートヒーターが備わるのは嬉しいポイント

その恩恵を受けるのは室内の広さで、レヴォーグを大きく凌ぐゆったりした後席足もとや、後席使用時の床の奥行きが約1.08mの広大なラゲッジスペースは大型ワゴンならではパッケージングに他ならない。ここが、アウトバックを選びたくなるポイントだ。

5段階のリクライニング調整ができる後席背もたれや、荷室壁のレバー操作によりワンタッチで倒れて段差のないフラットな床(倒した後席部分は若干傾斜するが)になる荷室など、スバルのワゴンやSUVが備える伝統的な美点を継承しているのは言うまでもない。

縦型ナビにフル液晶メーターを採用! レヴォーグとの最大の違いはパーキングブレーキの設置位置

全車にオプションでハーマンカードンのプレミアムオーディオを設定。CDやDVDの再生は行えず、BluetoothやUSBケーブルでデバイスを接続するイメージだ

ダッシュボードや運転環境は、レヴォーグに準じた部分とそうではない部分がある。準じているのは、12.3インチのフル液晶メーターや11.6インチのタッチパネル式センターディスプレイを搭載していること。

センターディスプレイの左右にあるオーディオや空調スイッチの優れた操作性や、高い位置にマウントしたシフトレバーもレヴォーグと同様だ(ただしパーキングブレーキの位置などはレヴォーグとは異なる)。

いっぽうで異なるのは、上質感。ダッシュボード助手席前の大胆にレザーを張ってそれを運転席やドアトリムまで繋げ雰囲気は明らかに高級感がある。

またクローム部品も多く使ってプレミアムな雰囲気を訴えているのが印象的だ。

新型アウトバックは2グレードを用意。価格は420万円程度〜

Xブレイクはよりオフロード色を強くした仕上がりで、シートも撥水加工がなされている, 対するリミテッドはタンレザーなど明るい内装色を用意し、高級な仕上がりとなっている

Xブレイクはよりオフロード色を強くした仕上がりで、シートも撥水加工がなされている, 対するリミテッドはタンレザーなど明るい内装色を用意し、高級な仕上がりとなっている

グレードは2タイプあり、まず防水処理のシート表皮を組み合わせ、悪路でのタイヤの空転を防ぐ「X-MODE」を2モード式とするなどアクティブな仕立ての「Xブレイク EX」。

そして電動テールゲートを標準採用しオプションとしてナッパレザーの本革シートも用意する上位グレード「リミテッド EX」も設定される。

価格はまだ明らかになっていないが、どうやらレヴォーグの最上級グレードの10~20万円アップ程度になる気配。これは情報が入り次第、追ってお届けしよう。

北米で大人気の特別仕様車「ウィルダネス」の日本発売にも期待

ところで、ここまで読んで何か物足りなさを感じた事情通もいるかもしれない。北米で発表されて話題になっている「ウィルダネス」が、なんと日本仕様にはラインナップされていないのだ。

ウィルダネスとは、バンパーやサイドクラッディングなどエクステリアを無骨にするとともにより悪路向けのサスペンションで車高をアップし、走行制御もさらなる悪路に対応した無骨なモデル。より野性的なアウトバックだ。

現時点では日本販売の計画はないというが、多くのファンの声がスバルを動かす力になる可能性もゼロではない!

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【筆者:工藤 貴宏/撮影:茂呂 幸正・SUBARU】

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