新型カローラクロス登場で大人気車種も戦々恐々!? 新型ヴェゼルやヤリスクロスは販売台数を落とす可能性も
MōTA / 2021年9月4日 11時30分
まもなく発売が予定されているトヨタ 新型カローラクロス。カローラシリーズ初のSUVモデルであることに加え、224万円〜というお手頃な価格設定も話題を呼んでいる。注目度が高いだけに大ヒットとなりそうだが、その影で販売台数を落としてしまうクルマも存在するハズだ。そこで今回は新型カローラクロスの発売で影響を受けるクルマたち。そして今後のSUV勢力図の変遷を考えてみたい。結論から言えば大人気のヴェゼルやヤリスクロスまでもが影響を受け、カローラクロスが大人気となるという結論に至った。
新型カローラクロス登場で勢力図は大きく変わる見込み
しばらく前までは手薄なところも感じた、日本におけるトヨタのSUVのラインナップ。だが、ここ2年でRAV4の復活、ライズ、ヤリスクロスに加え、2021年9月14日(火)には新型カローラクロスも投入され、怒涛の勢いを感じる。
ここでは新型カローラクロスの投入によるトヨタ以外、トヨタ社内への影響を考えてみた。
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ライバル車も戦々恐々!? 大人気の新型ヴェゼルへも影響大か?
新型カローラクロスはオーソドックスな小さ目のミドルSUV、かつ価格が安いだけに影響は大きいと考えている。
CX-30はカローラクロスの登場で厳しい戦いに
具体的に影響を受けそうなのは、まずマツダ CX-30だ。新型カローラクロスはCX-30よりキャビンやラゲッジスペースが広いと思われるため、CX-30が受ける影響はそれだけでも大きいだろう。さらにカローラクロスは価格も224万円〜295万9000円と、CX-30に対し全体的に安く、CX-30の良さはあるにせよ厳しい戦いとなりそうだ。
また、カローラクロスより一車格下のコンパクトSUVに対する影響も小さくないだろう。
大人気のホンダ ヴェゼルと日産 キックスにも影響! カローラクロスの価格設定が絶妙すぎる
具体的に影響を受けそうなのは日産 キックスとホンダ ヴェゼルである。それぞれの価格は275万円の日産 キックス、そしてホンダ 新型ヴェゼルは227万9200円〜287万8700円という価格設定だ。キックスにはないガソリン車はヴェゼルの方がカローラクロスより高く、キックスとヴェゼルのハイブリッドはカローラクロスと大差はない。となれば、使い方などによりサイズが大きいクルマを嫌う人もいるにせよ、車格が上のクルマはいろいろな意味で余裕があるのは魅力である。そう考えれば、キックスとヴェゼルもカローラクロスの影響を受けるだろう。ただ、ヴェゼルはすでに大量のオーダーを抱えており、この点は間一髪セーフの幸運だったかもしれない。
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トヨタのSUVにも影響が! ヤリスクロス人気が一旦落ち着く可能性大
トヨタ社内に対しても影響はあるにせよ、トヨタ以外ほどではないと考える。
というのもトヨタの小さめのミドルSUVはクーペルックで個性が強い、悪く言えば万人向けではないC-HRだけだったため、同じ車格のRAV4とハリアーの関係のようにカローラクロスは必要な存在だったと思う。
RAV4登場以来販売台数を落としているC-HR! さらに下落する可能性大
C-HRは昨年あたりからRAV4の影響もあったのか、販売台数は登場当初に比べるとだいぶ落ち、カローラクロスの登場でさらにさらに落ちそうだ。しかし、C-HRはこのことよりもむしろ万人向けではないモデルながら2019年まで月5000台の販売台数をキープしていたことの方に凄さを感じる。
価格帯が近いヤリスクロスは車内が広いカローラクロスに負ける!?
また、トヨタ社内のSUVではヤリスクロスとRAV4への影響もありそうだ。ヤリスクロスに対しては、ヤリスクロスの価格は最上級グレードZで、221万円(1.5リッターガソリンFF)、ハイブリッドモデルが258万4000円と、カローラクロスと大きくに変わらず、前述のキックス、ヴェゼル同様の理由でカローラクロスを選ぶ人も出るだろう。
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ボディサイズの大きいRAV4も割安なカローラクロスにユーザーが流れる!?
RAV4に対しては、RAV4のベーシックグレードとなるXは2リッターガソリンFF(274万3000円)、2.5リッターハイブリッドFF(343万3000円)、2.5リッターハイブリッド4WD(359万6000円)と、カローラクロスとの価格差は大きい。しかし、カローラクロスが登場すると「RAV4より価格が安く、ボディサイズもちょうどいいカローラクロスの方がいいか」という判断をする人もそれなりに出るかもしれない。
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カローラファミリーの勢力図も変わる!? カローラクロスは扱いやすさが最大の魅力
さらに考えてみると、カローラファミリー内でもステーションワゴンのカローラツーリングとのバッティングも起こるかもしれない。というのも、セダンのカローラとカローラツーリングは日本専用ボディにしてくれたのは良かったのだが、キャビンが車格の割に狭く、前席への乗降性が悪いという弱点がある。
この弱点がカローラクロスはかなり改善されると思われるのに加え、カローラツーリングの価格はカローラクロスと同様のSグレードで比べてみると、1.8リッターガソリンFFが221万6500円、1.8リッターハイブリッドFFは265万1000円と、またまた224万円〜295万9000円という価格設定のカローラクロスと大きな差はないのだ。そうなると、「流行りのSUVの方がいい」といった理由で、カローラツーリングからカローラクロスに流れる人も出そうだ。
ただ、車内でのバッティングがあっても、他社からカローラクロスに来る人を考えたら、トヨタ全体としてはプラスになりそうなのが、トヨタの凄いところだ。
そのため、10月以降はヤリスファミリーとカローラファミリーによる、販売台数首位争いが始まりそうだ。
カローラクロスの投入でトヨタ一強時代に拍車がかかる
カローラクロスによる影響を考えながら思い出したのが、リーマンショック直後の2009年に1.8リッターハイブリッドで205万円からという価格により、トヨタ社内、他社ともに大きな影響を与えたプリウスショック(3代目モデル)である。
カローラクロスによる影響は3代目プリウスほどではないにせよ、それなりにあると思われ、トヨタの独り勝ちはさらに加速しそうだ。トヨタ以外のメーカーには、元気なトヨタの牙城を崩すのは難しいにせよ、そうならないよう頑張ってほしい。
【筆者:永田 恵一】
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