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人気のミドルサイズSUV「ハリアー」「フォレスター」「RAV4」を比較! 都市部で本当に使いやすいのはフォレスターだ

MōTA / 2021年9月9日 19時0分

トヨタ 新型ハリアー G(ハイブリッド・E-Four)[4代目・2020年6月17日発売] [Photo:島村 栄二]

今、世界的にブレイクしているSUV。その中でも日本の道路状況を鑑みて使いやすいのはコンパクト〜ミドルサイズのSUVではないだろうか。 今回は都市部でも人気の高いトヨタ ハリアー、トヨタ RAV4、スバル フォレスターの3台をボディサイズ、取り回しの良さ、視界といったポイントごとに比較し、都市部で使いやすいSUVを紹介しよう。

スバル 新型フォレスター「Advance(アドバンス)」[大幅改良モデル/2021年6月14日発表・2021年8月発表・2021年10月発売予定] [Photo:SUBARU]

SUVはセダンやワゴンに比べて運転しやすい!

今、世界的にブレークしているミッドサイズSUVの国産車の代表格が、トヨタ ハリアー、トヨタ RAV4、スバル フォレスターなどだ。

最低地上高に余裕があり、先進的なAWDシステムが用意されていることから、アウトドアや悪路、雪道の走行に強いことは当然ながら、実際にはカッコ良く頼もしいキャラクターの乗用車(ファミリーカー)として使っている人も多いのではないだろうか。

悪路も楽しめるファミリーカーとして人気のミドルサイズSUV

そもそも、日本の観光地、キャンプサイト、アウトドアフィールドで、余裕ある最低地上高、タフなAWDシステムが求められるような場所はまずない。商売的に、本格SUV、クロスカントリーモデルでしか立ち入れないようでは、お客さんが限定され、成り立たないからだ。

むしろ、SUVはセダンやワゴンに対して高い着座位置のため、視界に優れ(見下ろし視界)、同じボディサイズのクルマでも、より運転のしやすさを実感しやすいメリットさえある。それはここで紹介する3台のミッドサイズSUVにも言えることである。

着座位置が高いため、視界も開けていて運転しやすい

とはいえ、都市部での運転のしやすさという点で、3車がまるで同じなわけではない。それぞれのボディサイズ、小回り性や幅寄せ性に直結する最小回転半径、そして視界が決め手になる。

都市部での走行で注目すべきは幅! 比較するとフォレスターが最も狭い

まずは3車のボディサイズを比較してみよう。ハリアーは全長4740mm×全幅1855mm×全高1660mm。RAV4は全長4600mm×全幅1855mm×全高1685mm。

ハリアーは全長4740mm×全幅1855mm×全高1660mm, RAV4は全長4600mm×全幅1855mm×全高1685mmと高さはあるが全長が短い

ハリアーは全長4740mm×全幅1855mm×全高1660mm, RAV4は全長4600mm×全幅1855mm×全高1685mmと高さはあるが全長が短い

フォレスターは全長4640mm×全幅1815mm×全高1715mmだ。

フォレスターは全長4640mm×全幅1815mm×全高1715mmと、長さと幅はコンパクトだが高さは立体駐車場では不安が残る

都市部での運転のしやすさにかかわるボディサイズでは、やはり全幅がポイントで、フォレスターの1815mmがリード。狭い道のすれ違い、駐車の場面では特に扱いやすさを実感できるはずである。

もっとも、RAV4とハリアーの1855mmも、決して幅が広すぎる部類ではない。比較すれば、RAV4のほうが、全長が短いぶん、優位性はあるかもしれない。

小回りではフォレスターが有利! 駐車は狭い道などでもスイスイ

次に、意外かも知れないが、運転のしやすさ、取り回しのしやすさの決め手になるのが、最小回転半径だ。

言い方を変えれば、小回りのしやすさで、Uターンはもちろん、駐車、狭い道の走行、さらにはスーパーマーケットなどの料金所での幅寄せにも、小回り性がいいと絶大な威力を発揮するものなのだ。

小回りが最も効くのはフォレスターで最小回転半径は5.4mだ

その点では、フォレスターの全車5.4mが優勢。ハリアーとRAV4は、タイヤサイズによって5.5(17/18インチ)~5.7m(19インチ)になる。まぁ、5.4mと5.5mの差は微小だが、5.4mと5.7mの違いはけっこう大きい。

当然、最小回転半径5.4mのクルマがギリギリUターンできる場所では、最小回転半径5.7mのクルマは切り返しが必要になったりするわけだ。

ボンネット左右の膨らみは車幅感覚が掴みやすくなる!

そうそう、本格SUV、オフローダー、クロスカントリーモデルの機能の一つに、極悪路、極狭路での視界確保、車幅感覚のつかみやすさがある。具体的には直感的に車幅を確認しやすくするために、ボンネット左右に膨らみ(突起)などの目印??がデザインされ、ドライバーの座る位置がドア側寄りであることだ。

悪路も走れる本格SUVに装着される目印

ずいぶん前だが、レンジローバーの”ハンニバルトレイル”というイベントに参加し、ヨーロッパの山脈の尾根を延々と(恐々と!?)走り続けたことがある。

片側は山の斜面、片側は絶壁という、レンジローバー1台がギリギリ走れる道幅だったのだが、そのふたつの機能もあって(サイドモニターなどない時代。運転席の窓を開けて顔を出すとボディ側面直下が確認できる。

もちろん走破性も世界最上級だ)、無事、スイスからイタリア、そしてスイスに戻る”ハンニバルトレイル”を完走できた経験がある。

とはいえ、後者はあくまで本格派のためのいち機能だから、ここで取り上げた都会派として使うSUVの必須条件とはならないものの、ボンネット左右の膨らみ(突起)はあったほうが、都市部を含め、車幅感覚が掴みやすく、走りやすいことになる。

その点では、RAV4、フォレスターのボンネットにそうした膨らみ(突起)がある。

ボンネットの突起は車幅感覚が掴みやすく走りやすさも提供する

ハリアーはあくまで都会派クロスオーバーSUVだから、そうした機能、デザインより、滑らかな面を描く美しいボンネットラインを優先したのだろう。

ハリアーはデザインを優先させた結果、突起はない

位置が下すぎると話題のリヤウインカーの場所もまた、シャープな横一直線のリヤコンビランプのデザインを最優先した結果だから、納得もできようものだ。

ハリアーのリヤウインカーはかなり低いところにある

右左折時や後方視界では大きな違いはないが、総合的にはフォレスターが優位!

それでは、歩行者や自転車の巻き込みの危険を伴いがちな右左折時の視界はどうか。この点については、全車、ドアミラーをドア付けし、三角窓もあるため、斜め前方視界に不満はない。SUVならではの高めの着座位置、視界もあるから、前方、斜め前方の視界は全車合格点である。

ドアミラーの下に三角窓も備わっている

後方、斜め後方の視界については、ウインドー面積、Bピラーの太さの違いによって各車それぞれだが、少なくとも、バックカメラ、リヤモニター、クルマを空から見たようなアラウンドビューモニターなどを装備していれば、バック時の視界、安全に困ることはない。

結論的には、ボディの形状が比較的ボクシー(箱型=車両感覚がつかみやすい形状)で、全幅がもっとも狭く、なおかつ運転席のヒップポイント地上高が約680mm(先代より36mm高い。RAV4約695mm、ハリアー約700mm)とSUVらしく高めで、最小回転半径がタイヤサイズを問わず全車5.4mと、もっとも小回りが効くフォレスターが、都市部の使い勝手でやや優位ということになるだろうか。

都市部で最も使いやすいのはフォレスター

【筆者:青山尚暉】

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