スズキ 新型ワゴンRスマイルの登場で軽自動車市場は変わる!? 今後メインとなるのはハイトワゴンのスライドドアモデルたちだ
MōTA / 2021年9月13日 19時0分
スライドドアをもつ軽自動車が当たり前の存在となりつつある。というのも2020年度における軽自動車の販売比率のうち5割以上の台数がスライドドアモデルなのだ。その筆頭がホンダ N-BOXに代表されるスーパーハイトワゴンたちだ。その一方でひとまわり小さなハイトワゴンベースのスライドドアモデルが大盛況となっている。そこで今回は先ごろ発売されたスズキ 新型ワゴンRスマイルの存在により、今後変わりゆく軽自動車市場を予想していこう。おそらくスライドドアを持つハイトワゴンモデルが軽自動車のメインストリートとなりそうだ。
スライドドアを持つハイトワゴンモデルは後発だが、スズキは新ジャンル開拓が得意!
それだけに軽自動車業界ではダイハツがスズキに続くことが多かったのだが、先日登場した新型ワゴンRスマイルは、タントに対するパレット&スペーシアのようにムーヴキャンバスの影響を受けたモデルという点で珍しいケースである。
ここではムーヴキャンバスに対するワゴンRスマイルが出たことによる、軽自動車業界への影響を考えてみた。
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新型ワゴンRスマイル最大のライバル「ムーヴキャンバス」。ヒットの要因はスライドドアモデルだから
また2020年に約133万台売れた軽乗用車のうち、ムーヴキャンバス、ホンダN-BOXのようなスーパーハイトワゴンとスズキ エブリィワゴンやダイハツ アトレーの軽1BOXワゴンが該当するスライドドア車が占める率は50%を超えるのだ。
ムーヴキャンバスが売れている理由には「スライドドアだから」ということも小さくないだろう。
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スライドドアのメリットは多数! 扱いやすさがクセになるユーザーも
話は変わってスライドドアのメリットを考えてみると、乗降のしやすさ。ドアの開閉で隣のクルマをヒットすることがない、そして狭いところでも乗降できるなどメリットは多く、一度スライドドアのクルマに乗ると「手放せない」という気持ちも分かる。
ムーヴキャンバス登場まではスーパーハイトワゴン程度であった
このため、高齢者の方が後席に乗る、子どもが立ったまま着替えなどができた方がいい、福祉車両に使うといった人なら、全高が高くスライドドアとなるスーパーハイトワゴンと軽1BOXワゴンを選ぶのは正しい。
「ハイトワゴンでスライドドアが欲しい」というユーザー多数! その一方でデメリットも
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最大のデメリットは価格の高さにあり
全高が高いことによる走行安定性、コーナリング性能の低下。この2つを補うため、全高の高いクルマはスプリングが固くなるため、乗り心地も悪化傾向。
そして全高が高いため、空気抵抗は大きく、車重も増すため燃費も低下してしまうのだ。
さらにはグレードにもよるが、スーパーハイトワゴンは原価が高いのに加え、各メーカーのフラッグシップとなることもあり、価格は高い。
失うものを感じる人も、タントの登場以来20年近くが経つこともあり増え始めているのもあるのか、ムーヴキャンバスは好調に売れ、スズキもワゴンRスマイルで「スライドドアの軽ハイトワゴン」というまだ新しいジャンルに参入したのだろう。
新型ワゴンRスマイル投入でライバル社も参入する可能性大
ムーヴキャンバスと新型ワゴンRスマイルは、ワゴンRのようなヒンジドアのハイトワゴンとスライドドアを持つスーパーハイトワゴンの中間のような存在だ。
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じつはスライドドアのハイトワゴンの元祖は三菱だった
それだけにワゴンRスマイルが成功すれば、ホンダと日産&三菱も「スライドドアのハイトワゴン」に参入する可能性は十分ある。ちなみに三菱 2代目eKワゴンにスライドドアモデルをラインアップしていた。三菱はこのジャンルの真のパイオニアだったのを思うと惜しいことをしたものである。
以上のことを総合すると、軽乗用車業界において新型ワゴンRスマイルの売れ行きと、そろそろフルモデルチェンジがあってもおかしくないムーヴキャンバスの動向には目を配っておいた方が良さそうだ。
【筆者:永田 恵一】
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