MINIの皮を被ったスーパースポーツカー! ジョンクーパーワークス(JCW)はファミリーにもオススメのクルマだった
MōTA / 2021年9月18日 10時0分
キュートで親しみやすいイメージの強いMINIの中で、よく見ると「ん? なんか違う?」と気迫あふれるオーラを纏っているJCW(ジョン・クーパー・ワークス)。 多くのグレードがあるMINIシリーズの中で、超高性能バージョンのトップモデルとして君臨しています。この記事では、そんなJCWの成り立ちから普通のMINIとどこが違うのか? どんな人にオススメなのか? などをご紹介します。
MINI COOPERはもともとラリーマシンとして誕生した
そもそも、JCWというネーミングの始まりについて。それはモータースポーツシーンでモンスターマシンがしのぎを削っていた1960年代のことでした。
小さく非力だったMINI(オリジナル ミニ)ををチューニングした「MINI COOPER(ミニ クーパー)」と名付けたマシンで、過酷なレースと呼び声高かったラリー・モンテカルロで3度の総合優勝を成し遂げたのが、もはや伝説となっているレーシングカーエンジニアのジョン・クーパー。
その息子であるマイク・クーパーがJCWを立ち上げ、現在はBMWが彼をコンサルタントに迎えて、そのスピリットを受け継いでいるというわけです。もうお気づきかもしれませんが、グレード名としてMINIの代名詞的存在となっている「COOPER」も、彼のファミリーネームから取ったものです。
JCWの名を冠した新生MINIが登場したのは、2代目MINIから。同時にWRC(世界ラリー選手権)への参戦がスタートし、試行錯誤しながら培った経験と技術を惜しみなく投入した3代目MINIのJCWが誕生。そして3ドアモデルだけでなく、コンバーチブル、クロスオーバー、クラブマンにもJCWが冠されて、それぞれのキャラクターを生かしたハイパフォーマンスモデルとなりました。
現行モデルは4代目! 見た目からもレーシーな雰囲気を醸し出している
ではまず、外観の違いから。フロントマスクからして、通常のMINIとは大きく印象が変わっています。
グリルには真っ赤なバーモチーフが1本横に配されて、さりげなく「John Cooper Works」のエンブレムが置かれています。
運転席に座るだけで走る気が高まる! エンブレム付きのステアリングなども装備
インテリアもJCWはひと味違います。ドアを開けると、John Cooper Worksエンブレムとチェッカーフラッグがあしらわれたドア・シルがお出迎え。
ヘッドレスト一体型のスポーツシートは、すっぽりと体をホールドするバケットタイプです。最上級のナッパレザーに、赤いステッチがアクセントとなったJCWエンブレム付きのステアリングは、特殊な形状のサムレストがハードなドライビング時のグリップ感を高めます。
エンジンもチューニングされてパワーアップ! 日本の公道では持て余してしまうほど
ではJCWのパフォーマンスを見ていきましょう。搭載されるエンジンは、2.0Lの4気筒ツインパワーターボ。
トランスミッションは8速スポーツAT。クラブマンとクロスオーバーは4WDとなる「ALL4」で、速く走るためだけでなく、どんな天候や路面でもグリップ性能、安定性、制御性能が得られる無敵のモデルと言えるでしょう。
そして実際に走らせてみると、本当にもうロケットのような加速が味わえ、速いのひと言。世界一過酷と言われるドイツのニュルブルクリンクサーキットでテストしたというスポーツサスペンションもいい仕事をして、面白いように曲がってコーナーを駆け抜けていきます。
しかも、市街地で買い物や送り迎えをするなど、力を抜いて走りたい時には、そんなハイパワーを秘めているなど感じさせない、普通の快適なコンパクトカーとしても乗れるのが嬉しいところ。4人乗りにはなりますが、街乗りグルマとして使っているユーザーもたくさんいます。
分かりやすいスポーツカーは買えないファミリー層にもオススメ!
なのでJCWがぴったりな人は、普段は日常のアシとして使いつつ、たまに思いっきり走る楽しさを味わいたいという人。本当はスポーツカーが欲しいけど、家族がいるので諦めていた人。ご近所や奥様の目があるので、わかりやすいスポーツカーは買えないという人。
羊の皮を被った狼、いや、MINIの皮を被ったスーパースポーツカー。いつでもどこでも、乗る人が望めばそこが走りを楽しむ舞台になるクルマ。それがJCWと言えるでしょう。
【筆者:まるも亜希子】
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