ランドクルーザー300の新グレード「GR SPORT」 はただのカスタム仕様にあらず! シリーズ随一の本格オフロード仕様車だ[試乗&解説 前編]
MōTA / 2021年9月20日 13時30分
トヨタは、14年ぶりにフルモデルチェンジしたランドクルーザーシリーズ最高峰モデル「ランドクルーザー300」に、新シリーズ“GR SPORT(ジーアール スポーツ)”を設定した。豪華で押し出し感の強い通常モデルとは異なり、メッキ類を排除した精悍なルックス。それゆえハードなオフロードスポーツモデルに映る「GR SPORT」だが、実際に試乗した印象は、良い意味でイメージを裏切ってくれた! 四駆専門誌の編集長経験も持つカーライフジャーナリスト、渡辺 陽一郎氏が、GR SPORTの詳細な前後編で2回に渡るレポートをお届け。今回はGR SPORT解説編だ。
「GR SPORT(ジーアール スポーツ)」はダカールラリー参戦ドライバーの意見を反映したオフロードスポーツモデルだ
ランドクルーザー300には、従来型とは異なるバリエーションが用意されている。それが「ランドクルーザー300 GR SPORT(ジーアール スポーツ)」だ。新設されたGR SPORTは、ダカールラリーに参戦したドライバーの意見を開発に反映させたグレードで、モータースポーツと市販車を繋ぐ存在でもある。
外観上も、ブラックで統一したハードなイメージの専用フロントグリルやバンパーデザインとし、メッキ類で加飾され豪華な通常モデルとは大きく印象を変えている。
内装も同様にカーボン調のパネルなどを与えスポーティにまとめられた。
「GR SPORT」専用装備「E-KDSS」とはどんな機能!? 従来のKDSSとはどう違うの?!
「E-KDSS」は、舗装路での安定性と悪路走破性がそれぞれ向上する魔法のシステムだった
GR SPORTの特徴は、複数の専用装備が採用されていることだ。
中でも最も注目されるのは「E-KDSS(Electronic-Kinetic Dynamic Suspension System:エレクトリック キネティックダイナミックサスペンションシステム)」だろう。E-KDSSは、電子制御により走行状態に応じてスタビライザー(ボディの傾き方を制御する足まわりのパーツ)の作動を変化させる。スタビライザーの作動とキャンセルを自動的に行う仕組みだ。
従来型の機械式「KDSS」に比べ作動領域が大幅に拡大、制御も繊細になった
ちなみに従来のKDSS(キネティックダイナミックサスペンションシステム:2007年登場の先代モデル「ランドクルーザー200」が初採用)は油圧による機械式であった。
この従来型のKDSSの場合、サスペンションが前後とも同じように動く舗装路のコーナリングなどでは、スタビライザーを通常通りに作動させた。いっぽう前輪側の足まわりが縮んで後輪側が伸びるなど、前後輪が別々に伸縮する悪路走行では、スタビライザーの作動をキャンセルして足まわりの伸縮性を拡大させる仕組みだった。
開発者によると「新型ランドクルーザー GR SPORTでは、電子制御式のE-KDSSを採用したから、スタビライザーをキャンセルする頻度も増える。例えば舗装路を直進している時でも、スタビライザーの作動を控えて、足まわりをゆったりと動かすことが可能だ」という。悪路脱出に貢献する電動デフロックがリアに加えフロントにも備わる本格派
新型ランドクルーザー300 GR SPORTでは、サスペンションも専用にチューニングされ、悪路向けになっている。電動デフロック(デファレンシャルギアをロックして作動を停止させる機能)は、ほかのグレードでは後輪側のみをオプション設定としているが、GR SPORTは前後ともに標準装着した。ただしデフロックには使用上の注意点もある。特に前輪側は、デフロックの状態でカーブを曲がったりすると、車両を破損する心配も生じるからだ。
センター・前・後の各デフロックはどんな時に使用するの!?
悪路で立ち往生した時は、まずセンターデフロックで脱出を試し、次はセンター+リヤデフロックを行う。この状態でも脱出できない時に限り、ステアリングを直進状態にしてフロントデフロックも加える。そして脱出できたら、即座に前後のデフロックを解除する。
フロントデフロックの作動時は、走行速度も低く、時速7km以下に抑える。
単なるカスタム&ドレスアップ仕様にあらず! ランドクルーザー300 GR SPORTはシリーズ随一の本格オフローダーだった!
このように新型ランドクルーザー300 GR SPORTでは、E-KDSSや前後のデフロックを標準装着するなど機能は本格的だ。フロントグリルやバンパーが専用にデザインされてカッコイイが、単なるドレスアップグレードという訳ではなく、ランドクルーザーの中でも特に悪路指向の強いグレードということになる。
[筆者:渡辺陽一郎/撮影:島村 栄二・TOYOTA]
外部リンク
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