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スズキ アルトは間も無くフルモデルチェンジ! 期待したいのはMTモデルの存続とアルトならではの楽しさだ

MōTA / 2021年9月26日 12時0分

スズキ アルト

全国統一価格や当時の税制を鑑みて商用車登録とするなど、画期的な商品設計でスタートしたスズキ アルト。現在もなお軽自動車の基本形として老若男女問わず支持されている。現行モデルは8代目モデルにあたり、今年2021年にはデビューから8年目を迎えており、間も無くのフルモデルチェンジが予想されている。今回は現行アルトに改めて試乗したうえで、新型アルトに期待したいことを考えてみた。

スズキ アルト

現行アルトを通じて新型モデルを予想

スズキというより日本で買える乗用車でもっともベーシックなモデルはアルトだ。現行モデルは2014年登場と、そろそろフルモデルチェンジがあってもいい時期だ。

ここではアルトというクルマをその起源から振り返り、最近乗ったちょっとマニアックな現行アルトを通じて感じた次期モデルへの期待を考えてみた。

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初代アルトは徹底的なコストカットで大ヒットに

当時のクルマは生産工場から遠ければ遠いほど輸送代が車両価格に上乗せされていた。ところが初代アルトは全国統一価格とするなど、今当たり前の価格戦略としたのだ

1979年に登場した初代アルトは「ベーシックな軽自動車」というポジションは今と同じながら、非常に画期的なモデルであった。

というのも初代アルト開発における大きな柱は「安価なモデルにすること」だった。しかし、当時は軽乗用車にも15%の物品税が課せられていたのもあり、軽乗用車の価格は60万円程度した。

税金の安い商用車としてデビュー! 市場調査を生かした商品作り

初代アルトの後席は簡易的なモノとなっていた

だが、軽商用車なら物品税が掛からないのに加え、「軽自動車に三人以上乗車することは滅多にない」という調査結果もあった。そこに着目したスズキは初代アルトを「リアシートはお飾り的で済む、のちにボンバン(ボンネットバンの略)と呼ばれる軽商用車にすればいい」というコンセプトで開発。

必要最低限の装備のみ!

インパネも一体構造とするなど、内装も徹底したコストカットがなされていた

さらに初代アルトはウインドウウォッシャーを電動でなく手動ポンプとするなど、シンプルな構造に。徹底的なコストダウンも行い、47万円という低価格を実現。初代アルトは大ヒットし、他社も初代アルトのコンセプトに追従した。

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2代目モデルからアルトワークスを追加!

アルトは2代目モデルでのスポーツモデルのワークスを追加。アルトが3代目モデルだった平成元年度からは物品税が消費税に移行したことでボンバンのメリットは薄れたため、ちゃんとしたシートが付く5ナンバーの乗用モデルが中心となった。

また、6代目と7代目モデルではワークスが途切れたが、それでも「安価な軽セダン」というコンセプトを一貫し、現在に至る。

現行アルトは軽量ボディが魅力! 走行性能を高めた派生モデルも人気

現行アルトは初代モデルをモチーフとした、どこか懐かしいデザインが魅力である

現行アルトもキープコンセプトながら、ハーテクトと呼ばれる新しいプラットホームの採用などにより最軽量車で610kgという、東京湾アクアラインの橋のようなところで強風に遭うと「軽さが原因」と思われるフラつきがあるほどの軽さには驚かされた。

ターボエンジン、そしてレカロシートなど専用装備が奢られているスズキ アルトワークス

現行アルトの価格は86万3500円からと安価だが、安っぽさはないどころか明るい気分になるインテリアを持つ点にも感心させられる。

さらに登場数カ月後にはターボ+MTを自動化したAGSを搭載した「ターボRS」の追加(現在はラインナップ落ち)。そして登場約1年後にはMTメインとなるアルト ワークスの復活といったスポーツ性も忘れておらず、現行アルトは老若男女みんなの味方のようなクルマである。

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現行アルトの魅力は「操る感覚」! クルマらしい仕上がり

私事となるが、つい最近読者の方が持つアルトに乗せていただいた。NAエンジンを搭載する標準系モデルで、かつ唯一MTがあるFグレード(86万3500円)であった。

今回永田氏が試乗したのはアルトのOEMモデルであるマツダ キャロルであった

筆者はこのクルマに大変興味があったのだが、乗ると軽さが理由なのか駐車場で動かしただけで笑みがこぼれるほど。

それは道路に出ても同じで「いかにも自分がクルマを動かしている」というプリミティブな楽しさに溢れていたのだ。価格とは関係なく、乗って楽しい。要するに“精神的には豊かになれる”という期待通りに魅力あるクルマだった。

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新型アルトにもMTモデル存続を切望! リアシートの快適性と安全性はアップへ

現行アルトは上級モデルにのみ後席にヘッドレストが備わっているが、新型モデルは全車標準となる見込み

この経験もあり、新型アルトへの期待はずばりキープコンセプトである。また、いろいろあるにせよベーシックなMTを衝突被害軽減ブレーキ付で残してもらいたい。

MTに衝突被害軽減ブレーキを付けられたら、暴走事故対策は最強だった。リアシートのヘッドレストは全グレード標準装備で最低限の値上げなら文句はない。

普段気にすることは少ないが、アルトのようなクルマはエントリーカーや生活の安価な足として重要な存在なだけに、スズキらしくブレずに継続してほしい!

現行モデルはグレード整理中! 欲しいユーザーは一早い注文を

なお、近々フルモデルチェンジがあるためなのかグレード整理が理由なのか定かではないが、アルトのNAエンジン+MTの新車はマツダにOEM供給されるキャロルも含め品薄になっているという。そのため、次期アルトではこの組み合わせがない可能性もあるので、欲しい人はとりあえず買っておくことを勧める。

【筆者:永田 恵一】

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