”魔の時間”は日没時間に左右されていた! 秋の夕方は「交通事故」が起こりやすいって本当?
MōTA / 2021年10月7日 11時0分
マツダの自動ブレーキ「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)」 カメラで前方の歩行者を認識して自動ブレーキ「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)」/テスト車両:マツダ CX-5
1日のうちで、最も交通事故が起きやすい時刻はいつなのだろうか。 警察庁が発表したデータによると2016年から2020年までの5年間、時間帯別の死亡事故発生件数を調査したところ、17時~19時台が突出して増えているという。 なぜこの時間帯が多いのだろうか。詳しく解説したい。
10月から12月にかけて「日没前後1時間」が最も事故が多い
季節や地域によって差があるが、日没前後1時間に当たる「薄暮時間帯」と呼ばれている。この薄暮時間帯における死亡事故を見てみると、とくに10月から12月にかけて最も多く発生しているのだ。
事故の内訳について見ていこう。
薄暮時間帯は「自動車対歩行者」が約半数と最も多くなっている。時間あたりの事故件数でも薄暮時間帯は昼間に比べて約4倍だ。
自動車と歩行者の死亡事故の約9割は「歩行者の横断中」に起きている
また、薄暮時間帯での自動車と歩行者の死亡事故の約9割は歩行者が道路を横断している際に起きている。
夕暮れ時は日の入りに近づくにつれて太陽が西に傾き、眩しさから歩行者の視認性が悪くなったり、薄暗くなることによっても歩行者の確認がしづらい状況となる。おそらく秋に事故が多い理由は夏場に比べて日が暮れるのが早くなり、日没時間の変化に慣れていないことからライト点灯が遅くなりがちで歩行者も油断していることが挙げられる。また通勤や通学など、多くの人が活動する夕方~夜の時間が長い分、事故が増えることも考えられる。
薄暮時間帯に歩行者が横断中発生した死亡事故の約8割は「横断歩道以外」で発生している。歩行者を認知しにくい状況で、歩行者が飛び出てくると思わないような場所で接触しているということだ。
道路横断中の死亡事故は交差点、単路ともに歩行者が横断中、左方向から進行してきた車両と衝突する事故が多く、とくに夜間、高齢者がこの事故に遭うケースが多いようだ。
横断歩道手前では減速し慎重に走行したい
では、ドライバーができる対策とはどのようなものがあるのだろうか。
薄暮時間帯における信号機のない横断歩道での自動車と歩行者の死亡事故は自動車の危険認知速度別にみると、死亡事故は時速40キロから60キロが多い。自動車側の横断歩道手前での減速が不十分であることから、接触に至ってしまうケースが目立つ。
横断歩道の直前で停止できるよう、手前での減速を確実に行いたいところだ。
また、夕暮れ時は暗さの変化になれず、歩行者や自転車の発見が遅れがちになる。
早めのライト点灯も効果的!
早めにライトを点灯することで視界を確保するとともに、自車の存在を周囲に知らせることが大切だ。ライトの付け忘れを防止するため、新型車にはオートライトの義務化が2020年4月から始まり、2021年10月からは継続生産車にも義務化される。
オートライトは周囲の明るさによってライトの点灯と消灯を自動で行うもので、これにより薄暮時にもライトを点灯させている車両が増えた。
さらに夕暮れ時や夜間は速度の感覚が鈍くなったり、帰路を急いでスピードを出しがち。視界が悪くなっていることを十分に理解した上で速度を抑え、慎重に運転することが大切だ。【筆者:MOTA編集部】
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