スバル 新型レヴォーグ登場から1周年! 小規模な販売拠点数ながら、安定した売れ行きを誇るレヴォーグの魅力とは
MōTA / 2021年10月12日 10時30分
SUBARU(スバル)の主力スポーツワゴン、2代目「レヴォーグ」がフルモデルチェンジしてからちょうど1年が経過した。デビュー早々、日本カー・オブ・ザ・イヤー2020-2021を受賞するなど、内外から高い評価を獲得。以来、爆発的ヒットとはいえないまでも、安定した売れ行きを誇る新型レヴォーグ、その人気の秘密はいったいどこにあるのだろう。モータージャーナリストの鈴木 ケンイチ氏が徹底検証する。
2020年10月の登場以来月販目標2000台ペースを維持する新型レヴォーグ
レガシィと同じく、パワフルなターボ・エンジンを搭載する高性能な4WDステーションワゴンであり、主に日本市場をターゲットに開発されている。そして、昨年2020年に発売となったのは、その第2世代となる。
では、その第2世代の新型レヴォーグの売れ行きはどうであったのかを振り返ってみよう。
1年間でおよそ2万9000台、月平均2400台以上を販売
翌12月には17位に順位をアップ。ここでインプレッサを抜いて、スバル車としてはランキング最上位となった。その後も月間3~4000台を販売して、スバル車トップを3月までキープ。しかし、その後は、月間1000台規模にペースダウン。スバルトップの座は、インプレッサに明け渡した。
しかし、それでも販売数をそれ以下に落とすことなく、堅調に販売を持続。2020年10月から2021年9月までで約2万9000台を販売している。もともとのレヴォーグの月間販売目標2000台を軽々とクリアする成績を収めた。
販売拠点およそ450店舗の少数精鋭ながら安定した売れ行きを維持するスバルの優秀さ
ちなみに、スバルの国内販売店舗は、わずか約450しかない。マツダとスズキは約1000、ホンダで約2200、トヨタになると約6000もの店舗を擁する。ライバルよりも、圧倒的に少ない店舗数でスバルは戦っているのだ。それを考えれば、レヴォーグの成績は立派なものと言えるだろう。
最盛期のレガシィはもっと売れていたが…現在は「レヴォーグ」「インプレッサ」「フォレスター」の3本柱が完成し、より強固な販売体制に
実のところ、2000年代前半にレガシィは、コンスタントに年間5~6万台が売れていた。それと比べると、レヴォーグは初代から年間の販売台数は2~3万台といったところ。しかし、2000年代のスバルは、国内販売の半数が軽自動車であり、登録車で売れていたのは、ほぼレガシィだけ。レガシィという1つのモデルしか売れていなかったのだ。
新型レヴォーグの人気の秘密は「スバル随一の最先端技術」を投入した「唯一無二の存在」であること
まず言えるのは、新型レヴォーグに対するスバルの力の入れようの大きさだ。
スバルの開発者は、新型レヴォーグのことを「スバルの技術的フラッグシップ」と説明する。なるほど、新型レヴォーグには、スバル初の技術や新開発されたアイテムが数多く採用されていたのだ。
これは高速道路などの一定の条件下であれば、運転手がハンドルから手を離す=“ハンズオフ”を許すという、最先端の機能を備える。もちろんスバル初であるし、世界的にも採用されるのは数少ない。
そして、1.8リッター直噴ターボの水平対向エンジンは新開発されたもの。ボディも“フルインナーフレーム方式”というスバル初の技術を採用している。デザインもスバルの初の「BOLDER」コンセプトを採用。
先行予約のうち、35万円も高い「アイサイトX」搭載グレードが9割超えていたという。価格ではなく、レヴォーグの持つ性能を指名買いする人が多いということだ。
レヴォーグは唯一無二の存在! 国内で直接競合するライバル車はほぼなし
今、国産車のステーションワゴンは、非常に少なくなっている。具体的に名前を挙げると、トヨタのカローラと、マツダ6くらいしかないのだ。パワフルなターボ・エンジンで4WDとなれば、マツダ6のワゴンだけとなる。それ以外となると輸入車しかないのだ。
クルマの出来の良さとライバルの不在。これが新型レヴォーグの好調さの秘密だろう。
[筆者:鈴木 ケンイチ/撮影:小林 岳夫・茂呂 幸正・SUBARU]
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