国内販売5位の日産が突然2位に浮上した真相とは!? そのワケはコロナ禍によるライバルメーカーの生産台数減少にあった
MōTA / 2021年10月12日 18時10分
新車市場の勢力図が再び大きく変わるかもしれない。そう、2021年9月の実績を見ると、日産が第2位に急浮上したのだ。前月が5位であったために見逃すわけにはいかない事態である。だが、じつは日産の販売台数が飛躍的に伸びたわけではなく、各社ともに販売台数は減少しているというのも事実である。いま、日本の新車市場には一体何が起こっているのか!?
10年ぶりに日産が販売ラインキング2位に急浮上
直近の乗用車メーカーの国内販売ランキング順位は、1位:トヨタ、2位:スズキ、3位:ホンダ、4位:ダイハツ、5位:日産、6位:マツダ、7位:スバル、8位:三菱というもの。2021年度上半期(2021年4〜9月)の累計も、上記の順位であった。
セレナやルークスが好調! ほかのモデルも追従か!?
これと併せて、日産車の販売ランキング順位も高まった。セレナは2021年7月には小型/普通車の販売ランキング順位は12位、8月も11位だったが、9月は6位に上昇している。
軽自動車の販売ランキングも、ルークスは2021年7月は9位、8月は8位だったが、9月は2位となった。日産が躍進しているのだ。
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2位に浮上も販売台数は減少! その理由は他社にあった
そこで2021年9月における日産車の国内販売台数を前年の9月と比べると、小型/普通車と軽自動車を合計した総台数では、13.8%の減少であった。
つまり販売ランキング順位が5位から2位に浮上して、セレナやルークスの販売順位も上位に喰い込んだのに、日産の対前年比はマイナスだ。これはどういうことか?
他社も軒並み販売台数が下落。もっとも落ち込み幅が大きいのはダイハツ
日産の対前年比は前述の通り13.8%の減少だったが、スズキは40.5%、ホンダは33.4%、ダイハツは41.8%のマイナスとなった。この3メーカーがすべて30〜40%減ったため、日産は13.8%の減少になったものの、2位に浮上したわけだ。
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もともと2位以下のメーカーの販売台数はほとんど同じ! 下落幅が少なかった日産が結果的に上位に
2021年度上半期の販売台数を1か月平均で見ると、2位のスズキは4万4544台、3位のホンダは4万4477台、4位のダイハツは4万4089台。ちなみに日産は3万2596台の5位であった。
2位のスズキから4位のダイハツまで、もともと3メーカーの国内販売台数が僅差だったことも示している。
他のメーカーと比べると日産の上半期の実績は遅れをとっていたが、2021年9月にはそれを逆転し、2位に浮上。販売台数の下落幅が上記の3メーカーよりも少なかったために、一気に抜くこととなったのだ。
販売台数減少の原因はコロナ禍! パーツの生産調整が大打撃
2021年9月を総括すると、前述の通り販売台数の落ち込みが激しい。2020年9月と売れ行きを比べると、小型/普通車は30%、軽自動車は35.9%の減少となった。国内総市場では32.2%減っている。
納車期間は最低でも3ヶ月を要する! 半導体不足とコロナ禍が大きな原因
「今では東南アジア製を中心に、半導体だけでなく、ワイヤーハーネス、カプラー、樹脂製の内装部品なども供給が滞っている。メーカーは工場の生産調整、稼働の停止も強いられ、納期が全般的に長引いている。通常の納期は、在庫車でなくても1〜2か月に収まるが、今は3か月を要する車種が増えた。2021年10月上旬に契約をいただいても、納車されるのは、2022年1月以降になることが多い」。
コロナ禍の影響でクルマに使われるパーツの生産が滞る一方、国や地域によっては経済活動を再開して、半導体やワイヤー類の需要が増えている。供給の伸び悩みと需要の増加により、クルマの生産が滞る事態に陥ったのだ。
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乗り換えユーザーはいち早い契約を! 日産の攻防はまだまだ続く予感
今は新車需要の約80%が乗り替えに基づくので、新車の納期が遅れると、納車される前に下取りに出す愛車の車検期間が満了する心配がある。納車を待つために車検を取り直したり、下取り車を先に手放して、クルマを持たない期間生じたりする。
つまりクルマを乗り替えるなら、早めに商談を開始して契約する必要がある。
そのために販売店でも「乗り替えを希望されているお客様には、通常よりも早い時期に提案をしている」という。納期に注意を要する状況が続いている。
新型車ラッシュの日産! 2022年以降はエクストレイルなど人気車種も控えている
今後もエクストレイル、軽自動車サイズの電気自動車、フェアレディZなどが控えており、国内販売の2位を安定的に守る時代が再び訪れる可能性も高い。これからの日産に期待したい!
【筆者:渡辺 陽一郎】
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