スズキ新型ワゴンRスマイルはこだわり抜いて作られた1台! スーパーハイト一強の牙城を崩す切り札だった
MōTA / 2021年10月13日 13時30分
軽自動車の市場はスライドドアが主流になりつつあり、現在では半分以上がスライドドアモデルだ。とくにスーパーハイトワゴンが一番の売れ筋だが、スーパーハイトほどの全高は必要ないという人もいるのではないだろうか。 スズキの新型ワゴンRスマイルはそんなユーザーのかゆいところに手が届く一台として誕生した。開発にあたって、なぜ人気のスーパーハイトワゴンを避けたのだろうか。
ワゴンRほどの全高でスライドドアを持つクルマを求めるユーザーは多かった
新型ワゴンRスマイルを作るにあたっては市場調査を行い、ワゴンR所有者ではワゴンRくらいの車高のスライドドアが欲しいという声もあった。
また、軽ハイトワゴンを次に買いたいと思っているユーザーも4割程度いたことから、ワゴンRくらいの高さのスライドドアを作るという方向性が決まっていったという。
「芸術品」にふさわしい価値と求めやすい価格設定
新型ワゴンRスマイルではデザインに注力し、2トーンカラーを複数用意するなどボディカラーのバリエーションを豊富に取りそろえたほか、アクセサリーによる差別化、インパネのステッチなど目に触れる箇所の質感を重視している。
その一方で軽自動車が持つ「価値」や「価格」にも配慮し、ハイトワゴンのスライドドアで軽自動車市場の覇者復権を狙う戦略的なモデルでもあるのだ。そもそもスーパーハイト系よりも背が低いということは燃費に貢献し、中距離程度の移動を快適に行えるよう足回りは柔らかいセッティングとした。また、安全性能も向上。「スズキ セーフティ サポート」を全車に標準装備としながら価格(税込)は129万6900円〜171万6000円と、200万円前後するスーパーハイトワゴンに比べると低価格を実現した。
ターゲットユーザーは子育てが一区切りついた世代と若い世代だ
もちろん、登場直後から要望の声が上がっているターボモデルについても検討された。しかし、スズキ車のなかでターボモデルの販売割合は1〜3割程度。ワゴンR自体が安価なイメージを持たれるモデルであり、軽自動車のユーザーの6割は女性で、街乗りをメインに使用することを想定しているため、まずはNAのみの設定とし、燃費の高さを実感してほしいという狙いがある。
主なターゲットユーザーは子育てが終わり、大きな荷物や人数を乗せる必要のない人や、若い世代だ。若者たちの中はスライドドアで育った人も多く、スライドドアの利便性を理解し、抵抗なく受け入れられるようだ。多くの軽自動車ユーザーが求めるサイズ感が魅力
こうして見てみると、ワゴンRで取りきれなかった女性ユーザーの獲得だけでなく、軽自動車を求めるユーザーのかゆいところに手の届くモデルとなっていることがわかる。
ターボモデルの設定など選択肢を増やすことでより多くのユーザー獲得を狙える一台となることだろう。
【筆者:MOTA編集部】
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