道路の至るところに出現する「ゼブラゾーン」は通っても良い場所? 事故時の意外な落とし穴とは
MōTA / 2021年10月18日 11時14分
交差点の手前に右折レーンが用意される場所などで白い縞模様のペイントされている箇所を見たことがある人も多いだろう。 この道路標示をゼブラゾーン(導流帯)という。中には「通行してはいけない場所」、逆に「積極的に通行しても良い場所」と思っている人もいるかもしれないが、どちらも勘違いしている。今回はそんなわかりにくいゼブラゾーンの意味や理由について紹介したい。
ゼブラゾーンは渋滞や交通事故が起こりやすい場所に設置される
ゼブラゾーンは交差点の手前などで白い枠で斜めの白線を囲っている道路標示だ。車両の安全かつ円滑な走行を誘導する必要がある場所に設置され、交差点付近にあり、右折レーンなどの手前に設けられている。
他にも複雑な交差点や変形している交差点の手前、車線数が減少する道路など、渋滞や交通事故が起きやすい場所にも設置される。
勘違いされがちだが、このゼブラゾーンは立ち入り禁止というわけではない。道路交通法第17条6項で「車両は安全地帯又は道路標識等により車両の通行の用に供しない部分であることが表示されているその他の道路の部分に入つてはならない」と記載されているうちの「安全地帯」もしくは「立入禁止場所」ではなく、道路交通法上の処罰の対象ではない。
ゼブラゾーンはクルマが安全、円滑に走行することを誘導するために設けられた区画で、走行することを目的に設置されているわけではなく、事故が起こりやすいため注意が必要だ。ゼブラゾーンを通行したことによる事故では過失割合が上乗せされることも!
例えば交差点を右折する際、ゼブラゾーンの道路標示に従い、ゼブラゾーンが終わったところで右折車線に入るクルマと、ゼブラゾーンの上をそのまま直進して右折車線に入るクルマが接触事故を起こすケースがある。
ゼブラゾーンは走行に適した場所ではないため、こうした場合にはゼブラゾーンを走行したクルマが事故の過失割合10〜20%上乗せされることがある。
ゼブラゾーンに似た間違いやすい道路標示も存在
ゼブラゾーンに似た道路標示はいくつかある。黄色の枠組みに白い斜線が記載された立入禁止部分はクルマの通行や進入、駐停車が禁止されているエリアが見通しの悪いカーブや道路の形状が複雑なため、事故が起こりやすい場所として設置されることがある。
また、白い四角い枠に白い斜線が描かれた道路標示は警察署や消防署の前などに表示されており、クルマが通行することは許されるが停止することは禁止される。
ほかにも黄色い四角の枠に内側の白い枠が描かれた安全地帯はクルマの進入が禁止されていたり、高速道路やインターチェンジの合流場所で見かける路上障害物を知らせる道路標示も白い斜線で描かれているため、ゼブラゾーンと間違えないように注意したい。
【筆者:MOTA編集部】外部リンク
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