これぞクルマ界のシンデレラ! 不遇を乗り越え、今や価格大高騰となった人気の中古車3選
MōTA / 2021年11月1日 11時30分
ここのところ、軒並み価格が高騰しているちょい古国産モデル。その中でも、新車当時はそこまで高い人気ではなかったのに、気づけば高騰しているというモデルも存在している。 今回はそんな不遇の新車時代から一転、スポットライトを浴び、新車価格よりも高値で取引されるようになった“シンデレラカー”を3台ピックアップしてご紹介しよう。
ホンダスポーツカーは全体で値上がり傾向! ホンダ CR-Xデルソルもその一つ
初代、2代目のCR-Xと言えば、ホットハッチの代名詞であったシビックをベースとしながらも、シビックよりも短いホイールベースと潔く切り落とされたリヤセクションを持ち、シビック以上のポテンシャルを持ったモデルとして高い人気を誇るモデルだった。
その後継車種、実質的な3代目CR-Xとして1992年に登場した「CR-Xデルソル」は、従来のモデルと同じくシビックとコンポーネンツを共有しながらも開閉式のルーフを備えたモデルとなり、それまでの硬派なスポーツモデルから一転、軟派なオープンカーとなってしまったのだ。
当時としては画期的な電動開閉式のトランストップ(手動仕様もあり)かつ、耐候性に優れるメタルトップという点は特筆すべきものだったが、如何せん従来のCR-Xとはキャラクターが異なりすぎた点がそこまでの人気車とならなかった要因だったのかもしれない。そんなCR-Xデルソルではあるが、現在ではその希少性やホンダスポーツ全体の値上がりなどの影響もあってか、中古車市場では軒並み高値となっており、B16A型エンジンを搭載するSiR系に至っては、新車時の価格(171万円~)を超えて200万円台のプライスが付けられているものもあるほどなのだ。
1983年のデザインをそのまま残した旧車らしさが魅力! 日産 セドリック/グロリアワゴン
日産の高級セダンとして長らくラインアップされ続けてきたセドリック/グロリア。そんなセドグロにはもう一つ長らくラインアップされ続けていたボディタイプが存在していた。それがステーションワゴンである。
と言ってもステーションワゴンボディが設定されたセドグロは1983年に登場した7代目が最終型で、4ドアモデルがモデルチェンジを繰り返していくのを傍目になんと1999年まで16年間に渡って製造、販売が続けられていたのだ。もちろん時代に合わせてエアコンの代替フロン化や後席3点シートベルト、エアバッグの装着など、アップデートは続けられていたが、エクステリアに関しては1983年当時のままをほぼキープしており、角ばったデザインは「役所の公用車」というイメージが強かった。
しかし、現在ではその旧車らしいカクカクのデザインにもかかわらず99年まで販売されていて高年式の車両もあるということで、比較的安心して乗ることができ、旧車の雰囲気を楽しめるモデルとして人気が高く、20万km前後の過走行車両であっても100万円近い価格で取引されているのだ。
他車には見られない独特なパッケージングがウケ、中には400万円超も! 三菱 GTO
1990年にデビューした三菱GTOは、グラマラスなボディが魅力的なスポーツクーペであるが、どちらかというとピュアスポーツカーというよりはアメリカ市場を意識したグランドツーリングカーというキャラクターとなっていた。
それは当時の日本車としては大柄な1800mmを超える全幅(1840mm)やV6 3リッターのみのパワートレイン、1.6トンを超える車重などが物語っており、当時のN1耐久などモータースポーツにも参戦していたものの、当時は他メーカーからも多くのスポーツモデルがリリースされていた時代であり、残念ながら大ヒットモデルとはならなかった。
しかし、他のクルマのボディサイズが大型化した現在ではそこまで大きな印象もなく、流麗なクーペボディに4WD&V6 ターボ(NAモデルもあるが)というパッケージングは他車種にはないものとなっており、今では状態のよいものは400万円を超える価格となっているのである。このように当時はそこまで人気とはならなかったものの、時代の流れによって再評価されたモデルも存在しているため、今は不人気車の烙印を押されているアノ車種も再評価される時期がくるかもしれないし、こないかもしれない。
【筆者:小鮒康一】
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