新型タントはロッキーと同じハイブリッドモデルを追加へ! 気になるエンジンは宿敵スズキと共同開発する可能性も
MōTA / 2021年11月3日 18時0分
5ナンバーサイズのコンパクトSUV「ロッキー/ライズ」に待望のハイブリッドモデルが追加された。現状直接的なライバルモデルがいないために、さらなる販売台数アップが見込まれている。その一方で期待したいのはタントなどの軽自動車にハイブリッドモデルを追加することである。すでにダイハツはロッキーのハイブリッドシステムを他のモデルにも採用すると宣言しているが、今後ダイハツの軽自動車はどのような道筋で電動化を実施していくのだろか!?
ロッキー/ライズに待望のハイブリッド追加! 軽自動車にも採用へ
登場から2年が経過しても、直接的なライバル車が存在しない5ナンバーサイズのSUV。そして価格の安さを理由に好調な販売が続くトヨタ ライズ&ダイハツ ロッキーに、2モーターのシリーズタイプとなるeスマートハイブリッドが追加された。
ロッキーハイブリッド最大の特徴は価格! ガソリンモデル比でわずか30万円アップ
eスマートハイブリッドは同時に追加された1.2リッターNAエンジン搭載車に対し、約30万円高と非常に安価。それでいてWLTCモード燃費はプラス約35%の28.0km/Lと、ライズ&ロッキーらしい高い商品力を持つ。それだけにライズ&ロッキーの販売はeスマートハイブリッドの追加でさらに伸びそうだ。>>
新型タントはロッキーと同じハイブリッドシステムを採用! バッテリー搭載位置は独自にチューンされる見込み
またライズ&ロッキーにeスマートハイブリッドが追加されたのにあたり、ダイハツは「ハイブリッドをすみやかに(来年2022年中?)軽自動車にも展開」とアナウンスしており、ここではダイハツの軽ハイブリッドがどんなものになるのかを予想してみた。
まずダイハツの軽ハイブリッドのシステムは超小型モーターを使うマイルドハイブリッド、トランスミッションを介した1モーターハイブリッドも考えられる。しかし、前者は燃費の改善、後者はトランスミッションを使うことによるコスト高など、どちらも中途半端な感も否めない。
総合すると、ダイハツの軽ハイブリッドのシステムはライズ&ロッキーのものを縮小したような2モーターのシリーズタイプと考えるのが妥当だろう。
ハイブリッドカーで重要な構成部品の1つとなるバッテリーはライズ&ロッキーのようにリアシート下かラゲッジスペース下のアンダーボックスに配置されると思われる。だが、スズキの軽自動車のように、助手席下という可能性もある。
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モーターと組み合わせるエンジンはまさかのスズキと共同開発!?
気になるのがエンジンをどうするかだ。ハイブリッドカーの燃費にエンジンの熱効率は非常に重要な要素で、それはライズ&ロッキーのeスマートハイブリッドが新開発の1.2リッターガソリンエンジンを搭載していることからも分かる。そのような使い方をする場合、ダイハツの軽自動車のエンジンは基本設計が2005年と古いという事実もある。だからといってダイハツ一社で新しいエンジンを開発するというのも、電動化が叫ばれる今、不透明なエンジンの将来を思うと微妙なところだ。
ダイハツとスズキはすでに軽と商用モデルでタッグを組む予定
そこで手を組むのは、宿敵スズキかもしれない。軽自動車業界でダイハツとスズキは熾烈な争いを繰り広げているが、どちらもトヨタとの提携を介して3社で軽商用事業におけるCASE普及プロジェクトも行っている。じつは、その中に軽・商用領域の電動化という言葉もあるのだ。
そこから想像すると、ダイハツの軽ハイブリッドのエンジンはダイハツのものより設計時点が新しいスズキのものを改良して使う。あるいはダイハツとスズキの両社が軽ハイブリッドを出すなら、両社で使うエンジンを共同開発するということもあり得るかもしれない。
また、両社で同じシステムを使った軽ハイブリッドを出すのはスケールメリットによるコストダウンなどのメリットも大きいだろう。
新型ミライースにハイブリッド化はなく、タントなど上級モデルに採用か!?
軽自動車も電動化が進むと思われる大きな理由は、2030年のCAFE(企業別平均燃費規制)がWLTCモード燃費で25.3km/Lと厳しく、それをクリアするためでもある。ダイハツでベーシックな軽自動車となるミライースのFF車のWLTCモード燃費は25.0km/Lと25.3km/Lまでもう少しなので、ハイブリッドの必要性は薄い。
新型タントハイブリッドは+20万円で収まる見込み
となると、ハイブリッドが搭載されるダイハツの軽自動車はスーパーハイトワゴンのタントからだろう。WLTCモード燃費がNAエンジンのFF車で21.0km/Lと決して良くなく、軽自動車の中では価格が高いのでハイブリッド化による価格アップを含みやすいという事実もある。ハイブリッド化による価格アップはハイブリッドシステムが軽自動車用となる分の小ささ(部品を使う量の少なさ)と、あくまで想像となる前述のスズキとの協業などによる大量生産で、エコカー減税を含み実質20万円アップを期待したい。
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ダイハツとスズキから軽EVが登場するのも時間の問題
また、本格的な軽ハイブリッドができれば、EVへの発展もバッテリーの調達や車体への配置位置が整えば応用に近いので、ダイハツ、もしかするとスズキからも軽EVが登場するのは時間の問題ともいえそうだ。ちなみに「トヨタはEV化が遅れている」と、誤解のようなことを言われている時期もあったが、ゴーサインが出れば来年登場するbZ4Xのような最先端のEVが控えているのはその証明の1つかもしれない。
いずれにしても軽自動車も電動化をはじめとしたCASEへの対応が迫られているだけに、ダイハツの軽ハイブリッドには注目したい。
【筆者:永田 恵一】
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