日産の代名詞ノートe-POWER、発売当初はここまで売れるとは思われていなかった!? そのワケはハイブリッドシステムにあった
MōTA / 2021年11月8日 19時0分
日産でもっとも売れている登録車といえばノートである。今でこそ日産を代表するモデルとなっているが、じつは爆発的人気となったのは2016年に追加したハイブリッドモデル「e-POWER」の登場後であり、それまでは大ヒットとは言えない成績であった。だがじつはe-POWERは当初日産社内では賛否両論あり、誰もがこれほど売れるとは予想していなかったという。今回は知られざる日産 ノートの歴史をご紹介する。
今や日産で一番売れている登録車のノート! 快進撃は2代目モデルの途中からだった
日産 初代ノートがデビューしたのは2005年で、世界戦略車として登場。初代モデルが発売された当初は1.5リッターエンジンを搭載していたが、ライバル車よりも1割程度安い価格とあって、人気を集めた。そして2012年にデビューした2代目モデルは当初1.2リッターノンターボエンジン。そして1.5リッターエンジン並みのパワーが自慢の1.2リッタースーパーチャージャーモデルの2本立てであった。
e-POWERモデル追加で登録車ナンバー1人気に
その後2016年のビッグマイナーチェンジでシリーズ初のハイブリッドモデル「e-POWER」が追加。瞬く間に大人気となり、日産としては数十年ぶりに登録車の販売台数1位に輝くなど、その快進撃たるや凄まじかったのだ。当時筆者はスズキのディーラーマンとして新車販売を担当していたが、既存顧客はもとより新規に新車を購入する人でさえも、商談の時に必ずと言っていいほど「ノートe-POWERとどっちがいいの?」と問い合わせが殺到したことを記憶している。
その後e-POWERはノートのみならずセレナにも採用され、今や日産を代名詞となっている。だが、冒頭に述べた通り日産社内では賛否両論あったという。一体なぜか?
>>
注目ポイントはプリウスとは異なるハイブリッドシステム! 日産社内からの不安の声をよそに大ヒットへ
日産の代名詞「e-POWER」はハイブリッドシステムの中でもシリーズ方式というシステムを採用している。ざっくり言ってしまえばエンジンを発電機として使用し、バッテリーでタイヤを動かすというもの。当時大ヒットを飛ばしていたハイブリッドカー「トヨタ プリウス」はシリーズパラレル方式を採用。こちらは発進時は低回転域から最大出力を出せるモーターの強みを生かし、低速走行もモーターが主役。速度が上がると燃費効率が高いエンジンを使用。エンジンで発生するパワーを使い切れない場合は電気に変換してバッテリーを充電する。強い加速が必要なときには、モーターとエンジンを併用するシステムである。
それに比べると、e-POWERはエンジンを発電機としてしか使用しないために、プリウスとはかなり性格の違うシステムなのだ。それだけに日産社内では「低価格にでき、燃費もよければヒットする!」という意見や「これまでにないシステムのためユーザーには受け入れられないのでは?」という賛否両論あったという。
>>
CMにも工夫! 充電のいらない電気自動車なるキャッチフレーズで大注目へ
だが蓋を開けてみれば大ヒットとなったわけだが、ユーザーに訴求すべくCMにも工夫をほどこしたという。当時e-POWERを発売した際にCMなどで「充電のいらない電気自動車」というキャッチフレーズを使用。ハイブリッドというワードを使わずに、まったく新しい乗り物として訴求したのだ。
その甲斐あってか、アクセルペダルから足を離せば強烈な回生ブレーキが発動し、減速してくれるワンペダルドライブ。それに加えて燃費もいいとあって大ヒットとなったのだ。
その後e-POWERはミドルサイズミニバンのセレナにも採用。そして2020年登場の新型ノート、さらには新型ノート オーラと人気車種に続々と採用をしている状況だ。先代モデルからモーターの可動域を広げ、より電気自動車に近い走りを見せる最新のe-POWERシステム。2022年夏頃にも登場予定の新型エクストレイルにも採用される見込みのため、今後はますますe-POWERモデルの拡充に期待したい!>>
【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】
外部リンク
- 新型ノート AUTECH クロスオーバー、一部で「なんちゃってSUV風」と揶揄されるも「街乗りSUVで考えれば要点を抑えていてあり」の声【みんなの声を聞いてみた】
- 新型ヴェゼルと新型ノート AUTECH クロスオーバーはライバルになり得る!? キャラはずいぶん異なるが室内の広さはほぼ互角
- ヤリスクロス ハイブリッドにガチのライバル! 日産 新型ノート AUTECH クロスオーバー最大の強みは四駆性能にあり
- 【新型ノート AUTECH クロスオーバー外装解説】車高アップや樹脂パーツでSUVテイスト満載のエクステリア
- これが兄弟!? SUVテイストの新型「ノート AUTECH クロスオーバー」と、プレミアムスポーティな「ノート AUTECH」の違いを写真で見比べてみる
この記事に関連するニュース
-
日産が新型「車中泊ミニバン」発売! 巨大ベッド&高性能四駆を搭載した「4人乗りセレナ」がスゴい! 車高アップで走破性高めた新モデルとは?
くるまのニュース / 2024年11月24日 17時10分
-
日産が新型「セレナ」発売! ミニバン初のスゴい4WD×地上高アップでパワフルな走りを実現! 「e-4ORCE車」361万円から
くるまのニュース / 2024年11月14日 9時30分
-
日産「新型“4WD”ミニバン」公開! 最低“地上高”もアップで「走破性向上」! 400万円超えもある“史上初”のe-4ORCE”搭載「セレナ」誕生
くるまのニュース / 2024年11月5日 21時10分
-
日産が「新型セレナ」をまもなく発売! 超スゴい「高性能4WD」&地上高アップの「イーフォース」追加! 待望の「性能向上モデル」に販売店でも反響あり
くるまのニュース / 2024年11月4日 15時10分
-
ヤリス/ノート/フィットに透けるメーカー事情 3車に見た「トヨタ/日産/ホンダ」強みと弱み
東洋経済オンライン / 2024年10月31日 8時40分
ランキング
-
1「京急」「京成」に照準定めた旧村上ファンドの思惑 2006年の「阪急・阪神合併」の再現を想起
東洋経済オンライン / 2024年11月25日 7時50分
-
2春日部のイトーヨーカドーが閉店=「しんちゃん」のスーパーのモデル
時事通信 / 2024年11月24日 19時58分
-
3みずほ「楽天カードに出資」に透ける将来への布石 サービス協業や業務連携だけにとどまらない
東洋経済オンライン / 2024年11月25日 7時30分
-
4ホリエモン「オルカンを買うよりもずっといい」…上場企業4000社から"優良銘柄"を見抜くシンプルな方法
プレジデントオンライン / 2024年11月25日 8時15分
-
5"退職代行"を使われた上司「信用ダウン」の悲劇 多いのは営業、職場に与える「3つの影響」とは
東洋経済オンライン / 2024年11月25日 8時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください