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新車を買って後悔しないために行いたい! ディーラーでできるチェックポイント7つ【展示車編】

MōTA / 2021年11月22日 17時0分

運転のイメージ

新車の購入を検討する上ではディーラーで展示車を確認したり、試乗して実際の使用環境を想像し、サイズや装備、使い勝手などを確認する必要がある。 最近はクルマの発売に先立って予約受注を開始する車種が増えたが、予約受注の段階で展示車や試乗車が販売店に用意されていない。 クルマは高額商品でありながら返品できない。そうなると車両を見ないで契約する予約受注は、ユーザーに相当なリスクを負担させることになる。 中には購入してから後悔するといった人もいるようだが、こうした状況を回避するにもしっかりと下見してから選びたい。新型車を購入する際に欠かせないチェックポイントを、展示車と試乗車に分けて紹介していこう。まずは展示車編をお届けする。

トヨタ 新型BEV(電気自動車)「bZ4X(ビーズィーフォーエックス)」日本仕様・プロトタイプ車両(参考:運転者の身長180cm)[2022年・年央発売予定] ※撮影車両はプロトタイプのため市販仕様とは細部が異なる[Photo:和田 清志/2022年11月10日・TOYOTAオールラインナップ試乗会場(神奈川県横浜市)にて撮影]

家族で使う際は男女で確認するポイントが違う

ディーラー試乗の内容は、居住性や積載性と、運転感覚に大別される。居住性や積載性のチェックは駐車中でも行えるので、試乗車ではなく展示車を使うと合理的だ。

比較的大きな販売店に出かけて「展示車をゆっくり見たい」と告げれば、試乗車と違ってセールスマンが付くこともない。気兼ねなくチェックできる。

家族でクルマを使う時は、家族全員でチェックしたい。妻と夫ではニーズが異なるからだ。今回は駐車している展示車で行えるチェック項目を見ていこう。

チェック項目1:乗降性 ボディタイプによっても異なる

駐車している展示車で行えるチェック項目を順番に見ていくと、まずは前後席の乗降性がある。セダン、ハッチバック、クーペは、着座位置が低めでピラー(柱)の寝ている車種も多く、乗り降りしにくいことがあるから注意したい。

特に後席は、ドア開口部の上端が下がった車種に注意する。子供を抱えて乗り込み、チャイルドシートに座らせる時、子供の頭部がボディにぶつかる心配がないかを確認したい。

ミニバンやSUVには床が高いために、サイドステップ(小さな階段)を使って乗り降りする車種もある。子供や高齢者も乗り降りしやすいか確認する。

ミニバンやSUVは特に乗り降りしにくいものもある

チェック項目2:インパネ各部の視認性と操作性 エアコンスイッチの使いやすさも確認したい

車内に入ったら運転姿勢を調節して、インパネ周辺の視認性や操作性を確認する。視認性については、メーターの見やすさが大切だ。

ステアリングホイールの陰に隠れたりしないか注意したい。エアコンなどのスイッチの視認性と操作性も確かめる。エアコンやオーディオのスイッチなど、低い位置の左側に装着されていると操作しにくい。

エアコンやオーディオなど細かなスイッチの操作性も確認したい

チェック項目3:視界 側方の視界は悪くなりがち

運転席に座った状態で視界を確認する。ミニバンなどはピラーが前方へ大きく張り出しているので、斜め前側の視界を遮りやすい。ピラーは手前に位置する方が視界では有利になる。

側方視界は、右側のウィンドウを開き、右腕の肘をドアパネルの上端に引っ掛けてチェックする。右肘と上半身の間にできる角度が90度以上に開くと(右肘が大きく持ち上がると)、車両に潜り込んだ感覚になって側方視界が悪化する。

運転席に座ったら特に側方の視界もチェックしたい

逆に側方視界の優れたクルマは、右側のウィンドウを開いて後方を振り返ると、後輪が視野に入る。ただし運転席から後輪の見えるクルマは、今はほとんどない。一部の軽自動車/コンパクトカー/ミニバンに限られてしまう。

真後ろの視界も確認する。セダンやクーペには、後方がほとんど見えない車種もある。

デザインを重視したことで後方視界が悪くなっているものも

チェック項目4:前席の居住性と座り心地 背もたれや座面も確認すべし

前席の居住性は、車種による極端な違いはない。前席には運転席があり、広かったり狭かったりすると、正確な運転ができないからだ。それでも座り心地は確認する。運転姿勢を最適に調節できて、体重の加わる背もたれの下側と座面の後方をしっかりとつくり込んでいることが大切だ。

運転席では背もたれや座面の座り心地がポイントになる

体重が加わって、この部分が歪むと、ドライバーの体を正しく支えられない。運転中に着座姿勢が乱れやすく、長距離を移動する時には疲れてしまう。腰痛の原因になることもある。

チェック項目5:後席の居住性と座り心地 身長が高い人に合わせて後席を確認したい

後席の居住性は車種による違いが大きい。前席を設置して、居住空間の余った部分を後席に振り分けるからだ。

後席の広さを確認する時は、運転する家族の中で、最も身長の高い人が運転席に座る。そこで運転姿勢を調節した後、2番目に身長の高い人が、運転席の後ろ側に座って広さを確認する。

後席はとくに膝まわりと頭上空間をチェック

後席に座った乗員の膝先に握りコブシが2つ収まれば、窮屈に感じる心配はない。2つ収まらないと窮屈に感じる可能性も生じるが、後席に座った乗員の足が前席の下側にスッポリと収まると、膝先が狭くても意外に快適な場合もある。頭上の空間にも注意する。頭上に握りコブシが1つ収まれば不満はない。

後席は前席と違って、シートのサイズが小さな車種もある。座面の長さが前席に比べて50mm以上も短く、大腿部の支え方が不十分になる場合もあるから注意したい。実際に家族で乗車して、居住性と快適性を確認したい。

チェック項目6:ミニバンの3列目の居住性と座り心地 3列目に大人が座れるかどうか

ミニバンやSUVの3列シート車では、3列目のチェックも必要だ。チェック方法は、まず運転席に長身のドライバーが座って運転姿勢を調節したら、次はその後ろの2列目に、2番目に身長の高い人が座る。

スライド位置を膝先空間が握りコブシ2つ分になるように調節したら、さらにその後ろ側の3列目に、どの程度の広さがあるかを確かめる。

3列目シートは窮屈なものも多い

実際に確認すると、3列目が極端に窮屈になる車種も多い。そこで次は、2列目をどの程度まで前側にスライドさせれば、3列目に大人が座れるかをチェックする。

2列目に座った乗員の足が1列目の下側に収まりやすいミニバンでは、2列目の膝先空間を握りコブシ1つ分まで狭めてもあまり窮屈に感じない。このようなタイプでは、3列目にも大人が着座できる足元空間を確保しやすい。

また3列目は、コンパクトに畳む必要もあるから、2列目に比べてサイズが全般的に小さい。背もたれは低く、座面の奥行寸法も、1列目に比べて80mm前後は短い。さらに床と座面の間隔も不足して、膝が大きく持ち上がりやすい。

3列目に大人が座って片道1時間以上の距離を移動したいユーザーは、3列目の頭上と足元空間の広さ、着座姿勢、シートのサイズ、座り心地、乗降性を必ず確かめたい。

ミニバンは乗降性にも個別の注意が必要だ。

コンパクトミニバンでは特に3列目の頭上や足元空間の広さなど一度確認しておいたほうが良い

2列目がセパレートシートの車種は、乗車定員が1名減る代わりに、3列目の乗員が2列目の中央を通ってスライドドアから乗り降りしやすい。それがベンチシートになると、通路がないので、2列目の背もたれを倒して隙間を通るから乗り降りしにくい。

チェック項目7:荷室の広さと使い勝手 容量だけでなく地上高もポイントに

荷室はカテゴリーと車種によって大きく異なる。軽自動車はボディは小さいが、N-BOXのような全高が1700mmを超えるスーパーハイトワゴンであれば、後席を畳むと自転車なども積める。ミニバンでは3列目を畳むと大きな荷室に変更できるから、4名で乗車して、なおかつ大量の荷物を積める。

ボディサイズによっても容量に大きな差がある

荷室のニーズはユーザーによって異なるので、特定の荷物を積む場合は、実際に展示車や試乗車で試してみると良い。

このほか荷室を広げる時のシートアレンジのしやすさも確認する。ミニバンによっては、3列目シートを持ち上げるのに体力を要する。路面からリヤゲートの荷室開口下端部分までの地上高も確認する。荷室の地上高が700mmを超えると、重い荷物を積む時に面倒が生じる。

地上から荷室まで高さがあると重い荷物も積む際にクルマを傷つけてしまうこともある

収納設備もユーザーのニーズに応じて確認する。分かりにくい場所に設置された収納設備もあるので、カタログと照合しながら作業を進めたい。

まずは上記に挙げた項目を展示車で確認してもらいたい。次回は試乗車を使った試乗チェックの方法をガイドする。

【筆者:渡辺 陽一郎】

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