新緑が芽吹いたフォード!? アメリカのカスタムカーイベント「SEMAショー2021」会場で見かけた“クレイジー過ぎる”トンデモないクルマ5選
MōTA / 2021年12月1日 16時0分
フォード ブロンコの車体にチアシードが植えられた「チア・ブロンコ」/「Freak Show Builds(フリークショービルド)」の作品[北米・SEMAショー2021会場にて] [Photo:加藤 博人]
2019年以来、2年ぶりのリアル開催となった北米・SEMA(セマ)ショーは、世界最大級の自動車アフターマーケット見本市だ。筆者は1990年代前半からSEMAショーの取材に出かけているが、昨年はSEMA史上初の「オンライン開催」となり、それなりに参加してみたものの、凄まじくつまらないイベントであった。 転じて今年2021年のSEMAショーは、出展社数こそ控えめではあったが、日本の自動車メーカーはトヨタ、日産、レクサス、ホンダが出展。2年分のエネルギーが充満した素晴らしいイベントとなり、すっごいクルマもたくさん登場した。今回はその中から選りすぐりのトンデモないクルマ5台を紹介してみよう!
[トンデモカー1]マジ本物? これぞ究極の“グリーンカー”! チアシードをまとったフォード ブロンコを発見
こちらは、新しく完成したウエストホール前の屋外展示場で発見した「Freak Show Builds(フリークショービルド)」の作品だ。鮮やかな黄緑色の物体はなんと本物の「新芽」である。新型ブロンコのボディにチアシードが植えられていた。ボディに種まき用のシートを貼りつけてその上にチアシードをまき、水を掛けて育てたのだそう。
種まきから発芽までは約2週間。乾燥は厳禁なのでスタッフが常に霧吹きのようなもので水を掛けていた。チアシードは美容健康、ダイエットにも良いことから「スーパーフード」として日本でも近年人気の食物だ。なぜこんな「カスタム」?を考え付いたのだろうか?フリークショービルドのスタッフに聞いてみたところ…
「誰もやったことがないことをやってみたかったんだよ♪ それで『チア・ブロンコ』を思いついたんだ!」とニコニコ。
ちなみに、フリークショーとは「見世物小屋」という意味。狙い通り多くの来場者が足を止めて究極のグリーンカーに見入っていた。
[トンデモカー2]シボレー史上最大! 新型V8 10.3Lエンジンが登場した
2年ぶりのリアル開催となった今年のSEMAには様々な変化があった。その一つがEVコーナーの拡大やEVの出展台数である。ついにSEMAにも電動化の波が押し寄せてきたか…と思っていたところに衝撃的なエンジンに遭遇!排気量1万1000cc、最高出力1000HP!シボレー史上最大のビッグなエンジンがシボレーブースに純正エンジンとして展示されていた。 すぐ横にはそのV8 10.3リッターを搭載したフーニガンのビルドによる爆速カマロも登場。来年のSEMAにはさらにすごいカマロが登場予定とのこと!ちなみにこの新型V8エンジンは単なるコンセプトではなく販売も予定しており、2022年春以降エンジン単体38000ドル(日本円約400万円)で販売されることが明らかになっている。
[トンデモカー3]トヨタブースに出現したタコマの巨大キャンピングカー、その名も「タコジラ」!
海外メディアからも「ネーミングセンスが素晴らしい!」「独特のデザインには納得の理由があった!」と絶賛された「タコジラ」(TACO(MA)+(GO)ZILLA)は、トヨタの北米向けミドルサイズピックアップトラック、タコマをベースにしたキャンピングカーである。オフロードの走破性とキャンピングカーとしての使いやすさという相反する要素を高次元で融合しているのが特徴。70~80年代に流行したレトロキャンピングカーのデザインもユニークだ。
キャンパー部分は上と下が細い(真正面から見るとひし形に近い)形状を採用しているが、これは樹木や路面に近い場所の障害物を避けて道なき道を進みやすくする目的があるそう。加えて、標準のタコマTRDスポーツサスペンションを2インチアップし、285/70/17 General Tire GrabberX3オールテレーンタイヤをセットしさらなるオフロード走行性能を高めている。
「家」としての実用性も十分に考慮されており室内は身長180cmの人が立って移動したり作業したりができる。
今年のSEMAトヨタベースでもっとも注目を集めていた1台と言えるタコジラ。ぜひとも日本で販売して欲しい!
[トンデモカー4]販売価格1億円で売約済み! 幻のR33「日産 スカイライン NISMO 400R」が遂に北米へ流出!
25年ルールの適用を受け今年9月にアメリカ初上陸を果たした「NISMO400R」が早くもSEMAに登場した。1996年にデビューしたNISMO400R、全販売台数40数台の中の1台だ。
R33GT-R搭載のRB26をベースに排気量を2.8Lまでアップした「RB-X GT2」エンジンをはじめ、数々の専用装備を有しており、そのいずれもがグループAレースで無敵を誇った日産技術の粋を集められて設計されている。新車時の価格は当時としてはありえない1200万円という高額だったが、その後人気は低迷し中古車市場でもあまり話題となることがなかった。
ところが近年の北米を中心としたJDM人気で激レア車として価格も爆上がり。販売業者のトップランクUSAによると、3万キロ走行のこちらの400Rは1億円超! で売約済みなのだそう。最も権威がある「SEMA本部」の特別出展ブースに展示され多くの来場者の注目を集めていた。
[トンデモカー5]1947年製トラックがチェーンまみれに!? その名も「チェーン・スモーカー」
見た目もかなりクレージーだが、その「生い立ち」もなかなかすさまじい。ベースとなっているのは1947年製の『ダッジFargo FL1』という古いトラックで、カナダの草原地帯に40年以上にわたって放置されていた個体だという。風化寸前のトラックをベースに外観はチェーンカスタムを施し、内装はアールデコ調に仕上げたのがこの「チェーンスモーカー」である。 風化した緑青の美しさ? を残しつつ新しいボディパネルを追加。フロントの大きなラジエータは場所を少し変えているものの、実はオリジナルのラジエーターをそのまま装着している。[筆者:加藤 久美子/撮影:加藤 博人・TOYOTA]
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