プリウスやRAV4など人気モデルによくある特別仕様車は単にお買い得なモデルではない!? じつは特別仕様車には大きく3種類存在した
MōTA / 2021年12月6日 20時0分
売れ筋モデルに限らず、多くのクルマに設定されることの多い特別仕様車。だが、ひと口に言ってもじつは「お買い得モデル」「内外装が特別な仕様」「性能を向上したモデル」と大きく3種類に分けられるのだ。一体それぞれどんな特徴があるのか!? マツダ CX-5やトヨタ プリウスといった人気モデルをもとにそれぞれの違いを見ていこう。
お買い得なイメージの強い特別仕様車だが、違う意味をもつモデルも
最近知人と「特別仕様車って書いてあるのに『カタログモデルかと思うほどずっとWebに載っているね』」という話になった。確かに特別仕様車とひと口に言っても大きく分けると3つのタイプに分かれることもあり、ここでは特別仕様車をタイプ別に解説していく。
価格を抑えた特別仕様車は販売テコ入れのために設定する特別仕様車も
まずは「お買い得な特別仕様」だ。じつはこのタイプが一番多いのである。というのも「想定より販売が伸びない」あるいは「登場から時間が経過しており、販売が落ち込んできた」という際、他の商品同様に値下げでテコ入れしたいものだ。しかし、既存のグレードを単に値下げするというのはその前に買った人の心証もあり、難しい。
そのため、少し装備内容を変えて、価格を抑えるという方法もある。特別仕様車を別のグレードのように追加し、テコ入れすることがある。
具体的な例としては、マツダ車のスマートエディションや100周年記念車といったものが該当する。マツダに限っていえばCX-5やCX-8、さらにマツダ3などさまざまな車種に設定している。本来なら装着できない機能を装備する特別仕様車も
また、「こういう仕様があったらいいのに」というモデルが特別仕様車で設定されることもある。一例としてはプリウスSセーフティプラスIIが挙げらる。
ベースとなるSグレードにはオプション設定のない斜め後方を監視し、進路変更の際などの事故防止に大変役立つブラインドスポットモニターが装備される。その割に価格も安い代わりにボディカラーの選択肢が限られるという特別仕様車で、お買い得特別仕様車の1つと言える。
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CX-5のブラックトーンエディションなど、内外装に専用装備を奢った特別仕様車も
ふたつ目は「内外装をドレスアップした特別仕様車」だ。このタイプはカタログモデルにはない内外装を特別仕様車として実験的に市販化し、リサーチやテコ入れも兼ねるというものだ。
現行車での具体的な例としてはプリウスブラックエディション、マツダ車のブラックトーンエディション、ハスラーJスタイル、ラパンモードなどが挙げられ、ロードスターにもこのタイプの特別仕様車は多い。また、お買い得仕様タイプと兼ねたところがあるものとしては、トヨタ C-HR Gモードネロセーフティプラスが挙げられる。過去にはスバル車とLLビーン、3代目インプレッサとBEAMS、スズキ車のサロモンやヘリーハンセンといったアパレル業界とコラボレーションしたこのタイプの特別仕様車も存在した。
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性能を向上!? RAV4やS660などの特別仕様車はベースモデルに比べて走行性能をアップ
最後に挙げるのは本当に特別な機能、性能などを持つ特別仕様車だ。現行車の代表的な例としてはRAV4アドベンチャーをベースに最低地上高を10mm上げ、インチダウンしたオールテレーンタイヤを履くなどし、悪路走破性を向上させたRAV4アドベンチャーオフロードパッケージが挙げられる。また、S660のModuloXバージョンZのような最終仕様車や、ロードスターの30周年記念車のような、お買い得モデルとはちがった意味の○○周年記念車も存在するのだ。
ちなみに過去にはスバルがインプレッサWRXで競技ベース車にエアコンなどの快適装備を加え普段乗りも可能な仕様としたスペックCリミテッドや、専用サスペンションを装備するなどしたWRCタイトル獲得記念車などで、このタイプの特別仕様車に熱心だった時期もある。
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特別仕様車を購入する際はベースモデルの見積もりも併せてとるべき
内外装に特別なパーツなどを装備するモデル、そして性能などを向上させた特別仕様車は趣味性の強いものなので、欲しい人は買えばいいという類である。だが、ひとつ目に挙げた「お買い得モデル」の特別仕様車はカタログモデルにオプションで特別仕様車に近い仕様としたものと値引き額が違うなど、どちらが安いか微妙なことも中には存在する。
そのため、「お買い得モデル」の特別仕様車を検討する場合には一応それぞれの見積もりを取って、「どちらが本当に安いか?」など自分に合う方を選ぶなどして、特別仕様車も1つの選択肢に入れて欲しい。
【筆者:永田 恵一】
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