トヨタ RAV4が現行型になった途端に大ヒット作となった理由は“全てのタイミングが良かった”から!?
MōTA / 2021年12月13日 17時0分
トヨタのミッドサイズSUVである「RAV4」が売れている。2019年4月に現行型が発売開始。その年の12月までに約5万4000台を販売した。これは同年のトヨタSUVとしては、トップとなるC-HRに次ぐ好成績であった。 また翌2020年は通年で約5万5000台を販売。コロナ禍が到来した状況下でありながら、デビュー年の勢いをキープすることに成功。そして3年目となる2021年は1月から11月までで約4万7000台を販売した。これはトヨタSUVとしては、ヤリスクロスの約9万5000台、ライズの約7台5000台に次ぐ数字。デビュー3年目としては十分以上の好成績と言えるだろう。 現行型RAV4が大ヒットした理由について、モータージャーナリストの鈴木 ケンイチが探ってみた。
現行型の売れ行きは国内でのRAV4では過去最大級のヒットだった
トヨタ 現行型RAV4の販売成績は、実のところ過去最大級と言えるものだ。1994年にデビューした初代モデルは、「街中を走るSUV」「モノコックボディで作られたSUV」ということで注目を浴びたけれど、年間販売ランキングでベスト10に入ることはなかった。また、車格をアップしていった第2世代、第3世代もヒットとは無縁。その結果、第4世代の日本導入は見送られ、2016年にはカタログ落ちになる。
つまり、2019年にデビューしている現行モデルは、3年ぶりの日本再導入という立場だった。そう、過去のRAV4は、日本においてヒットモデルと言える存在ではなかったのだ。
歴代RAV4は北米では人気No.1の座に位置するほどの大ヒットSUV! だがこれまで日本での売れ行きはあまりパッとせず
しかし、海外では事情が異なる。海外市場でのRAV4は、売れに売れたモデルであったのだ。1994年から、日本導入見送りになっていた2017年末までの間に、世界市場では累計812万台を販売。2017年だけで年間80万台を販売。アメリカだけで約41万台を売って「アメリカで一番に売れたSUV」「トヨタで最も売れたクルマ」となっていたのだ。
海外では人気モノなのに、日本ではさっぱり。そんな状況から「海外でも人気、日本でも人気!」に変えたというのが現行のRAV4となるのだ。
RAV4が売れた理由は複数考えられるが、その全てのタイミングが合致したからこそ大ヒットとなった
では、なぜ、現行のトヨタ RAV4は日本で人気を集めることができたのだろうか。それにはいろいろな理由が考えられる。SUVの本格的ブーム到来の波に上手く乗れた現行型RAV4
まず、大きいのがトレンドだ。世界市場では、すでに10年ほど前からSUVの人気が高まっていた。ところが日本においては、小ヒットはいくつか生まれていたが、本格的なブームの空気は醸成されていなかった。しかし、2017年の年間販売ランキングの3位にトヨタのC-HRがランクイン。2019年暮れに投入されたトヨタのライズが大ヒットとなり、翌2020年の年間販売ランキング2位を獲得。また、2020年8月に投入されたヤリスクロスは、販売台数がヤリスに統合されてしまって、単体での数字が見えなくなっているが、その実、年間10万台ほどの大ヒットを記録。2021年も単体で約9万5000台もの数を売って、実質のベストセラーSUVとなっている。
つまり、ようやく日本も今、本格的なSUVブームが到来していると言える状況なのだ。そんな追い風が、RAV4のヒットの理由のひとつになっているのは間違いないだろう。
アクティブなSUVらしさを強調するデザインも大きな魅力となってアピール
そして次なるヒットの理由は、RAV4というクルマ本来の魅力にある。個人的に最も大きな魅力と感じるのは、そのデザインではないだろうか。過去のRAV4は、どちらかといえば都会風で土臭さを感じさせないスマートで優しい雰囲気があった。ところが、現行は、その逆できた。オクタゴン(八角形)を2つ組み合わせたような顔つきは、ゴツゴツとしていて、力強さを感じさせる。「アクティブで力強いワクドキ感」があったのだ。
新開発のTNGAプラットフォームやエンジン搭載により「良いクルマ」に仕上がったのもヒットの大きな理由だ
また3つ目の理由として、4WDシステムに、後輪左右のトルクを独立制御することで、高い旋回能力を実現する「ダイナミックトルクベクタリングAWD」という凝った機構を用意し、オフロードでの走りの良さも売りのひとつとなっている。さらにベースとして、「カムリ」と同じTNGAプラットフォームを採用し、最新の直噴2リッター・ガソリン・エンジンと、2.5リッターハイブリッドの2つのパワートレインを用意。2020年には、さらにプラグイン・ハイブリッド版も追加するなど、幅広いニーズに応えられる充実のラインナップを用意したのも、4つ目のヒットの理由のひとつだろう。
まあ言ってしまえば、良いタイミングで、良い商品を投入できたというのが、今回のRAV4のヒットではないだろうか。
SUVブームの中、大小合わせて最強の「SUVフルラインナップ」を完成させたトヨタ
どちらにせよ、トヨタは今回のSUVブームにあわせ、C-HRを筆頭に、RAV4、ハリアー、ライズ、ヤリスクロス、カローラクロス、ランドクルーザーと、怒涛の新型SUV攻勢を行っている。機を見るに敏を地で行くトヨタの戦略のひとつがRAV4と言えるだろう。[筆者:鈴木 ケンイチ/撮影:茂呂 幸正・島村 栄二・TOYOTA]
外部リンク
- レクサス 新型NXのプラグインハイブリッド「NX450h+」は共通ユニットの「トヨタ RAV4 PHV」よりさらにパワフルに強化されていた
- トヨタ RAV4が人気モデルになれた理由とは!? SUVブームだけが要因ではなかった
- トヨタ RAV4、アドベンチャーグレードに待望のハイブリッドが登場! 「これから益々売れそう」の声【みんなの声を聞いてみた】
- プリウスやRAV4など人気モデルによくある特別仕様車は単にお買い得なモデルではない!? じつは特別仕様車には大きく3種類存在した
- RAV4の人気グレード「アドベンチャー」にハイブリッドが追加! RAV4もヘッドライトやアルミホイールを変更してよりイカツイ印象に
この記事に関連するニュース
-
トヨタ「“新”RAV4」発表に反響多数! 「加速良い」「トルク太い」 300馬力超え「超“高性能”ユニット」でめちゃ速い! タフデザインの「超瞬速モデル」名称変更し米で登場
くるまのニュース / 2024年11月14日 7時10分
-
10月に「日本イチ売れたクルマ」は“軽”じゃない! 小型SUV&「背の高い軽」は根強い人気? 「トヨタ勢」はトップを席巻… 販売台数ランキング発表
くるまのニュース / 2024年11月8日 5時50分
-
トヨタ新型「カローラ“クロス”」登場! “レクサス”級に超カッコイイ! タイで発表の“斬新フェイス”が日本にやってくるのは「いつ」なのか
くるまのニュース / 2024年11月6日 11時50分
-
トヨタ「ヤリスクロス」なぜ一番売れてる? “本家”の「ヤリス」より高額なのに残価ローンだと安くなる!? 逆転現象が起きる“カラクリ”とは
くるまのニュース / 2024年11月3日 11時10分
-
トヨタ「最小・最安級SUV」がスゴイ! “全長3.7m”ボディ&「5速MT」もあり! “快音仕様”もあるヤリスより小さい「アイゴX」とは?
くるまのニュース / 2024年11月1日 18時10分
ランキング
-
1春日部のイトーヨーカドーが閉店=「しんちゃん」のスーパーのモデル
時事通信 / 2024年11月24日 19時58分
-
2「バナナカレー」だと…? LCCピーチ、5年ぶりに「温かい機内食」提供…メニューは? 「ピーチ機内食の代名詞」も復活
乗りものニュース / 2024年11月24日 12時32分
-
3「ワークマン 着るコタツ」新モデルが登場 累計43万着を突破、人気の秘密は?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月22日 11時24分
-
4年収壁見直し、企業の9割賛成 撤廃や社保改革要請も
共同通信 / 2024年11月24日 16時22分
-
5異例の「ケーブル盗難でリフト運休」 スキーシーズン前に 捜査は継続中
乗りものニュース / 2024年11月24日 14時12分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください