2021年にヒットした新型「ホンダ ヴェゼル」、成功の秘密は洗練さを増した“エレガントなキャラクター”にあり
MōTA / 2021年12月26日 19時0分
2021年にホンダが発売した新型モデルは、わずかに2つ。4月にフルモデルチェンジしたBセグメント・コンパクトSUVの新型「ヴェゼル」と、8月の新型「シビック」(5ドアハッチバック)だ。しかし、残念ながら「シビック」の属するセダン・5ドアハッチバック系ジャンルは、日本市場では、さっぱり売れなくなっている。そのためホンダとして絶対に売れてほしいのが「ヴェゼル」だ。今回は、そんな新型「ヴェゼル」の売れ行きを考察してみたい。
日本市場を支える重要な役割を果たしてきた初代ヴェゼル
この5車種のうち、ステップワゴンは2022年春のフルモデルチェンジが予告されており、まさにモデル末期。フリードは2016年9月のフルモデルチェンジで、フレッシュなわけではない。一方、フィットは2020年2月にフルモデルチェンジをしている。つまり、登録車でいえば4車種のうち2つが古いモデルとなり、結果的にフィットとヴェゼルの奮闘が期待される状況だ。
SUVブームの波が売れ行きを後押し
しかも、数年前からトヨタが「RAV4」「ハリアー」「ライズ」「ヤリスクロス」「カローラクロス」「ランドクルーザー」と新型のSUVを続々と投入。日本市場でのSUVへの注目度が高まっている。ここに、先代がヒットしたホンダの新型SUVが投入されるとなれば、いやがおうにも期待度も高まるというものだ。
先代の美点だった室内の広さはそのままに、新型ではハイブリッドシステムも大きく進化
クルマの基本となるプラットフォームは、先代と同様に「フィット」と同じセンタータンクレイアウトを踏襲する。ただし、Bセグメントではあるけれど全長は4330mmあって、ライバルとなるトヨタの「ヤリスクロス」の4180mm、日産「キックス」の4290mmよりも、若干大きいのが特徴だ。そのため室内が広いというのが初代からの長所となっている。
販売の9割以上をハイブリッド車が占める
価格はエンジン車が約230~250万円で、ハイブリッドが約266~330万円。売れ筋は300万円前後のハイブリッドのミドルグレードとなっている。Bセグメントと言っても、安さで売れているわけではないようだ。
先代ヴェゼルと較べ、新型はおよそ2倍の売れ行きとなった
2021年の1月から11月までの累計でいえば、「ヴェゼル」の販売台数は4万8193台(一般社団法人 日本自動車販売協会連合会調べ)で、販売ランキングは14位となる。ホンダ車としては、「フリード」の6万4246台で8位、「フィット」の5万4315台で13位に次ぐ、第3位のポジションだ。12月までの結果は、おそらく5万台を少し超えるといったところだろう。ちなみに、ヤリスクロスの1~11月の販売数は約9万4500台で、2倍近い差になっている。この数字だけでは、あまり売れているようには見えない。
月間平均5400台のペースで売れ続けた新型ヴェゼル
また、ヒットした先代「ヴェゼル」はデビュー翌年の2014年こそ年間約9万6000台を売ったが、2015年以降は年間5.5~7万台で推移している。コロナ禍と半導体不足という逆風の中での、年間6万5000台のペースは、大成功とまではいわないが、まずまずと言えるのではないだろうか。
新型ヴェゼルは、先代の美点を伸ばしながらネガをつぶし、洗練度を高めた
ホンダには、「フルモデルチェンジのときに先代を否定する」という他社にない不思議な社風がある。当然、うまくいくこともあれば、失敗することもあるだろう。今回の「ヴェゼル」に関しては、否定がごく一部で、多くの良い部分は新型に引き継がれた。
結果として、新型「ヴェゼル」は先代よりもエレガントな大人のSUVとなっていた。この進化がヒットの大きな理由に違いない。
[筆者:鈴木 ケンイチ(モータージャーナリスト/撮影:和田 清志・茂呂 幸正・Honda)]
外部リンク
- ホンダ 新型ヴェゼル検討者から疑問の声が! 流れるウィンカーはテールライトにも欲しいの声多数【みんなの声を聞いてみた】
- ヴェゼルやヤリスクロス、ロッキー&ライズなど2WDモデルを選ぶユーザーがほとんど! 2WDを選ぶメリットはコストパフォーマンスの良さだった
- 新型ヴェゼル、スポーティさとプレミア感を付与するエクステリアパーツやスポーツサイレンサーなど注目の無限パーツを写真でチェック
- 車中泊可能!? 人気SUVに身長180cmの男が実際に寝てチェックしてみた! 2021年の車中泊オブ・ザ・イヤーは新型ヴェゼルだ
- 今年の1台はどれだ!? 日本カー・オブ・ザ・イヤー2021-2022発表直前! 10ベストカーにエントリーされたモデルをイッキ乗り!
この記事に関連するニュース
-
2024年上半期「“日本一”売れたクルマ」はナニ? 「軽・SUV」人気変わらず!? 「納期長すぎ問題」は解決も「不正」で順位も変動… 販売台数発表
くるまのニュース / 2024年7月4日 19時40分
-
ホンダ“新型コンパクトSUV”「HR-V」公開! “黒め”エアロがカッコイイ「夜型」! 全長4.3mボディの「新モデル」台湾に登場
くるまのニュース / 2024年7月1日 18時10分
-
新型フリード「ただの正統派」ではない形の狙い 派手さはなくても感じるホンダのメッセージ
東洋経済オンライン / 2024年6月29日 7時0分
-
ホンダ「新型ヴェゼル」登場! 3年ぶり刷新で「斬新アウトドア仕様」も新設定! 新色「オシャグリーン」も追加の“コンパクトSUV”に反響あり!
くるまのニュース / 2024年6月23日 10時10分
-
ホンダの新型フリードに試乗! 売れているのに刷新する理由は? 走りは?
マイナビニュース / 2024年6月19日 11時0分
ランキング
-
1ソニーが録画用ブルーレイディスク生産終了へ、光ディスクの記録メディアから完全撤退「市場が縮小」
読売新聞 / 2024年7月5日 18時12分
-
2日本に豊田章男氏がいたのは幸運だった…「EV化の真実」を主張し続けた豊田氏が筆者に明かした「真意」
プレジデントオンライン / 2024年7月5日 8時15分
-
3妻に先立たれた65歳、年金約17万円・おひとり様シニアを襲う<老後破産へのカウントダウン>
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月3日 9時0分
-
4今度はなんのコラボ? マクドナルドのX、次回の「ハッピーセット」のヒント画像公開...期待高まる
J-CASTニュース / 2024年7月4日 16時49分
-
5勢いづく出社回帰 テレワークは消えゆく運命なのか?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月5日 6時35分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)