新成人が欲しいクルマ1位はトヨタ アクア!免許保有率は上昇傾向の一方でクルマ購入に踏み切れない要因とは
MōTA / 2022年1月9日 13時0分
ソニー損害保険が2022年1月5日(水)に発表した「2022年新成人のカーライフ意識調査」では、今年の新成人(2001年4月2日〜2002年4月1日生まれ)1000人を対象に欲しいクルマやクルマに対する意識などがまとめられている。今回はこのデータをもとに、若者のクルマに対する意識や印象を紹介したい。
クルマの購入意思を持つ新成人は多い!
まずはクルマの利用実態から紹介しよう。
今年の新成人の運転免許保有率は57.2%で、昨年比で5.9ポイント上昇した。コロナ禍で公共交通機関の利用が不安視される中、プライベート空間で移動できるクルマの利便性が改めて理解され、免許取得に踏み切る若者も多かったのではないだろうか。
内訳を見るとオートマ限定は39.5%、マニュアルは17.7%で、マニュアル車の選択肢が少なくなっている中でもマニュアルを求める人もいるようだ。
「クルマを持っているか」という質問には「自分のクルマを持っている」が16.0%、「購入予定がある」が9.3%、「購入する予定はないが、いずれは欲しい」が43.7%と、購入意思を持つ若者は多いように感じられる。 一方で、「クルマを購入するつもりがない」と回答した人(310人)を対象にその理由を聞いたところ「購入費用を負担に感じる」が最も多い48.1%、次いで「燃料代や修理費など維持費がかかる」が33.5%、「交通事故・トラブルを起こしたくない」が30.0%となった。特に都市部では「購入費用を負担に感じる」と回答した人が55.7%と地方に比べて10ポイント以上高い。 最近では安全性能の高まりもあり、衝突安全や予防安全装備が追加され、クルマの価格が高くなってきている。もちろん、クルマの安全性の向上は交通事故の削減、被害の軽減に寄与し、乗員や歩行者などを守ることができるため必要不可欠なことではある。しかし、購入時の金銭的な負担が大きいことが若者がクルマの所有意欲を無くす要因となっていることは間違いない。 また、意識の面でも「若者のクルマ離れとは自分自身のことだと思う」(35.7%)、「クルマに乗る必要性を感じない」(28.4%)、「クルマを所有する経済的な余裕がない」(61.1%)と、クルマに関心がない、クルマがなくても不便に感じないなど所有するメリットを見出せない若者が多いようだ。 ほかにも「メーカーにもっと若者向けのクルマを作って欲しい」という回答が40.6%だった。安価で運転が楽しめるクルマや、運転に慣れていない人でも乗りやすいクルマなどターゲットを若者に絞ったモデルの開発も期待されているのだろう。レンタカーやカーシェアなどからクルマに関心を持つ人もいる
最近ではレンタカーやカーシェアリングの拠点数も充実している。免許をすでに取得している人(572人)を対象にしたレンタカーとカーシェアの利用率ではレンタカーが30.2%、カーシェアが9.8%となった。カーシェアは特に都市部で高く、17.3%だった。
レンタカーやカーシェアを利用したことがある人(190人)により細かく聞いていくと「クルマを購入する前の試し乗りとして利用した」(20.5%)、「利用したことでクルマを欲しいという気持ちが強くなった」(46.8%)、「乗ったクルマが気に入り、同じクルマを欲しいと思った」(30.0%)となった。現在はクルマを所有していなくとも、乗ってみることでクルマに関心を持つようになったという人も少なからずいるだろう。新成人が欲しいクルマ1位はトヨタ アクア!
最後に、免許保有者と取得予定者(836人)のうち、クルマの所有に肯定的な80.6%(674人)に欲しいクルマを聞いたところ「トヨタ アクア」(15.0%)が最も多く、ついで「BMW」(12.0%)、「レクサス」(11.0%)となった。輸入車や高級ブランドはメーカー名での回答となったため上位に入ってきているが、15位以内にはトヨタ プリウスや日産 ノート、トヨタ アルファード、ホンダ N-BOX、ホンダ フィット、トヨタ 86、日産 GT-Rなど国産車も多数含まれている。
トヨタ アクアはコンパクトで取り回しも良く、燃費性能も高い。2013年から3年連続年間販売首位を取得していたこともあり、新成人にとっては子どものころテレビCMなどでよく目にしていた、家族が乗っていたなど身近な存在だったのかもしれない。 性別で見ると男性は輸入車ブランドが多く入っているのに比べ、女性は軽自動車やコンパクトカーなど小型の国産車が目立つのも面白いポイントだ。クルマのメリットを伝えることと購入負担の軽減がポイント!
今回の調査結果を受けて、若者にクルマを所有してもらうには「クルマのメリットを知ってもらうこと」と「購入負担を減らすこと」の2点が重要だと感じられた。
具体的には免許を持っている人には実際にクルマに乗る機会を増やし、友人や家族とドライブに出かけるなどクルマのメリットを感じてもらう。購入負担については残価設定型ローンや自動車メーカーが実施している月々定額でクルマに乗れるサブスクリプションサービスなどで負担を軽減できることをさらに訴求していく必要がある。
時間に束縛されることなく、荷物や人を乗せていつでも自由に好きな場所へ行くことができるクルマの良さをもっと多くの人に感じてもらいたい。
【筆者:篠田 英里夏(MOTA編集部)】外部リンク
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