新型ステップワゴン AIRは「“エアロを外した安いほう”にはしたくなかった」ホンダ デザイナー インタビュー Vol.1
MōTA / 2022年1月11日 17時0分
ホンダ 新型ステップワゴン「STEP WGN AIR(ステップワゴン エアー)」イメージスケッチ[2022年1月7日初公開・2022年春発売予定] [Photo:Honda(Honda Design)]
トヨタ ノア/ヴォクシー、日産 セレナなどが激戦を繰り広げるMクラスミニバン市場。その一角を担うホンダ ステップワゴンは2022年1月7日(金)、2022年春の正式フルモデルチェンジに先駆け、内外装のデザインが先行公開された。 そこには、コンセプトカーのようにシンプルな新しいステップワゴンの姿が! ボクシーでスクエア、そして力強いデザインがとても新鮮に映ったのだ。 この記事では、新型ステップワゴンのデザイン面にフォーカス。新型ステップワゴンに込められた、ホンダの心意気について、デザイナーインタビューなどを通じて紐解いてみたい。第一回目は、エクステリア担当のデザイナーに話を伺った。
AIRはチャレンジであり、私たちが信じていた路線
まずは、株式会社本田技術研究所 デザインセンター オートモービルデザイン開発室 プロダクトデザインスタジオ アシスタントチーフエンジニア 花岡 久和氏に、新型ステップワゴンのエクステリアデザインの話を伺った。
単なる廉価版ではない! 初代モデルが持っていた“シンプルな道具感”を復活させた新型ステップワゴン AIR
Honda 花岡 久和氏:(以下花岡氏)新型ステップワゴン エアー(以下AIR)は、チャレンジでした。これまでの標準モデルにあった『エアロを外した安い方』という見方を直したかったのです。
シンプルでもチープではなく、むしろ力を入れて作り込みをすれば、きっと、この方向性を喜んでいただける。気に入っていただけるユーザーはたくさんいらっしゃると思いました。
そこで今回は、初代・2代目ステップワゴンが持っていた『乗用車と道具感の両立』というテイストを復活させようと勝負に出ました。原点回帰の新グレードとして、AIRを設定したのです。
ただ、当時とまったく同じ手法ではなく、現代的な手法でアップデートしています。
2つの新しいステップワゴンは、大ヒットした軽「N-BOX」と「N-BOXカスタム」の関係性と似ている!?
花岡氏:参考にしましたが、まったく同じ考えではなく、ステップワゴンはステップワゴンに回帰する、という思いで作りました。
ベーシックグレードは手を抜いたチープなもの、という考えは、私たちにはありませんので、N-BOX含め、ベーシックこそ力を入れて開発するのは、ホンダ全体のスタンスです。
そのためベーシックグレードといっても、コストがかかっています(笑)。
初代・2代目ステップワゴンをほうふつとさせる新型、そのきっかけをつくったのが花岡氏だった!
花岡氏:ズバリ、初代・2代目的で進めたい、と言い出したのは私です(笑)。
次のステップワゴンをどうしようか、ということで鷹栖プルービンググラウンド(北海道にあるホンダの巨大なテストコース)にチームが集まった際、場内の連絡車にボロボロの2代目ステップワゴンが使われていまして。それが、鷹栖の綺麗な景色に置いてみたら格好良くて。
これをオマージュしようかな、ってチームに話をしたら『それはいいかも』という話になりました。
MOTA:新型は、ユーザーの思うステップワゴンの「ど真ん中」にあるのかもしれませんね。
花岡氏:はい。新型を一目見て、『懐かしい』という声をお聞きするのですが、それはまさに狙い通りです。
そこで、車体を樽型にしてタイヤ周辺の面を引っ込め、ホイールアーチも強めに見せてタイヤの踏ん張り感を出しました。このスタンスで、走行性能の高さをアピールできたと思っています。
デザイン全体も、平板に見えないよう、面の張りを綿密に、大きな曲率の『カタマリ』でチューニングしています。懐かしさと新しさが同居できているのではないでしょうか。
新型ステップワゴン SPADA(スパーダ)は「スーツを着ても乗れる品格のあるクルマ」を目指した
花岡氏:新型ステップワゴン スパーダ(以下SPADA)はホンダ流の“しっかりしたマスク”にしましたが、スーツを着て乗れるような、品格のあるクルマを目指しました。速そうに見せることも重視しています。
また、AIRではバンパー下部にあるリフレクターを、SPADAではテールランプ内に入れています。それも、こだわったポイントですね。
シンプルなのに印象的! そのデザインには初代ステップワゴンの精神が息づいていた
次回のホンダ デザイナー インタビュー Vol.2では、新型ステップワゴンのパッケージング、そしてCMFデザイン担当の各デザイナーに話を伺う。一般にはまだまだ聞きなれない職種だが、開発にあたり重要な役割を果たしているという。こちらもお楽しみに…。
[筆者:遠藤 イヅル/撮影:島村 栄二・Honda]
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