レクサスの新型フラッグシップSUV「LEXUS LX600」に初試乗! オフロードでも高級車然とした振る舞いに驚く[後編]
MōTA / 2022年1月15日 14時0分
レクサスのフラッグシップSUV「LX」がフルモデルチェンジし、2022年1月12日(水)より正式に発売を開始した。価格は1250万円から1800万円(消費税込み)。「世界中のどんな道でも楽に、上質に」をコンセプトに掲げた新型「レクサス LX600」に、いち早く試乗する機会を得た。基本プラットフォームを“ランクル”こと「トヨタ ランドクルーザー300」と共有する新型LX600だが、オンロード、オフロードともに格段に上質な乗り味を示し、全くの別モノに生まれ変わっていた! モータージャーナリスト 今井 優杏さんが前後編でお届けする。後編はオフロード試乗での印象を中心にご紹介しよう。
オフロードコースでも試乗! 悪路でも実感出来る“レクサス品質”
前回はオンロードでのレクサス 新型「LX600」の印象を、従来型「LX570」との違いも交えながらお伝えした。今回はお待ちかね、オフロード試乗編だ。これほどの大径タイヤを採用しながらも、新型LX600は、オフロード走破性がまた別次元に進化していることを報告しておきたい。
従来型でも十分過ぎる走破性だが、新型LX600は余裕度も格段に上がっていた
新型LX600は、マルチテレインセレクト(未舗装路、砂地、泥濘路、岩石路など走行シーンに応じてブレーキ・駆動力・サスペンションを最適制御する機能)とダウンヒルアシストコントロール(険しい急坂を降りる際に4輪のブレーキを自動制御し安定した降坂をアシストする機能)、そしてクロールコントロール(悪路や滑りやすい路面で極低速走行をアシストする機能)の性能も拡大されているのだ。こちらもオンロード試乗同様、ありがたいことに新旧比較をさせてもらったが、一言でいうならズバリ『悪路でもレクサス品質』。
ちなみにLXの名誉(?)のために言っておくが、今回設定された疑似オフロードコースくらいの難易度では、LX570もかなりイイ線行っているというか、悪路走破性、脱出性は相当なモノ。ローラーの上での超低ミュー路(極めて滑りやすい状態の路面)想定のスリップ路や、二輪が完全に浮いてしまうようなシーン、また空を見上げるような登坂と逆に地に刺さるかのような下り坂でも、それぞれ難なく脱出、もしくは攻略してくれる。電子制御技術が格段にアップ! 無駄な動きやギクシャク感も払しょくされていた
しかし、新型LX600ではその脱出の仕方が極めてジェントルというか、もう、なんか余裕すら感じる走破性を誇るのだ。たとえば低ミュー路想定のローラー上では、従来型LX570がある程度、タイヤの空転をしてから脱出するのに対して、新型LX600は明らかにその空転量(時間)が少ない。
体感的には本当に一瞬で、現行型に比べると三分の一くらいの脱出時間のイメージだ。
人工的にコブを作って対角線上のタイヤを浮かせ、そこからの脱出を図るシーンでも同様で、タイヤの空転時間が新旧比較でかなり少なく、こちらもかなりイージーな脱出だ。
登坂はそれぞれまあ、この巨体がよくぞまあこんなにガツガツと坂を登ってくれるなという感じにはあんまり変わらないのだけれど、一番驚いたのがダウンヒルアシストコントロール。従来型のLX570は、ギシ、ギシ、という感じで前後にピッチングしながらガクガクとまるで戦車のように坂を降りていくのに対して、新型の4輪のブレーキ制御の滑らかさ・フラットさは明確に違いがある。室内を揺らすことなくしずしずとエレガントに坂を下るさまは「レクサスのフラッグシップSUVに相応しい立ち居振る舞い」であった。
これまでのブレーキの制御が掴んで・離して、というのを小刻みに繰り返しているイメージだとすると、その制御速度を上げ、細かくブレーキをかけることによって、乗員に恐怖感を抱かせることのないダウンヒルを実現したのだという。 また、その悪路を攻略するときにフロア下を透過した画像を表示してくれるマルチテレインモニターもあるから、視覚的にも安心要素は高い。弟分の新型NXと共に新世代LEXUS車の扉を開く新型「LX600」
夜の街にも似合うような新型レクサス 「LX600」のアーバンな雰囲気は、オンロードでの走りはもちろん、悪路にまで統一されていた。昨年末に発売された弟分、新型NXに続いてこの新型LX600が、次世代レクサスの扉を開く。今後のレクサスの進むべき方向が楽しみになるような、豊かな世界観を持つモデルであった。
[筆者:今井 優杏/撮影:小林 岳夫・LEXUS]
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