スポーツカーとしての様式美が詰め込まれた「リトラクタブル・ヘッドライト」を備えたスポーツカー3選!
MōTA / 2022年1月31日 12時0分
最近の新型車では見ることがなくなった「リトラクタブル・ヘッドライト」。かつてはカッコいいスポーツカーを象徴する要素の1つだったものの、保安基準の変更、衝突安全性の観点、空気抵抗や車両重量の増大などの理由から、徐々にその姿は減少していった。今回は、そんなリトラクタブル・ヘッドライトを備えたカッコいいスポーツカー3選を紹介する。
“ハチロク”でお馴染み「トヨタ スプリンタートレノ」
1台目に紹介するのは、1983年に登場したトヨタ スプリンタートレノ。型式が「AE86」であることから「ハチロク」の名で今でも多くの人に愛されているモデルだ。大人気漫画「頭文字D(イニシャルD)」の主人公 藤原拓海のマシンとして活躍し、上下白黒ツートンの通称パンダトレノの人気が急上昇。それまでお手軽価格の入門スポーツカーだったハチロクは、プレミア価格のネオクラシックスポーツカーへと変貌を遂げている。
トヨタ スプリンタートレノ(AE86)は、コンパクトFRスポーツカーとして、2ドアノッチバッククーペと3ドアハッチバッククーペをラインナップ。エンジンには、1.5リッター直列4気筒と130馬力を発揮する新開発1.6リッター直列4気筒DOHC 16バルブ 4A-GEU型が設定されている。ちなみに、スプリンタートレノがスポーツカーらしいルックスと空力性能に有利なリトラクタブル・ヘッドライトを装着しているのに対し、兄弟車であるカローラレビンは、固定式ヘッドライトに自動で開閉するエアロダイナミックグリルを装着。それぞれを差別化しつつ、スポーツカーらしい工夫が盛り込まれていた。
現在の中古車市場では20台程のモデルが出品されており、車両本体価格は220万円~590万円の値段で取引されている。
ロータリースポーツカーの代名詞「マツダ RX-7(FC型)」
2台目は、1985年に登場したマツダ 2代目RX-7。5ナンバー枠のコンパクトな3ドアファストバッククーペスタイルに、2ローターの13B型ロータリーターボエンジンを搭載。日本初のアルミ製ブレーキキャリパーや、加重によってリアタイヤのトーを変化させるトーコントロールハブを搭載したことで、世界の名だたるスポーツカーと勝負ができるロータリースポーツカーだ。
当時の流行でもあった四輪操舵の感覚を味わうとできる唯一無二のロータリーFRモデルだったRX-7(FC型)。エンジンは、軽量コンパクトな容量654ccのローターを2機搭載した13B-T型にターボを装着。後期型では最高出力215馬力を絞り出した。前後重量配分は50.5対49.5を実現し、その運動性能は乗り手の技量が必要と言われるほどのマシンだった。リトラクタブル・ヘッドライトといえばRX-7を思い浮かべる人も多いはず。1985年10月に3台目のFD型にフルモデルチェンジしてもリトラクタブル・ヘッドライトは引き継がれた。
現在の中古車市場では30台程のモデルが出品されており、車両本体価格は167万円~550万円の値段で取引されている。
最新デバイスを多数搭載した「三菱 GTO」
最後に紹介するのは、1990年にミッドシップスポーツカーのようなワイド・アンド・ローのスタイルでデビューした三菱 GTO。エンジンは、ハイパワーな3.0リッターV型6気筒エンジンを搭載し四輪を駆動させる。また、最新デバイスを多く搭載していた三菱のフラッグシップスポーツカーだ。
GTOは2001年の生産終了までに大きな改良が4度も行われ、小規模の改良を含めると毎年のように何らかの改良が行われた。リトラクタブル・ヘッドライトを採用していたのは初期型のみで、1993年に登場した中期型ではプロジェクター式の固定式ヘッドライトに変更されている。現在の中古車市場では40台程のモデルが出品されており、車両本体価格は88万円~458万円の値段で取引されている。
2001年に販売終了となるが、ハイパワーエンジンと低く幅広なスタイリング、そしてリトラクタブル・ヘッドライトという、カッコいいスポーツカーを象徴するような存在であった。
現在では新型モデルで採用されることは無くなったリトラクタブル・ヘッドライトだが、点灯時の“パカッ”と飛び出す姿はスタイリッシュなスポーツカーとしての様式美が詰め込まれた尊いギミックの1つだ。
[筆者:望月 達也(MOTA編集部)]
※記事中の中古車価格は2022年1月時点のMOTA調べ
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