4WDなら何でも良いわけじゃない! 雪道を走るための4WDを選ぶならモーター駆動がオススメだ!
MōTA / 2022年2月3日 10時30分
雪道などの悪路走破力を高める場合、最も有効な方法が4輪を駆動できる4WDシステムの搭載だ。2輪駆動に比べて、駆動力の伝達効率が大幅に向上する。 しかし、4WDシステムの種類は複数あることをご存知だろうか。4WDには大きく分けてパートタイム式とフルタイム式の2つがある。 さらにフルタイム式にも複数の種類が存在する。まずはそれぞれの制御の違いを、そして実際に使用する場面について紹介したい。
シンプルなのはパートタイム式だが、4WDを使える機会が少ない
4WDには複数の種類があり、最もシンプルなのは、スズキ ジムニーやトヨタ ハイラックスが採用するパートタイム式だ。悪路走破力は高いが、カーブを曲がる時に前後輪の回転数を調節する機能が装着されていない。
従って駆動輪の空転が生じにくい舗装路では、2WDの状態で走る。これでは4WDを使える機会が減るから、今の大半の4WDは、舗装路を含めて4輪を駆動できるフルタイム式になった。フルタイム式には複数のタイプが存在する
フルタイム4WDにも複数のタイプがあるが、今の主流は多板クラッチ式だ。前後の駆動系の間に多板クラッチを使った4WDシステムが備わり、クラッチの締結力を電子制御で変化させることにより、前後輪に配分する駆動力の比率などを調節する。
前輪駆動を基本にしたタイプでは、舗装路を穏やかに走っている時には、前輪の駆動力配分を高めて燃費効率を向上させる。発進時や前輪が空転しそうになった時は、後輪の駆動力配分を増やす方式が多い。
トヨタ ランドクルーザーのような悪路向けのSUV、スバル WRXのような高性能車には、センターデフ式4WDを使うこともある。左右輪の間に装着されるデファレンシャルギアと同様の機能を前後の駆動系の間に設置して、前後輪の駆動を調節する。
モーター搭載の4WDなら加減速の反応が早く、駆動力配分も自由自在だ
そしてハイブリッド車では、後輪側にモーターを装着して、エンジンの動力は使わずにモーターだけで駆動するタイプもある。日産 ノートと日産 ノートオーラのe-POWER・4WD、トヨタのハイブリッドが採用するE-Fourなどがこの方式だ。
車両の後部にモーターを搭載して後輪を駆動すると、エンジンの駆動力をプロペラシャフトを使って後輪へ伝える必要はない。従って空間効率も向上する。またモーターはエンジンに比べると、加減速の反応が素早い。しかも後輪用モーターを独立して搭載すれば、前後輪の駆動力配分も自由に変えられる。前輪の駆動力を一定に保ちながら、後輪の駆動力だけを素早く増減させることも可能だ。
そして今は、多くの車種が4輪のブレーキを独立作動させて走行安定性を高める制御も行う。アクセルペダルを踏みながらカーブを曲がっている時に、電子制御によって内側のブレーキを自動的に作動させ、車両の進行方向を積極的に変えるような制御もある。このように4輪の駆動力とブレーキを最適制御して車両を安定させる時も、駆動力を機敏に増減できるモーター駆動の4WDであれば、作動の仕方が一層綿密になる。
4WDシステムを実際の雪道で試乗する!
ここまで4WDのシステムの種類について述べてきたが、次回はいよいよ実際に雪道を走行してみてそれぞれの違いについて確かめていきたい。
【筆者:渡辺 陽一郎】
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