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新型ヴォクシーの悩ましいグレード選びは2列目の使い方次第! 愛犬を乗せるならS-Zのハイブリッド2WDを選びたい

MōTA / 2022年2月5日 10時30分

トヨタ 新型ノア/ヴォクシー「トヨタ 新型ヴォクシー S-Z(ハイブリッド・2WD・7人乗り)」[2022年1月13日フルモデルチェンジ] [Photo:島村 栄二]

新型となるトヨタ ノア&ヴォクシーの4代目が満を持して登場した。ノアとヴォクシーの両車が揃っていることは当然ながら、ノアは標準車とエアロ仕様が用意されているのに対して、ヴォクシーはエアロ仕様のみの展開となった。 デザインがより新型らしくなったヴォクシーは人気モデルの一角を担うことになりそうだ。そこで今回は大きく2つに分かれた新型ヴォクシーのグレード選びについて解説したい。

トヨタ 新型ノア/ヴォクシー「トヨタ 新型ヴォクシー S-Z(ハイブリッド・2WD・7人乗り)」[2022年1月13日フルモデルチェンジ] [Photo:島村 栄二]

S-Zは7インチのマルチインフォメーションディスプレイや両側にスライドドアが標準装備だ

ではS-Z、S-Gグレードの違いを紹介しよう。

まず走りに関わる部分ではタイヤサイズだ。S-Zの2WD車のみ205/55R17サイズを装着。ホイールデザインも他の16インチとは違い、見た目のカッコ良さに差がつく。まだ未試乗だが、走りの良さでこちらが上回ることは間違いないところだろう。

S-Zは17インチのタイヤを装着する

トヨタセーフティセンスの基本的な機能についてはグレード差がないものの、アクティブハイビームアシストがオプションで選べるのは、これまたS-Zとなる(絶対に必要ではない?)。

アクティブハイビームアシストはオプションで装備する

運転席での見映えも微妙に異なる。マルチインフォメーションディスプレイがそうで、S-Zは7インチ、S-Gは4.2インチのTFTカラーとなり、視認性、先進感はけっこう違ってくる。

マルチインフォメーションディスプレイ

スライドドアミニバンにあってほしい両側スライドドアのパワー機能については、S-Zにデュアルパワースライドドアが標準装備される一方、S-Gのパワー機構は助手席側のみ。S-Gの両側に付けるとなると6万2700円のオプションとなる。

デュアルパワースライドドア

シート表皮やエアコンなど車内も豪華装備

車内の装備、快適性では、シート表皮がS-Zは合成皮革+ファブリック、S-Gは上級ファブリックとなる違いがあるほか、エアコンの仕様が異なる。

トヨタ ヴォクシー S-Zのシート表皮

S-Zは左右独立温度コントロールフロントエアコン+リヤオートエアコンの3ゾーンエアコンとなり、さらに快適温熱シート(運転席・助手席)、折りたたみ式大型サイドテーブル(カップホルダー4個、ポケット、充電用USB端子2個、エコバッグフック2個)を標準装備。

カップホルダーやUSBも充実

S-Zのハイブリッド車なら、車内外で家電品が使え、非常時給電システムも付くAC100V/1500Wコンセントが2個備わっているから便利で頼もしい。

S-Gの場合、エアコンはフロントオートエアコン+リヤクーラーとなる。

さらに快適利便Cパッケージ(Mid)のオプション装着で、ハンズフリーデュアルパワースライドドア、左右独立温度コントロールフロントエアコン+リヤオートエアコン、快適温熱シート(運転席、助手席)、USB端子付き独立型センターコンソールボックスなどがセットで備わるものの、オプション価格は17万2700円(HV)~17万8200円(ガソリン車)と、けっこう高額だ。S-Gのハイブリッド車のAC100V/1500Wコンセントもまた4万4000円のオプションである。

と、ここまでが両グレードの主な機能、装備類の違いである。

USB端子付き独立型センターコンソールボックス

オットマンやシートヒーターはS-Z用のオプション装備だ

ちなみに、新型ノア&ヴォクシーの2列目キャプテンシートにオットマンやシートヒーターが付いた!! と話題になっているが、実はS-Z用のオプション設定アイテムなのである。

オットマンシート

具体的には快適利便パッケージ(High)として、”ハンズフリー”デュアルパワースライドドア、パワーバックドア、車両の両サイドに装備されたパワーバックドアスイッチ、ナノイーX、ステアリングヒーターとともに、キャプテンシート追加機能としてシートヒーター、オットマン(2WDのみ)、角度調整機能付きアームレスト(2WDのみ)のセットで12万6500円~15万1800円(ハイブリッド、ガソリン、2WD/4WDの各仕様による)となるのである。

パワーバックドア

また、S-Zのみのオプションとなるカラーヘッドアップディスプレイ&デジタルインナーミラーは9万9000円である(もちろんナビも全グレードでオプション)。

両グレードの価格差はハイブリッド車の7人乗り、2WDで比較すると、S-Zが374万円。S-Gが344万円となり、その差は30万円ジャストである。

オプション装備を追加することによってS-GとS-Zの価格差は等しくなる

かつて業界内”一部”でミニバンマイスターと呼ばれ、ミニバンを12年愛用した経験のある筆者のグレード選びとしては、2列目席をどう考えるかで決まると思う。デュアルパワースライドドアに、より操作性が良くなったハンズフリー機能が付き、後席エアコンの独立温度調整が可能。

ハンズフリー機能がついたデュアルパワースライドドア

また、オプションとはいえ、2列目キャプテンシートにシートヒーター、オットマンが付けられ、2列目席の居住性が充実するのはS-Zのほうだ。

走行面でも安定性、走りの上質さに寄与するであろう17インチタイヤが付くのもまた、繰り返すがS-Zとなる。

トヨタ 新型ヴォクシー S-Zグレード

ハイブリッド車に限れば、S-Gにデュアルパワースライドドア(6万7200円)、AC100V/1500Wコンセント(4万4000円)、さらに後席の快適性を重視して快適利便Cパッケージ(Mid/17万2700円)を付けていくと、それだけで28万3900円のオプション価格となり、S-ZとS-Gの価格差はないに等しくなってしまう(S-Zに快適利便パッケージHighを付けないとして)。

使い勝手面では、デュアルパワースライドドアは不可欠と思え(運転席から後席に置いた荷物を出し入れするときなど)、ミニバンの特等席となる後席の居心地、快適性、豪華さを重視するのであれば、S-Zの満足度が、価格を超えて手に入ることになると言っていいだろう。

トヨタ 新型ヴォクシーの後席

ただし、高機能ナビは全グレードにオプションだから、そのあたりの追加金額を含めて比較検討するのはもちろんだ。

愛犬を乗せるならS-Zのハイブリッド2WDを選びたい!

筆者であれば、デュアルパワースライドドアと、災害大国・地震大国に日本においてあると助かるAC100V/1500Wは譲れないが、キャプテンシートのシートヒーターやオットマンはなくていい(いつも後席にふんぞり返る身分ではなく、基本前席の利用になる)。

ただし、常日頃、後席に愛犬を乗せるため、3ゾーンエアコンは必須。

つまり、S-Zのハイブリッド2WDが基本。また、新型ノア&ヴォクシーにトヨタ車として初装備の安心降車アシスト(スライドアを開ける際、後方からクルマや2輪車が迫っていると、オープンを停止する安心機能/最新のレクサスNX譲り)が付いている。

安心降車アシストも付いている

ブラインドスポットモニター(ハンズフリードライブが可能になるアドバンストドライブ/渋滞時支援、緊急時操舵支援、パーキングサポートブレーキ込みのメーカーセットオプション13万4200円だからかなりお得!!)もまた不可欠。ベース価格374万円のS-Zにそれとナビを追加した仕様が理想となる。

トヨタ 新型ヴォクシー S-Zグレード

となると、なんだかんだ、車両価格だけで400万円オーバー。とはいえ、家族の楽しさ、快適さを、徹底した安心・安全性能とともに運んでくれるミニバンとして、それだけの価値があると言って間違いなさそうなのが、トヨタの持つ最新の先進機能・装備を惜しみなく注いだ新型ノア&ヴォクシーということだ。

なんでそこまでやり切れたのか? その理由については、いずれ、機会があればお話しさせていただきたい。

【筆者:青山 尚暉】

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